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ポンコツ作家と有能編集、自世界を行く  作者: 鍵っ子
二章:ポンコツ、新天地に立つ
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バレるリスクは負わねばならぬ

 ――当然ながら。人魚姫を排除する作戦を展開する以上、騎士が一人で事を判断していた訳ではない。そりゃあ、越権行為ってもんだ。彼らは上から全権を託されでもしない限りは自分で判断して勝手に動かない。


「つまり、王の采配を待って動いている訳だ。王に意見をして、その上で采配を仰ぐくらいの事はする、が。しかし基本的に王様の命令は絶対、と言う奴だ。くじを引いて当たれば地獄」


 ……一回巻き込まれた事があって、それで、俺が……俺が……っ! 王様の命令は絶対って言っても……限度が……うん……限度が……なんか……くそっ……涙が……止まらなくなって……ぐぎぎぎぎ。


「思い返すな俺……虚しくなるだけ……い、いやまてっ!! この時の虚しい気持ちをバネに、王様に全力で嫌がらせをするんだっ! いや、間違えた騎士様に! 直接じゃなく全力で迂遠的に!」


 まぁ何をするかと言えば……騎士への王様の不信感等を煽る! 王様が『あっ、コイツ国外に置いとけねーわ、自分で始末しないと』ってレベルまで良ければ上々……なんじゃないかっていう。


「自分で取り立てて置いて、名分も無く自分でお払い箱に行くとか不可能だからな。しかし大義名分があれば話は別……」


 大義名分も無く有能な奴をお払い箱にした史実の王様は幾らでも居るって? そう言うのの末路は大抵部下から謀反されて歴史の闇に消えてるから……有能な奴はちゃんと相手を消す、追っ払う理由を作ってから動いてるんだよ。


「王様と騎士様の不和を誘う。これが、最大の解決策」


 ふふ、我ながらフィクサー味に溢れたエゲツナイ作戦だと思ってしまう。で、不和を誘う為の具体的な考えはって……?


「……それを思いつけりゃあ、完璧だったんだけどねー。駄目だね、ダメなんだよ、もう何から始めりゃいいかって言うのが分からん」


 方法としては、そりゃあ幾らでも思いつく。告げ口だとかね? でも結局の所は単純な問題に行きつく。以前、俺達がどれだけ苦労して王様に書状を渡したのか、って言う話であるかして……しかも、その手紙の送り主が問題だ。


「絶対に普通に渡さないじゃないか……」


 それこそ、隣国での、まぁ、言い方は悪いけど隣から当然認可は居りてないあんまり宜しくないタイプの任務ですわ。この辺りで動いている事がバレている、とはいえ。任務の内容自体はバレてないんだから。


「秘密にしておきたいはずだ。お隣に猛獣を解き放ってしまった様な……いや、猛獣呼ばわりは人魚姫に失礼だけども」


 まぁ比例するくらい危険な相手だと。国と国の付き合いに真の友情なんてものは存在しないとは昔の偉い人が言った事。そんな物を隣国に追いやった(他意は無し)なんて事がバレたら、まぁ突くよねって言う話。突かれるよねって言う話。


「バレないように振舞っても不思議じゃない……」

「――何か思いつきましたか?」

「うぉぉぉぉぉおおおおおおっ!?」


 びびびびびびびびびっ!?


「ビックリしたぁっ!? 何事!?」

「……私としてはその反応が何事、なんですけども。どうなさったんですか」

「背後から覆いかぶさるように耳元に囁かれて驚かない方が珍しいわ! 不意打ちで!」


 あービックリしたっ!? 心臓がイカれるかと思った! と、と言うか何時の間に。さっき街に行ってくるって言ったばかりだよな。幾らなんでも早すぎやしないか帰ってくるのが。


「……って、アレ? 暗い……」

「松明一つ点けずに真っ暗な所でウンウンと唸っていたので、そりゃあ気になって声もかけたくなりますよ」

「全然気が付かなかった……」

「それだけ集中してらした、という事ですよ」


 そっかぁ。俺、そんなに集中して考えてたのか……なんだろうな。思いつかないとか言っといて、キャラについて考えてみれば、全力で没頭できてると。自分の全力を賭した我が物語、その一キャラを推敲するだけで。


「……なんか、ちょっと恥ずかしくなってくる。自分の物語に其処まで熱中して、設定を思考して……な、なんだ。自分の作品に其処迄没頭するとか、俺ってまさかナルシストか何かか……っ!?」

「いえ、本物のナルシストであればそんな風に悩んだり致しません。彼らは自己肯定感に満ち溢れ、他者にも優しく出来るレベルなのですから。他の人に欠ける余裕もないくらいいっつも限界な先生には一生辿り着けない領域ですよ」

「オイこら待て、待ってくださいお願いしますそこまで言われる覚えはない!」


 と言うかナルシストってそう言う人だったんだ!? お、俺ってば、自分のやることなす事に自己陶酔する、厄介な人種だとしか……!? コレでオイラが無知である事がさらに証明されてしまったっ!


「くっ、勉強になります……!」

「悔しがるか感心するかせどちらかに絞って下さい先生。反応に困ります」

「だって感心しちゃったわけで! 新しい、この先もさぁ、凄い役立つ知識を仕入れたんだから! ちゃんと噛みしめないと駄目でしょうが!」


 これからナルシストってギャグキャラで書けなくなっちゃったじゃないかっ! 何だったら全力で人格者として書かないといけない……っ!


「ナルシストについては兎も角として、話を戻すとしましょう。何か思いついたのであれば教えて頂ければと」

「って、そうだそうだ。元はそうだった。まぁつっても、実行できるかと言えば」

「厳しい類のプランだと?」


 うん。結局の所、王に何かを仕掛けるにしても、騎士に何かを仕掛けるにしても、何方かを騙す、って言う段階に入る前に沢山の問題を解決せにゃならんのだ……先ずは、最大の問題として……


「騎士の居所と、動きを把握しておかないといけないという話がある」

「下手に見つかると怪しまれるかもしれないのに?」

「うん……そう……」


 バレちゃいけねぇって言ってんのにね!? なんで難易度を自ら高めるようなプランを思いついてしまうのか。


アンデルセン先生ごめんなさい。


バレたらゲームオーバー。

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