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ポンコツ作家と有能編集、自世界を行く  作者: 鍵っ子
一章:ポンコツ、自世界に立つ
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結局最後には金が物を言う

「……投げつけられて立てるようになったのが、なんか納得いかない」

「何の話ですか。別にアレは急いで逃げ出す積りでやっただけですから、他意は全くもって無いですよ」

「成程。当然ながら罪悪感もぉ……?」

「罪悪感なんて、そんな、投げられた先生に関して寧ろ失礼ですよ」

「一体どういう理屈なんでしょうねぇ投げた相手に対して罪悪感を抱くのが失礼って」

「先ず罪悪感よりも、投げられて尚激怒しなかったことに関して感謝しなければ」

「あぁっうぉおんそういう感じだぁ……」


 めっちゃまともな理由だけど。それが本心か分からないのがねぇ。いや、多分本心なんだろうな。この人ってネガティブな思考を徹底的に排除する人だし。だから、弱気な発言が本当に珍しいんだよ。まぁ、それは兎も角として。


「終わりましたね。無事に」

「あぁ……単純明快、見所を一つ追加して終わったって、それだけなんだけども。まぁやれる事をやったし、後は結果を御覧じろって感じか」


 はぁ……ったく、俺の勘違いから始まったとはいえ、正に大山鳴動して鼠が一匹。そもそも俺がなんにもしなけりゃあループも起こらない可能性まであったッというのが一番情けない。


「これからはもっと考えて行動を起こさないとなぁ……」

「それが分かっただけでも収穫だと思いましょう。迂闊な行動一つで、我々は此処から抜け出せなくなる可能性があるのですから」


 変えるだけじゃダメ……ちゃんと物語として、成立するようにしろってか。考えてみれば当然というか。流石に物語をより良くするために物語粉砕しちまったら本末転倒も良い所だからなぁ。


「……ループするまで、待った方が良いのかな。結局」

「そうですね。下手な事をするのであれば、日々をしっかりと生きて、機会を待つ。其方の方が、リスクも少なく、対応もしやすいのかもしれません」

「やる気が、仇になるか」

「繰り返すようですが、別に仇になったばかりではありませんよ。どうするのが、ここで生活する上で有効な手立てなのか、ハッキリしましたし」


 そうだ。ネガティブに行くよりも、何か一つ得たものがある、と考えよう。で、その上で。ループ突破出来たら、また色々考えて行かないと。




「――ふぅ……良い朝だなボーイ」

「ガールです」

「細かい事気にしてんじゃないわよ。いやー、清々しいなぁあ! 繰り返さず、次に迎える朝ってのはよぉ! 心の底から笑顔があふれ出てくらぁ!」

「隈がしっかり出来てる顔で浮かべる笑顔というのは不気味一択ですね」


 昨日はまた繰り返さないかってもう怖くて怖くて眠れなかったんですよオイラ。本当にもう、朝日が昇る瞬間見ちゃったからね。久しぶりだよ、宿でカンヅメにして貰った以来だよ本当に。


「しかし、私も安心しました。これ以上の繰り返しは精神衛生上宜しくないですし」

「精神衛生上とか、アンタも言うんだなぁ……」

「何か文句でもありますか? 別に私だって精神がハガネで出来ている訳ではないんですよ、えぇ。全く」


 確かに鋼ではないけど……多分ダイヤモンドでコーティングされてるまであるとは思うよマジで。まぁ、衝撃には弱い可能性はワンチャンあるのかなぁ? どんな衝撃で砕け散るのか……いや、砕いちゃだめか。


「さて、ループも突破。とりあえず、優先するべき問題は無くなったので、やる事は決まってますね」

「――あぁ、そうですね。足りない物がありますね」

「その通り。さ、仕事をして、沢山資金を稼ぐと致しましょう」


 あーそうですね。アイデア捻りださないと。しかしだからと言ってそんな、素晴らしい勢いで私をさぁ、こき使う必要はないと思うんですけども。もう少し、ねぇ。休みとか何とかしきれませんか?


「そんなチワワの様な顔をなさってもダメな物はダメです」

「お休み……だめですか……? ねぇ……?」

「お金が無ければ何も出来ません。そろそろ、隣国に逃げる準備もせねば」


 だってさぁ……誰も捕まえに来ないしさぁ……多分大丈夫じゃないかなぁ、この国に居ても。のんびりやろうよぉ……


「初志貫徹です。根性据えて行きなさい」

「いやぁあああああちょっとで良いから休ませてくれええええええ……ヨシ、やるか」

「……何ですかいきなり。どうして急にやる気出したんですか?」

「じたばたしても仕方ないってのはね。もう、察してるから。全力で足掻くだけ足掻いて気をスッキリさせてからね。仕事に臨もうかなと」


 こんな所にきて新たなる悟りを開いて、次の境地へ至るなんて思ってもみなかったけどまぁ、それはいい。こうやってすっきりしてから書けば、仕事もまぁ、スルスルと進むだろうし。


「しかし……次の題材何にするかねぇ!」

「やはり庶民にも通じるものが宜しいかと思いますけども」

「赤い靴の少女、白雪姫、ブレーメンの音楽隊……ここらで一気にジャンルも変えた方が良いかなぁ……うーん」

「そうですねぇ。いっそ万人受けするジャンルに手を出してみます?」


 万人受けするジャンル?


「えぇ。恐らくこの時代でもしっかり受けるジャンルですよ」

「その心は?」

「やはり、どんな時代、どんな人でも、怖いもの見たさ、という感情はあります。それを考えれば。やはりやるべきは」

「……成程?」


 何となくは分かった。まぁ、書けないことは無いかな。多分だけども。しかしそうなると組み合わせる物をしっかり考えないとなぁ。


「……やっべ、赤い靴が最適だったじゃないか」

「まぁ、それ以外にも色々あると思うので、頑張って探してみてください」

「先生ばっかりにそう言う事させて……ちょっとくらい手伝ってくれたっていいじゃないの編集さんもさぁ」


 とはいうものの。そういうものは作者が決めるしかないんだけどさ。当然だけど。あーでもどんな作品が良いかなぁ……元から怖い作品ってだけじゃダメか。いっそ、めっちゃファンタジーで組み合わせるか。


アンデルセン先生ごめんなさい。


作者はこのジャンルが一番得意だったりします。

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