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ポンコツ作家と有能編集、自世界を行く  作者: 鍵っ子
一章:ポンコツ、自世界に立つ
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観察してみても結局飲茶

――ドッ……! ズゥ……ン……!――


「うわぁ、いいおとしてるなー。まーだはなれているのにすごいなぁ」

「取り敢えず、この辺りにはいらっしゃらないようですね。とはいえ、音だけでも聞こえたのですから、あと少しでしょうか?」

「くっ、哀しみを背負いそうになる……」


 とはいえ、まだ、未だ観察の段階だ。落ち着いて、一挙手一投足を見つめるだけで……いや、見つめるだけでは意味ないな。いや、ぶっちゃけ見つめるだけで終わりそうですけれども。


「――さて、諦めて観察ポイント探そうか」

「それなんですけど、大変申し訳ない事に気が付いてしまいまして」

「なに」

「いえ、冷静に考えると、隣から見ても全く分からず終わると思うので、上から俯瞰的に見た方が宜しいのかな、と」

「えっっっっっっ?」


 あの、今まで一階をずっと探して来たんですけど。今更気が付いてしまっても意味がないと思うんですけど……それは、その、ですね……


「もしかして探索し直しですか?」

「そう言う事になりますかね。正確には、今までの探索が無駄だったので、直し、というかコレから始めるのが必要な探索になるのですが」

「凄い事をサラッと言ううううううう」


 分かった、分かったよ……もう何十回位は付き合おうじゃないか。


――くぅうううらぁあああええええええええ!!――

――パァアン!――


「――では、ここからくれぐれも出ない様に……行くぞ」

「了解しました!」


 ……うん。今スッゴイ聞こえたよ。女性の凄い雄叫びと、何かを激しく叩く音。多分間違いなく、ハートノックの音ですね。そっか、今回はその辺りか……


「……さ、二階の探索始めようか」

「なんで顔青ざめてるんですか?」

「迫力のある声を聴いた事で、お陰でちょっと腰抜けちゃったんだよ!? とかではないのだから勘違いしてはいけない」

「口に出て居ますよ。もうちょっと自分の心を隠すとかなさってください」


 仕方ないじゃん! 溢れる思いが止められないんだよ! 流れる血潮も! 愛しさとかその他もろもろとかも! 分かってくれ! 大体、結構綺麗な声なのに、すっごい骨にまで響くんだよ声が! 骨盤迄、しっかりとびりびりって! おかしいでしょ! ダメだよ! そんな声出しちゃ! 


「いや、ホント……私が生み出したキャラクターながら、余りにもカッコ良すぎると思うんだよね……痺れちゃった……」

「そう言う意味で腰抜けたんですか」

「案外腰抜けるのが気持ち悪いって、今、悟ったよね」


 んな気持ちの悪い事言ってる場合じゃないって言うのは分かるけどさ。でも誰だって、自分の理想のヒーローが目の前に出て来てくれて、理想のヒーロームーブしてくれたらうれしいって思うんじゃないの? 


「肩貸しましょうか?」

「うん。大変申し訳ないけど、お手を拝借いたします……申し訳ない」


 その代わりに階段も登れない位に貧弱な足腰になっちゃったけども。




「……何処からも、バッチリ見えるって所がないな」

「良い感じに見える場所が必ずあると思うので、頑張って探してみましょう」

「音は何処からでも聞こえるんだけどねぇ」


 さっきよりハッキリと。ドゴン、バゴンって。音がね、もう昔のジャンプ漫画と同等なのよ。重たい音がしてるのよ。壁とかが遮らない分、良く聞こえるのかね。


「……音からして、この先になる筈なんだけど……おや」

「ここは……確か、先日私たちが」


 そうだ。王子が飛び降りたポイントじゃないの。そう言えば、人魚姫と王子の視線が合ったのもこのポイントなんだよな。となると、まさかとは思うが……この真下で殴り合いしてんじゃないだろうな?


「先生、凄い事になってますよ」

「……うん、まぁそうだろうね。どれくらい凄いの?」


 あーうん凄いわ。殴って彼方へ吹っ飛ばされそうになるのを堪えて、んで中央であーあーバシバシ大乱闘。もう周りの兵士何も出来ないじゃないの。俺も素人目だけど、様子見って感じには見えない。


「ガチファイトかなぁ」

「予想通り、一戦目で様子見を終えて、二戦目は凄まじい殴り合いになったようです」

「うわー、もうどっちがどっちやらって感じだけど……あ、いやマント翻した方が王子かな多分」

「で、今その王子に踵落としをお見舞いしたのが、人魚姫と」


 飛び上がって踵落としって。まぁ人間の動きじゃねぇな、自分で何度か回転踵落とし書いたけど、実際こうして見てみると。


「でも出来れば真横から見てみたいけど、そっちの方が映えると思うし」

「それでは迫力に負けて観察にもならないと思いますって」

「はいはい。今の俺達は、お二人の間に割り込むお邪魔虫行動を見つける時間ですもんねぇ……それで、見てみた感想を言って良いですか?」

「はい、どうぞ」

「無理じゃない? アレに割り込むってホント。実質自殺行為じゃない?」


 イヤー上から見て、俯瞰的に見れちゃった分、絶望が深い。一瞬で視界の端から端まで吹っ飛んで、そっから消えるんだもん。駄目でしょうよ。


「それでもやるしかないでしょう。しっかり観察してください。時間内に出来る限り」

「糸口すら見えませんけど」

「何時かは見える筈です。愚痴っているだけでは前には進めませんよ」


  その何時かはいつなのか。具体的にお教え願いたい訳なのだが……いや、言っても仕方ないか。編集さんも、まだ見つけてないんだ。見つけてたらその時点で切り上げるだろうし……


「いやーしかし、まるでピンボールみたいだな。ボール自ら弾け飛んでるっていう致命的な違いはあるけど」

「そうですねぇ」

「――所で余波だけで兵士の何人かが吹っ飛んでいる件については如何でしょうか」

「見て見ぬふりをしていた所です」


 マジでどこぞの龍球じみてるなぁこの戦いと展開……


アンデルセン先生ごめんなさい。


龍球はピンボール。

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