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ポンコツ作家と有能編集、自世界を行く  作者: 鍵っ子
一章:ポンコツ、自世界に立つ
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この類の虚偽はマジでアカン事も

「――えっ? もういない?」

「あぁ、昨日の結構夜遅くくらいだったか。隣の国までしっかり商いにな。アンタ等には宜しく伝えといてくれって」


 っだぁああああああ! 何とタイミングの悪いこった! そりゃあ商人さんとしては真っ当な、正しい行動だとは思いますけれど!


「マズいな……出来るだけ早く会いたいってのに」

「店主さん、彼はどれくらいの頻度で此方に通って居ますか?」

「隣国での商いを終えて戻ってくる時にって感じだから、そうだなぁ……大体一か月はかかるもんだと見たほうが良いんじゃねぇか?」

「い、一か月」


 気が遠くなりそうじゃ。そんなノンビリしとったら事は終わってしまう! 何とか今すぐアポを取れない物か……


「まぁ、用があるなら運が悪かったとしか。アイツも結構やり手の商人だからな。そりゃあどっからも引く手あまたって奴」

「凄い商人さんなんですね」

「王室御用達、とまでは行かなかいが、そうなれた奴と直ぐに繋がり作る位には優秀だ」


 ……とことんここに居なかったのが悔やまれるなぁオイ……見事に条件満たしてらっしゃる。はぁ、でも居ないっていうなら、もうどうしようもないし。


「――出直すか?」

「そうしましょう。何方にせよ、此方にはあの人以外の伝手などありません。何とか直ぐにお会いする術を探らないと」


 ちくしょー、完全に出鼻をくじかれちまったぞ。折角光明が見れたってのに!




「追いかけるか?」

「私達は此処の辺りの地理に詳しくはありません。今から我々だけで追いつく、というのは絶望的に現実的ではないかと」

「だよなぁ……あーっ! こんな事ならもっと話聞いておくべきだったか!?」


 そしたら、留守にするって言うのも分かって、もっとそれを踏まえた行動とか……コレだからあんまり人と接触しない作家って奴は!


「誰か、他に商人見つける……いや、無理か。よしんば見つけてもなぁ」

「彼には、多少の貸しがあったからこそ、顔見知りになれただけですから。貸しも何も無しで接触すれば、良くて客として接して終わり、悪ければ相手にもして貰えない可能性もあります」


 やっぱり資本主義ってクソだな。だからって共産主義が良いとも言えないけど。ファシストも論外。あれっ? こうやって考えると、やっぱり資本主義が一番なのかもしれない……?


「という事で資本主義の狗の商人さんとは仲良くする方向で」

「失礼なのか親交を結びたいのかはっきりさせて欲しい所ですけれども」

「仲良くするにも、必要な一歩が分からない訳でございまして……」


 一気にテンション下がるジャン……


「どうします? 資金もっと稼いで商い始めます?」

「あーなるほど? 俺達が商人になれば自分達でネットワークに食い込める的なね?」

「そうですね。其方の方がよっぽど現実的と申しますか」

「そっかぁ、かかる時間と成功までの難易度を一切合切無視、そもそも考えなければ現実的な手段ではあるなぁ」


 それはね、大河ドラマに出来るレベルの時間と、人生をつぎ込むレベルの難易度のギャンブルが必要なんよ。あと一か月で出来たらもうそれは奇跡を超えた運命なんだよ。剣士の英雄とタッグを組むんだよ。


「頑張ればいけますよ」

「と言うか設立までの資金を稼ぐための時間だってアホみたくかかるんだよ……俺に幾つアイデアを考えさせれば気が済むんだかなぁ……」

「取り敢えずこの部屋が原稿用紙で埋まって動けなくなるくらい」

「死ぬねぇっ!? それはもう、脳髄が砕け散るレベルだねぇ!」


 此奴、俺の脳味噌を何だと思って居るんだ。さては消耗品か何かだと思ってるな貴様。クローンの代えとかないんだよ。分かるか?


「冗談は兎も角」

「冗談で良かったよ……」

「やはり他の商人さんに接触を図るのは無理だと思われるので、やっぱり隣国へ向かってしまった商人さんに此方に帰って来て貰う……と言うのが良いかと」

「帰って来て貰うって何をするんだよ一体。この世界にスマホは存在しませんから、遠くと連絡なんて取れませんからね?」

「人が帰ってくるなんて、それこそ呼ばれたからだけではありませんよ」


 ……なんで出かける支度してるんだこの人。


「どこ行くんだ?」

「いえ、お城に。この前言ったことを、嘘から出た実にでもしようかと」

「この前って……俺達、ここに来てハッタリと嘘ばっかりって言ったじゃねぇか。どの嘘を実にしようかなんて分からんわ」

「それはそうですね。人魚姫さんに言った事ですよ」


 人魚姫さんに言った事、となると……アレか、盗賊が増えてきて取り締まりがうんたらかんたらって奴か。


「まだ商人さんは旅立ったばかりです。隣の国までたどり着いてはいないはず」

「あん? なんで分かるんだよ」

「一月ですよ? 一回の商いが終わるまでに。それだけかかるんですから、当然ながら移動時間もそれなりでしょう」

「……そう言われれば……いやまて、それと盗賊関係ってなんかあるの関係」

「ですから、()()()()()()()()()()()()()となれば、越境なんて出来ないでしょう?」


 ……えっ?


「あ、あの、編集さん?」

「嘘も方便。効率的についてこそですよ」

「いや、バレたら極刑モノの発言なんですけれども。嘘どころの騒ぎじゃないんですけど、あの、貴女、その辺り分かってる?」

「それも承知の上です。その為に、今回の試験運転がてらやってみるんですよ」


 試験運転がてら? という事は、商人のおっちゃんに頼んで、手紙をお届けしてもらう的な、アレか。あっ……成程成程。そういう?


「まず、ここでお手紙、というか、スクロール、及び羽ペンの確保の手順を学びつつ、偽装の手紙で上手い事相手を操る……その練習です。筆跡鑑定なんてまだないでしょうし、大丈夫だとは思いますけどまぁ、一応」

「言い方よ。まぁ、とはいえ確かに」


 丁度いい、と言えばそうか。

 良し……ちょっと、黒幕っぽいムーブしてみる?


アンデルセン先生ごめんなさい。


おおかみがでたぞー(棒読み)

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