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ポンコツ作家と有能編集、自世界を行く  作者: 鍵っ子
二章:ポンコツ、新天地に立つ
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酒場は酒を飲む場所です

 ――身に纏うは、何時ものボロフード。しかしながら、今回は顔を見られない様にではなく寧ろ、堂々と。己の見つけたい物を探す為に。目を皿にして、堂々と歩む。ヤダ変質者よ、近寄らないどこ、とか言われても 気 に し な い !!!


「気合入ってますね。先生」

「そりゃあそうよ。俺達、今から世界のアウトローたちに会いに行くんだぞ。生半可な覚悟じゃ気圧されるってもんさ。まぁ、恰好はボロはだが、心は錦。態度はあくまで堂々とってな」

「因みにその言葉、アメリカじゃ通用しないみたいですよ?」

「えっ、そうなん?」

「そうですよ。アメリカの企業と言うのは沢山の国の、沢山の人が所属しているので、日本でやる様な内面まで何となく把握……なんて出来ないので、はあくまで大抵第一印象で判断するそうです。」


 へぇ……それ聞いちゃうと俺はアメリカで働きたくないなぁ。だって大抵の人って俺の事を初対面からいろいろとね、子供っぽいだとか色々言われてましたし。第一印象から判別される土地じゃ地獄しか見たいと思う。身長とか小っちゃい頃から全然……!


「っすぅぅぅぅ……良し、もうその事は気にしないで行こう! よしスッキリした! さぁ何処へ行こうか! 俺どこでも言っちゃうぞぅ!」

「酒場ですけど」

「うううううんん気合入れてきた意味ぃいいいいいい……!!」


 この前見たぁあああああ……! なんだったら酒場の女将に大分なことをされていた事を覚えているゥウウウウ! 多分あそこはとってもとっても平和な場所ぉおおおお! そこに言った所でそんな、仲裁されるような人いないと思うんだけど!


「えっと、因みにどうして其処に?」

「結局の所、あそこに行く人はそう言うゴシップが気になって仕方ないんですよ。喧嘩なんか、それこそ酒の肴って言う奴ですよ」

「あー、その話を聞きに行くって事」


 前にもやった、情報収集の為の酒場利用か……って事はだけど、もしかして、もしかしてだけど……


「やる事っていつもと同じ? その為に俺にまた書かせたの?」

「まぁ書いた、と言うより、今回は口述ですけど。お金がちょっと厳しいので、節約と言う奴ですが……まぁそれは兎も角。今日も私が頑張りますので。私が話して、皆さんを盛り上げて、口が軽くなればなと」


 異世界での資金稼ぎから、相手の口を割る目的迄、色々使えるなぁ俺の話。とはいえどっちも面白い話じゃないと出来ない事だから、コレは素直に誇って良いな。後者が本来の目的かどうかわからんけども。


「今までの盛り上がりを見れば大丈夫だと思うけども」

「さ、酒場へ急ぎますよ。紙をまた仕入れる為にも、資金を稼ぐ目的でもありますので。後、私はお金を集めるので結構手がふさがるので、それまでは先生が頑張ってください」

「聞き込みをぉ……?」


 俺そんなコミュニケーション得意じゃないんだけどもなぁ。




『ゴン……どうして、君が……こんな事を』

『貴方に、全てを捧げたかったの……こんな、薄汚れた獣の私でも美しい貴方を好きになって支える位は許して欲しかった。けど……もうバレてしまったから』


 ――あぁ、何と言う事でしょう。散々ぱら盗みを働いて、猟師の弓を、靴を、帽子を取り返し、そして食料迄置いて言ったのは……嘗て、彼が血眼になって追い回した、あの立派な狐だったのです。


『貴方の目の前には罪を犯した狐が居るのです。猟師の貴方がやる事は、分かっているでしょう。さぁ、その弓に矢をつがえて……』

『そ、そんな』

『貴方は猟師としての道具を取り戻したのです。ならば後は……猟師としての誇りを取り戻すだけでしょう? 弓をつがえましょう。何時もやってる事でしょう? さぁ、嘗ての貴方を、その手に』


 かつて、多くの獣を射抜いてきた、猟師としての心が囁きます。目の前に罪を犯した獣が居るのだ、何を躊躇う必要がある、射抜け。それが我が人生の全て。猟師として生きて来た、生き方だろうと。


『で、でも……そんな、猟師として、終わっていた俺を……俺を、ここまで引き戻してくれたのも、君じゃないか』

『だからこそです。私は、貴方が戻って来てくれることを、誰よりも望んでいるんですから。貴方に射抜かれる事、何も怖くありません』


 それは純粋な献身だったのでしょうか。それとも、幾度も渡り合った仇敵に対しての歪な執着から来る行動だったのでしょうか。何れにしても、目の前の狐に対し、猟師は震えながら弓を引く事しか出来ません。


『い、いやだ……いやだ』

『狙いをしっかりと。眉間ですよ』

『引きたくない、やめてくれ、そんな事したくない、あ、あぁああああ……!!』


 したくないのに。

 そう最後に呟いた後、弓の弦が跳ねる音が天に響きました。




「そうしてもう一度森の奥に視線を向けて……踵を返せば猟師の顔に早変わり。再び弓をつがえて。人を襲う獣に、立ち向かっていくのです……おしまい」

「「「……はぁあ」」」

「いっやぁ……やっぱり、どうなんだろうなこりゃあ」

「そりゃあ射ったのは、間違いないと思うけど。ただ、なんだろうなぁ」


 この時代と言えば、狩りも立派な職業だ。そんな狩りに関して、日本の童話をアレンジして迫ってみた。長い事追いかけ続けた獲物、そして零落、かけられた情けと、狩人としての誇りと人としての恩義の間で揺れる狩人……結末はウェブで!(流行り)


「……とはいえ、楽しかった!」

「あぁ、こんな話、何処でも聞いた事がない。ホント、アンタはいろいろ面白い話を知ってるなぁ! 銭もつい、投げちまうってもんだ!」

「おうおう、上手い事やりやがって! もってけこの話し上手!」


 わーわー、と。話を聞いている間に酒も入り、そろそろ口も良い感じで滑るようになっただろうか。ちょいと店内を拝見すると……うん。全くもって分からん。めっちゃガヤガヤしてるけど、飲み屋なんてどこもこんな感じな気もする。


「とはいえ、盛り上がってるのは間違いないし……」


 そして、当面の生活費を、今編集さんが拾い集めている最中だ。言ってた通り、彼女に頼ろうって事も出来ないし……仕方ない。腹をくくって突撃しよう。大丈夫、懸念があるとすれば、なんでか前回よりガタイの良いあんちゃんが倍近く増えている事だけだ!


「……泣きたい」


アンデルセン先生ごめんなさい。


人魚姫要素が出したい。けど出せない……ジレンマ。

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