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ポンコツ作家と有能編集、自世界を行く  作者: 鍵っ子
一章:ポンコツ、自世界に立つ
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実は原典人魚姫には王様が出ない事実。

人魚姫に、本来王は登場しない。いや、居るとは思う。思うんだけど……だって王子が居るんだから、王がいなけりゃ可笑しな話なのだ。まぁ、王子がお妃さま娶ってるから、もしかしたらもう現役退いて王子に全ての権利を譲ったのかもしれないけれども。原典では。この話では、ちゃんと王様が現役でいる。


「――王様に関わるシーンでなら……ある。特大の後悔が」

「特大ですか」

「あぁ。特大も特大のモノが。後の展開につなげる、必要な事ではあったと思うが」

「要するにオリジナルのキャラを盛り込んだらそのキャラの動かし方で完全にしくじったという事ですか」

「おめええええええええええっ! ひ、人がっ! カッコつけて!」

「要点をさっさとお話しください先生様」


 ……はい。ハイそうですよ。


「そうだよ。要するに王様の動かし方をミスったっていう話だよ」

「成程。先ほどしたメモの中にもありましたね。王様関連。それで?」

「――王子は、まぁ天下に覇を唱える訳だよ、最終的に」

「そうですね。原作の王子であれば絶対に考えない事であったと思います」

「なぁちょこちょこ原作いじりして来るのはなんなん? 俺の原典寄りにしてるって発言を余程覆したいの?」


 ちゃんと要点は抑えているから原典寄りって言ってもセーフだろうがオラァア! ったく、そうじゃない。王子の思想に関してだ。


「王様と王子の不仲が、王子の野心を煽った訳で……その始まりと言うか王子が人魚姫を、一種の宿敵としてみるきっかけの場面だ」

「王子の失態を、王様が徹底的になじるシーンでしたっけ?」

「そうそう……」


 自分のカウンターで倒した……と思って居た相手が、まさか生き延びて、しかも未だ暴れている、って言うのを王様から聞かされて。


「ハートノックの、丁度後辺りだな」

「――流れ的には自然かと思いますけれど」

「問題はその後なんだよ……王様と王子は、互いに仲がいい訳じゃないんだよ」


 王子の強い野心を脅威と思って居た王様は、王子にこれ以上の手柄を立てさせまいと色々策をめぐらす訳だ。


「それが、王子と人魚姫の多くの場面に関わってくるわけで……」

「二人の戦いの展開を作るのに、便利なキャラも出てきましたね」

「それは今は良いだろ……問題は、その王様の発言で、まぁ人魚姫からのアプローチが潰れまくった事だ」


 展開上、人魚姫は自分の恋心を確かめようと、色々アプローチ(貝殻に血で書いた決闘状等)してるんだけど、それを利用して、逆に王様が部下を動かして人魚姫を仕留めようと……なんて事も。


「先生としては、不満だと」

「そりゃあ、二人の恋のお邪魔役としては優秀だったけど……優秀過ぎた、ちょいと」


 だって、俺が恋愛展開書こうとすると、勝手に動いて邪魔して来るんだもんあの王様。そりゃあ「うわぁキャラが勝手に動くってこういう事かぁ」って感動したし、それだけ書けるってのは凄い嬉しかったけれども。


「お陰で、結局ラストは人魚姫がヤンデレチックに……」

「ヤンデレというかボコレケレでしたけど」

「なんという血みどろ恋愛模様。じゃないんだわ。あの殴り合いのシーンを書くのは楽しかったけど、違うんだわちょっと」


 最後の最後まで互いに殴り合う、正に宿命の戦いって感じで、楽しいだけじゃなくて興奮迄したけどさ。


「いや、そうじゃねぇのよ……最終的に本当に俺が書きたかったのとは若干違うのよ」

「主人公は、人魚姫は凄いイキイキとお話の中で生活していましたけど」

「――そうだけど、俺の最終的な目標は果たせてないからな」

「最終的な目標、ですか」

「もともと、俺が人魚姫を読んで……こんな悲惨な終わりとか許せるか馬鹿野郎が、と思って執筆始めたんだよ」


 まぁ、それ以外にも色々あるんだけどね?


「まぁ、それは兎も角として、望まぬ結果を引き寄せてくれる王様に関しては、俺の中でも、良いキャラ生み出せたっていう自負と共に、ちょっとした後悔もある訳で」

「つまり彼が人魚姫と王子の間を妨げないようにする必要がある、と」

「そうそう。次にループする箇所があるとすれば、間違いなくそこだと思う」


 我ながら、見事に思い出したもんだろう、と自負したくなるってもんである。間違いなく次は此処ってポイントをここぞという所で思い出したんだからさ。


「流石先生です。やはりこの世界について、先生以上に詳しい人は居ませんね」

「ウハハハハハ、そう褒めるでない。まぁ!? 俺も作者だし!? この程度はね!?」

「――所でその個所をどうやって修正するか、とかは考えていらっしゃるでしょうか」

「ウハハ……ハハ、ハハハ……ハ……?」


 どうやって修正する。ほう、成程。


「それは全く考えておりませんでしたね」

「そんな事だろうと思いました。とはいえ、前回よりは早めに特定できたのですから僥倖と思うべきですね。ありがとうございます。後はここから対策を練るだけですね」


 ……そういえば、忘れてたけど。ループするんじゃないか、って思った場所を見つけるって事はその対策をするって事に他ならなくて。


「――あっ」

「では、頑張りましょうか。大丈夫です。それだけ重要な事を思い出せたんですから、何でもできますよ」




「……アレだけ酷使された後だというのに、体自体はスッキリしているのが釈然とせん」

「マッサージ、効いて宜しかったですね」


 あの拷問が効力が有ったと認めるのが凄まじく悔しい。しかしその効力も、結局精神的な疲労には意味がないっていう。グヌヌヌヌ。


「一応案は出たけど……上手く行くのか? まず最初が鬼門じゃねぇの?」

「いえ、最初は其処迄問題じゃありません。会ってからが重要ですね」

「えっ? なんで?」

「何を言っているんですか。私たちが今、主な活動拠点にしている場所、何処だと思ってるんですか。駄目ですよ、場所の有利な所を生かさないと」


 ……なるほどね?


アンデルセン先生ごめんなさい。


もしかしたら出てくるタイプもあるかもしれませんけど、私が確認した奴では王様の姿は確認できなかったので。

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