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秘密だらけの僕のお嫁さんは、大陸屈指の実力を誇るドラゴンスレイヤーです  作者: 甲斐 八雲
Main Story 28

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リグは呼んでやるから安心しろ!

 ユニバンス王国・北部ドラグナイト家別荘



「あ~。のぼせたのぼせた」


 パタパタと手で自分の顔を仰ぎながらリビングへと向かう。


 そこのメイドさん。冷たい飲み物をリビングにまでお願いします。できたらキンキンに冷えているのがいいんですが、キンキンに冷やす氷が無いようでしたら程よく冷えた物でも構いません。


 はい? メイドにはお願いではなく命令で?


 何を言います。今回のハルムント家のメイドさんたちは全て義母さまと一緒に来たお客さんみたいなものです。お客さんに命令はできません。だからお願いをするのです。何よりウチのメイドで仕事をしているのってスズネぐらいでしょう? 主人と恥ずかしくて恥ずかしくて。ありがとうございます。その取って付けたような慰めの言葉でも嬉しい時があるんです。そんな訳で飲み物の方を宜しくです~。


 廊下に居たメイドさんと軽く会話をしつつ、飲み物をお願いして先を進む。


 はて? リビングから聞こえてくるのはフレアさんの声か?


 安全確認のためにまず顔だけ覗かせて様子を確認する。

 勢いのままで突入して痛い目を見るのはよくあるパターンだ。僕だって成長するのだよ。成長をっ!


 椅子に座る義母さまが身を縮めてシュンとしていた。いつも抱えているノワールは傍に控えるスズネが抱きしめているが、我が娘は物凄く不機嫌そうだ。

 何となく分かる。あれは義母さまに対しての怒りだな。


 そして首を垂れている義母さまを叱っているのがフレアさんだ。

 うむ。流石2代目メイド長。相手が誰であってもちゃんと叱れる素晴らしい御仁である。


「で、何したの?」


 壁際でとばっちりが来ないように置物と化して待機しているメイドさんに声をかける。


 寝ぼけた義母さまがノワールの足を踏んづけたと。それで我が子が大激怒。噛みつかんばかりに義母さまに対して泣きまくり、その攻撃によって弱気になった義母さまが『お腹がいっぱいになれば満足して眠るはず』とフレアさんを文字通り叩き起こして母乳を求めたと。

 ただ寝る前に与えたせいで母乳の出が悪くノワールの怒りが継続。ふむふむ。慌てた義母さまが『ならば自分の胸を』とさらなる暴走を開始。結果としてノワールがマジ切れしているのね。

 そして積み重なった義母さまの暴走に対しマジ切れしたフレアさんも、容赦なきメイド長モードでお説教をしているというわけね。


 なるほど。納得しました。


 特に警戒する必要がないことを理解して室内に入る。


 だって僕は何も悪いことをしていませんからね。つまり僕に対して怒れる2人の矛先が向くことはない。


 椅子に腰かけ運ばれてきた飲み物で水分補給をする。


 意外とキンキンだ。うむ。生き返る。


 で、義母さま? その『助けて~』とアイコンタクトを飛ばされても無理ですよ? だってフレアさんマジ切れてしてるじゃないですか?


 怒った美人を遠巻きにして見る分には、こう背筋がぞくぞくして新しい何かを感じてしまいますが、その矛先が自分に向けられるのは勘弁です。

 何より僕は今から思考の奥深い部分に突入しようかと。はい。ぶっちゃけ眠いので軽く寝ます。今から運ばれてくる食事を口にしたら間違いなく寝落ちします。そうでなくとも落ちる気満々です。だから頑張ってください。ファイトです。フレアさんが僕に気づいたっぽいので、視線での会話は以上となります。


 そんなわけで朝食をお願いして……はい? お風呂場が大惨事すぎる? 何をしてきたと?


 うむ。あれはポーラが中心となって清掃する予定なので問題ありません。問題があるとすればあの悪魔……ポーラ本人が現在ちょっと水死体のモノマネをしているくらいかな? はい? 気づいたメイドさんたちが救出したの? 何で? ポーラ様をあのままにしておけないって……今のあれは悪魔憑き状態だからね? 普段の善良な妹様とは違ってただのトラブルメーカーなのですよ? はい? どうしてポーラを湯の中に沈めたと?


