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ポンコツ作家と有能編集、自世界を行く  作者: 鍵っ子
二章:ポンコツ、新天地に立つ
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ピンチを以てピンチを制す。

「……誰も居なくねぇか?」

「いや、布団だとか、色々ある。間違いなく、誰か住んでる……住んでいた、かもしれねぇけどもな」


 ……こんな、咄嗟に柱の裏に隠れるだけのメッチャ雑な隠れ方だったけども。バレてないな。うん。編集さんは……あ、砦の上の方に言ってるわ。背が高いから登りやすいのかな。この時代に合わせた動きやすい服装に変えたし、アグレッシブさが上がっている。


「なんで俺達がこんな事しなきゃならねぇんだ……こんな、極秘に」

「まぁそりゃあ俺たち全員はそう思ってるさ。けど上の命令には逆らえねぇってな」

「世知辛いこって。ま、ここに居たかもしれないって事だけは報告しておこうぜ」

「そうだなぁ。ったく、連れてくる必要ねぇだろうよ。あの語り部達に何の悪行が出来るってんだ」

「そうそう。本当に良い人そうだったし……」


 なにっ? 極秘とな?


「大体、言ってる事が本当なんだから、虚偽の報告じゃないし。悪行でも何でもないっていう話なのになぁ」

「それでも話が聞きたいってさ。全く、頭の良い人の考えている事は分からん」

「頭が良いから考えすぎて余計な苦労まで背負いこむんじゃないか?」

「だったら俺は馬鹿で全然かまわねぇなぁ……帰ろうぜ。もう」

「これ以上探しても成果もクソもねぇしな。良し、そうするか」


 あ、全然調べないで帰っていった……いや、一応砦全部見る位の事はやった方が良いんじゃないかな。やる気が出ないって言うのを余りにも強調しすぎてやしないかな。こっちとしては凄い助かるけども。


「……本当に危なかったですね」

「あぁ。急に来たからなぁ。しかし、隠れてしまって良かったものか」

「この前断ってしまっているので。流石に二度目ともなると」

「隠れなきゃ今度こそ、って感じ? また来た時がやばいな? そうなると」

「隠れ家を変えるべきでしょうか。予想以上に早いですけど」


 いやーしかし、噂をすれば影じゃないんだから、そんな完璧なタイミングでここに来られても困るんだよなぁ。


「ここ気に入ってたんだけども……」

「そもそも、次の場所が決まっていないのが問題ですよ。使えそうな所をそれと無く聞いてみても、あるのはセクハラ未遂の御返しだけですし」

「えっそんな事されてるの? 体を大切にして?」

「される前にその男の人は女将さんに殴り倒されてますから大丈夫ですよ」


 あ、そうなの。随分と女将さんはアグレッシブな方なのね……まぁ、それは別に気にする必要もないか。編集さんが無事で済むっていうなら、女将さん、編集さんを守ってあげてください。


「ほんと、麺棒持って厨房から飛び出してきて、ってそれは今は良いですね」

「えっ麺棒構えて殴りかかってるの? アグレッシブ過ぎない? ちょっと待って作家魂が疼くんだけど……」

「兎も角、収穫は今の所無し。しかしこのままここに居るのは些か」


 くっ、女将さんについては後で根掘り葉掘り聞くとして、確かにそうだ。俺だって別に死にたい訳じゃない、ここから逃げるのは別に文句ないが。しかし隠れ家が無いと雨風も凌げない。


「有用な情報源が欲しい所ですね」

「でもそんな情報を知ってる人、そんな都合よく見つからないと思うんだけど」

「都合よく……ふむ、都合の良い場所、ですか」


 ……ん? なんだ? なんか思いついたのか?


「いえ、しかし、なんでしょう、余りにも、リスクが」

「何々!? 何!? 今は誰にでも縋りつきたい所なんだよ! 頼む教えてくれ!」

「――なんでも、しますか先生」

「っ!?」


 な、なんだ。編集さんが何時になく真剣だ。くっ、何時も飄々としてやがるくせに偶にこういうハッとするような表情をするんだよなぁ。しかし、こんな表情をするって事は、余程の……


「な、何でも、ってなんだよ」

「先生が辛い、と思う様な事でも、です。やるというのであれば、私は全力で先生を支えさせて頂きます」

「……全力で、か」


まぁ、信じられないことは無いよ。そんだけ真剣な表情で言ってるんだからさ。そこまでの凄みを見せられたら俺だって、うんって言いたくなるってもんだ。ホントは辛いこと背負いこみたくなんて無いけど俺だって。


「オーケー、その言葉を信じさせてもらうよ……乗ったぜ編集さん」

「宜しいのですか?」

「宜しいも何も、そうするしかないだろうよ。俺だって嫌なもんは嫌だけどさぁ。結局やらないっていう選択肢は存在しない。だったら覚悟を決めて付き合うさ」


 しかし、一体どんな手段を取るというのか。それによるけども……いいや、ここは手段を選んでいられる状況じゃない! 男だろ、ケツの穴締めて挑め。


「先生……そんな男らしい言い方をしてくださるなんて……! 感動いたしました」

「ふふん、そうだろう? ま、俺も男だからな。らしいじゃなくて」

「早速明日にでも、隣国の姫に渡りを付けようと思います」

「おおおおおおおおっっっと話が変わって来たな?」


 どんな手段も、とは言った。確かに。嘘は吐くつもりはない


「しかしそれはもうミサイルを国から盗み出して使うぐらいの暴挙なんだよ編集さん。と言うか渡りをつけてどうするの!?」

「この国について詳しいのは知識人、そんな方を抱えているのが、この国を支配する王族の方かと思って。だったらその方かたと、我々の知識を利用して落ち着いて接触するのが最適かな、と」

「そんな、家事を解決するのに燃えてる建物爆破するみたいな、」


 やり過ぎだと思うのは僕だけでしょうか……? 間違いなく詳しい方を抱えてるとは思うけど、だからってこっちから死地に踏み込むの? 向こうからの一発を凌いでも、もしバレたらこっちから追い込まれるんですけど?


「今は、我々が無事に逃げる為の場所を見つけ出す為にも、覚悟を決めなくてはいけない時です。先生。どうするんですか? 先生が協力して下されば……より容易く、というきがしないでもないんですけど?」

「ぐ、ぐごごごご……っ……うーっがぁ! 分かった! やってやるっ! やれば良いんだろうがよ!」


 まーたとんでもなく危ない橋を渡らなきゃいけないのか! ちっ! 安全に行こう、ってここに来たってのに!


「次だ! 次の公演で、繋がり作って来てください! お願いします! 王族の方にもウケるような、そんな話を書けば宜しいんでしょうが!」

「良いお返事、ありがとうございます」


アンデルセン先生ごめんなさい。


皆様、もうしわけありません。普通に投稿ミスしてしまいました……! お詫びの二話連続投稿です。

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