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ポンコツ作家と有能編集、自世界を行く  作者: 鍵っ子
一章:ポンコツ、自世界に立つ
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VS王子(勝率0%)

「そうか……人魚姫が居るならそりゃあ王子も居るか」


 ……というか、待って? 俺達あの人の前に出るの? これから? こんなもやしと似非兵士の二人で? えーっと……


「っすぅううううう……帰っていいか?」

『ダメに決まってるでしょう。何言ってるんですか先生』

「えっ、だって、だってさぁ。分かってる? 俺原作者ぞ? あの方の前に迂闊に出るのが自殺行為っていうのは一番俺が分かってますが?」


 キャラデザインした時のコンセプト分かる? 素手でカバ捻れるようにっていうのが始まりだよ? もうさ、馬鹿が考えた脳筋キャラの始まりなのよ。ラブロマンスの人魚姫のコンセプトを丸ごとぶち壊すような漢の憧れる王子様よ?


「下手な動きしたら、俺らトマトピューレよ? あの人の即断即決は俺が一番よく知ってるんだよ。そうした方がカッコイイと思ったから!」

『液状化の間違いでは?』

「分かってんなら帰ろうぜまだ死にたくないよ先生はさホントねぇ編集さん」

『そんな恐怖映画のやられ役のようなセリフは止めてください。それこそフラグになりかねません。ここは堂々と向かうべきかと』

「君は恐怖心をお母さんのおなかに忘れて来たのかな……!?」


 もし俺達が不審者だと判断されたら即粛清よ? こう、指二本でキュウってされたらバァン! 何だったら某世紀末は覇王みたくビームで消し飛ばしに来るかもしれない。


『ですがここまで来たらやる以外の選択肢は無いでしょう』

「逃げて別の道を探す、というのは無いの?」

『逃げは人間を弱くします。ここは強くあるためにも、さ、ぐぐっと一回』

「あの、社会人の飲み会のノリで死地に赴かせるのやめない? 俺そのテンション一番嫌いなんだわ」


 そんなお手軽な命なんて存在しないから。ちゃんと命大切にして。代えの利かない、世界に一つしかないオンリーワンだから。ね? だからいったん引き返して、方策をだな。


『――王子! 脱獄した愚か者を確保しました!』

「離してぇええええええええ!! リトライしてぇえええええええ!」


 もうちょっと先生に配慮をしてください! お願いします! あ、待って! 巨大な怪物が目の前に! ハンサム(マッチョタイプ)が! 迫力が! 筋肉が! やめて! 脈動が聞こえて来ちゃう!


「――うむ、それでその牢の男、殺すのは些か待て。人魚姫の情報は貴重だ。寧ろ丁重に扱うのだ。情報を集めるのであれば、下手な扱いは逆効果になりかねない」

「承知いたしました。兵士どもにはそのように……ん?」


 なんかもう一人くらい見覚えのある奴がいる気がするけどそれはもうどうでもいい! ああ近いよ! もう目の前に居るよ! 待って! 許して!


「おい、そこの。どうしてこんな所に居る。厳戒態勢だぞ。持ち場に戻らんか」

『はっ! しかしその厳戒態勢の隙を突いて、鍵をかけ忘れていた牢からこやつが脱獄をですね……』

「なにっ、それは本当か! よくやった! ん? となればその男が例の……? 話をすれば、という奴だな」

「――ほぅ?」


 ぴっ(絶命)


「これが、あ奴の秘密を知る、か……海に暮らす者とは思えんが」

『その辺りも、改めて此奴を、牢に叩き込んで聞き出す所存です』

「あー待て待て。張り切るのは良いが、それは別の者がやる仕事だ。此奴は他の奴に任せて持ち場に戻れ」


 ……ッスゥウウウウウウウウ、あー良く俺生きて得るなぁ。目の前に一発で俺を粉々に出来るようなとんでもない怪物が居るんだよなぁ。えっ? というか? 俺このままだと編集さんから引き剥がされた挙句に牢にぶち込まれるの?

 い、いや……そろそろループのお時間だ。門の破砕音が聞こえた時点で再ループ。二人共牢に戻ってやり直し。大丈夫だ。問題ない。となれば戻る前に好き勝手言ってやろ。


「へっ……テメェら、俺がそう簡単に吐くと思うなよ」

「ほう? 貴様、王子を目の前にして言うではないか……此方も全力を出して吐くように徹底的に追い詰める。その覚悟が何処まで持つか、見ものだな?」


 はっ! そんな事も出来ずにお前らは私の事も忘れるのだよ! そもそも遭遇していない事になるのだ! 間抜けめ! この謎現象に初めて救われる気がしてくるぜ!


――ドッグォォォォォオオオオオオオオン……


 ふふ、聞こえたな。俺の福音の音……! 良し、時間よ巻き戻れ!


「っ!? 何だあの音は!?」

「慌てるな愚か者。どうやら件の女が来たようだな。騎士長」

「っ、成程……お任せください! すでに城内の厳戒態勢の準備は整っております! 決して貴方様の元には通しませぬ!」


 そうそう、何時もの牢に俺を閉じ込めるお兄さんの声が……アレッ?


「……どうして……?」

「ふん、お前の事が余程大切なのだろうな。故に此方としてもお前を簡単に返してやる訳にはいかんな。いざとという時はあの化け物への人質として使ってやろう」


 い、いやそんなことは無いよ知り合いですらないもん……いやこっちは一方的に事情を知っている訳なんだけども。そうじゃない! ど、どうしてだ!? 何故さっきまであそこまでループしていたのが急に!? えっ、まさかこのタイミングでまさかの当たり引いた!? 切欠は何!?


「ばっ……そんな訳があるか!」

「んんん? 何だ、こんな事態になると想像もしてなかったか?」

「当然だろうが!」

「こうなる覚悟は出来て居なかった訳だ。精々弱い己を呪うのだな」


 あぁそうだよめちゃめちゃループする気満々だったよ! こんな状況に陥るなんて誰が想像するかってんだ! ち、チクショウ悪夢だっ……逃げ道を幸運が潰しただとっ!? それはもう不運というモノではないかっ!?


アンデルセン先生ごめんなさい。


今までの傷害は無くなったな!(ニッコリ)

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