 うむ。よくぞ聞いた。あいつの前世がワニだっただけです。混浴の温泉に現れるというワニの人だっただけです。理解しようとしなくても結構。そういう生き物もいるのだと理解してくれれば大丈夫です。


「それよりも朝食を貰えるかな?」


 僕はお腹が空いたよ。


 そして義母さま? こっちに救いを求めるような視線を向け続けないでください。

 そもそも自分が行った行為が原因なのですから自分で頑張りなさい。




「兄さま? 何か私に恨みとかあるのかな? かな?」

「……ん?」


 朝食後にソファーで目を閉じて色々なことを考えていたら、お腹のあたりに重さを感じて目が覚めた。違う。思考することを止めて瞼を開いた。


 馬乗りになったチビなメイドが居ました。人はこれを3代目メイド長と呼ぶ。まだ仮だけどね。

 ただ中身が違う。現在の妹様は悪魔憑き状態だ。


「悪魔よ去れ!」

「まさかの全力開脚っ!」


 掴んだ相手の太ももを左右に対して全力で動かす。


 完璧超人とか呼ばれているポーラであるが、実は数少ない弱点が存在している。こいつってば体が硬いのである。よってこうして強引なことをすると……悪魔が自分の股間を押さえて僕の上から転げ落ちて床の上をのたうち回る。


 危うくマウントを取られるところであった。


「裂けたから。ポーラがずっと守ってきた純潔の証が裂けたから」

「そっか。なら後でリグを呼ぶから治してもらえ」

「そんな各方面から叱られてしまうようなことを私がするとでもっ!」


 笑顔で反論するな。やる気満々やん。誰かこの変態を止めてやれ。


「お前が舐められるんだぞ?」

「大丈夫! 私は優しい師匠だから弟子にその大役を譲ってあげるわ!」

「却下」

「何故にっ!」


 驚くお前にビックリだよ。何をどうしてら驚けるのかと思うわけですよ。


「お前のことだから見る方に回って楽しむ気だろう?」

「もちのろんよっ!」

「だが許さん」


 素早く片足で相手の膝を踏んでもう片方の足で、


「あべしっ!」


 追い開脚で悪魔がまた悶絶する。


「ふぐぅ……忘れるな兄さま」

「何よ?」


 股間を両手で抑えつつ前のめりで倒れている悪魔が顔を上げ涙目で見上げてくる。


「ラ〇ュタは何度でも甦るのよ!」

「もうそんな時期か~」


 くるっと相手の後方に回って足首を掴む。


「これ以上は、」

「バ〇ス」

「お股が~!」


 悪魔は滅びた。何故なら股間を押さえて完全に沈黙している。

 まあ本当にポーラの純潔がこんな理由で裂けてしまっていたら兄として申し訳ないのでリグを召喚しようと思います。問題はリグが全力で拒否しそうだな。


 あいつってば死体とか怪我とか病気とかには興味を強く示すけどエッチの方は意外と淡白だからな。

 大炎上する猫とかホリーとかレニーラとかは僕の体が持たないがほどほどにエロい人なら大歓迎だ。

 意外にファナッテとかが相手の方が楽しめる。あの無垢な少女に悪いことを教えていく背徳感がたまらない。

 あとは回数少なめだけどシュシュかな~。一回に全力タイプだからその一回に全てを注げる。


 はい? ウチのお嫁さんですか? 良い意味でノイエは底なし沼だから他とは比べようがないぜ?


 先生は……うん。デレると物凄い可愛いんだけどね。たまに物凄く抵抗してきて『何をされても反応しないんだから!』と意固地になると面白くない。

 その気にさせようとしてせめぎ合いになって両者痛み分けになってしまう。


 セシリーンが身重の状態なので、やはりここはエウリンカに期待だな。


「あっそうだ。悪魔?」

「あはは。穢れちゃったよ」

「穢れてない。お前は汚れているだけだ」

「漂白剤パンチっ!」


 危ないっ!


 お前まさかそのパンチは……あの伝説の殺虫〇ンチではないだろうな?


「潰してやる。兄さまの股間を潰してやる」


 どんな掛け声かと?


 それよりもお前が汚した温泉の方はちゃんと掃除したんだろうな? 簡単に掃除を済ませようとしてあの桶をそのままひっくり返すとか馬鹿だろう? はい? ユリアが中心になって清掃している? 丸投げしたと?


 ポーラの指示であればここのメイドたちは全員が従うが……ユリアは完全にとばっちりだな。


「それは良い。ところでノイエの姉たちが誰も出て来ないんだが?」


 温泉という餌があるのに出て来ないのはおかしいだろう?


「あん?」


 床に伏せた状態でもファイティングポーズを崩さない君もなかなかだな。


「あの子たちなら、ちょっと姉さまの魔力を大量消費していたから出て来れなくなっているだけよ」

「ふむ。犯人はやはりお前か?」


 再度の股裂きがどうやら必要らしいな?


 案ずるな。リグは呼んでやるから安心しろ!




© 2024 甲斐八雲

 刻印さんが出てくると話が脱線して進まないんだよな~。

 もうちょっとで日常編も終わるというのに…この馬鹿者は…。


 で、姉たちは出るのか?

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