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秘密だらけの僕のお嫁さんは、大陸屈指の実力を誇るドラゴンスレイヤーです  作者: 甲斐 八雲
Main Story 28

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何故か文字が違う気が?

「ひゃっほい!」


 突如踊り出した巨乳のメイドに鬼は視線を向けた。


 普段からノリの軽い魔女であるメイドは……うん凄い。タプンタプンと揺れている。あれはたぶん良いモノだ。出来れば下から持ち上げるようにして全力で揉みたい。モミモミしたい。


 何故そんなことをする必要がある? それは良いモノだからだ。


「ほいさっ!」

「なぜっ!」


 音を立てずに魔女の背後に回り込み飛び掛かった鬼をメイド姿の彼女が軽やかに回避する。だがこちらも鬼だ。名高き鈴鹿御前の名を継ぎ鬼女だ。この程度の回避運動に対応できないような女ではない。舐めるなよって話だ。


「これぐらいの反応に、」

「畳のグリップ力を抵抗値ゼロにしてみま~す」

「いや~ん」


 ツルっと滑った鬼がそのまま横に流れ、縁側を越えて庭に消えて行った。

 それを見送った魔女は、パチリと指を鳴らして畳のグリップ力を元に戻す。そしてスカートを軽くつまんでアイリッシュダンスばりに踊り出した。


「歓喜の踊り~!」

「何よ魔女ちゃん? オバサンを土まみれにしてそんなに嬉しいの?」

「ふふり~」


 若干会話が噛み合わないが踊る魔女はターンからのポーズでフィニッシュを迎えた。

 土を払って縁側に腰かけた鬼はそんな相手にパチパチと拍手を送る。


「それでどうしたの?」

「終わったのっ!」


 うんっと両手を組んで大きく背伸びをした魔女は、両手を解放して一気に脱力する。


 上った胸が一気に落ちる様子を確認した鬼は、両手を前に構えて何かを掴む動作を見せる。けれど相手も百戦錬磨の魔女だ。すかさず両腕で自分の胸をガードした。


「御前?」

「違うの魔女ちゃん。オバサンの言い訳を聞いて」

「最初から言い訳と自己申告するんですね」

「そうよ!」


 微塵に臆さず鬼は薄い胸を張った。


「オバサンは巨乳を揉みたいのよ!」

「……」


 何も言えないとはこのことだ。


 本当にこの鬼は自分の欲望に忠実である。と言うがそれが鬼の本質なのか? というか揉みたいだけならあっちの魔女の尻でも揉んでおけと言いたい。あの尻は良い尻だから揉み甲斐はある。胸は無くとも尻があるのが赤毛の魔女だ。


 で、気づけばあの魔女は漫画を読んでいるが……それで良いのか術式の魔女?


「それで魔女ちゃん」

「はい?」

「何が終わったの?」


 改めて縁側に座り直した相手から距離を置いて魔女は胸を張る。


「全作業が終了しましたっ!」

「つまり?」

「自由だ~!」


 改めて両腕を突き上げ魔女は歓喜する。


 喜びたくもなる。何故ならこの作業のおかげで大半のリソースを奪われ遊べなかった。

 そんな節約生活のような日々からようやく解放されたのだ。


 普通喜ぶでしょう? どうよ?


「解放された魔女ちゃんはどうなるの?」

「決まっています」


 ポーズ付きでキリッとした表情を見せてから魔女は笑う。


「これからは私のターンよっ!」

「つまり?」

「遊びます」


 パチパチと指を鳴らして魔女の周りに色々な大きさの魔法陣が展開する。次いで指を滑らせ発生した魔法陣に触れては、その魔法陣の上に指を滑らせまた次の魔法陣へと移動させる。


 踊るようにそれらを続け、そして魔女はまたポーズを決めて動きを止めた。


 展開していた魔法陣は全てが消え失せ、キラキラとした残滓だけを光にして見せる。


「これで全ての権限は私のモノよ~! ソ○モンよ~! 私は帰って来た~!」


 喜びを爆発させて魔女は両腕を掲げる。


 だってこんなにも嬉しいことは無い。何故ならこれからはしばらく遊べるのだ。


 総括がまだ寝ているから自重を……とかそんな陳情が周りから来ているが全てを叩き割って無視すると決めた。


 何故ならば遊びたいからだ。重ねて言おう。遊びたいのだ!


「ひゃっほ~い!」


 また踊り出した魔女に鬼は笑みを向ける。


「ようやく解放されたって感じね?」

「その通り!」


 だからこれからは遊ぶと決めた。何よりギリギリ間に合った。


「兄さまたちがまだ温泉中だしね!」

「そうね」


 外の様子を眺めて鬼も頷く。


「だから」


 輝かんばかりの笑みを見せ、魔女は鬼にウインクを飛ばす。


「逝ってきます!」

「何故か文字が違う気が?」


 鬼の冷静なツッコミをスルーしつつ、魔女はまた自分の周りに魔法陣を展開した。




 ユニバンス王国・北部ドラグナイト家別荘


「ふむ」


 体を起こして外の様子を見る。

 窓越しの外はまだ薄暗く夜明けには遠い。朝夕焼けすらもう少し待つ必要がある。


 それは良い。何故僕がこんな時間に起きているのかと言うことだ。


 実に簡単である。寝てないんだよっ!


 ノイエは毎日仕事があるから朝早くに出て行って日が沈む頃に帰ってくる。

 王都からここまで馬車で2日以上かかる距離だが、家族が待つ場所へ向かうノイエに不可能と障害はない。宙を蹴るように駆けてくる。王都から直線距離で走って来るから不可能を可能にしてしまう。ぶっちゃけ往復1時間だ。主な移動手段が馬であるこの世界で瞬間移動とも呼べる速度である。


 ノイエに荷物を抱えさせて輸送業を始めたら食うに困らないんじゃないのか?


 問題は運ぶ物が食糧の類だとノイエがバクバクと食べてしまう不安がある。つか食べる。だってそれがノイエの可愛いチャームポイントだもん。


 そして昨夜何故か温泉でのプレイを望んだノイエに逆らえるわけもなく、温泉で暖まり、湯から上がって温まり、汗を流してから温まり、体を洗ってから温まり、どうにか湯に入れば温まる。


 それを延々と繰り広げてから寝室に移動してから炎上した。


 もうカサカサで干からびている僕の頬にキスをして、艶々のノイエは夜明けの前にこの別荘を出て行った。


 うん。ズルくない? 寝てないのにあんなに元気とか。おかしくない?


 カッサカサの僕はとりあえずコロネたちに銘じて湯船に運んでもらった。

 まず潤いが欲しいので体を清めてから湯に浸かる。


 で、今となったわけだ。


 あれ? そう考えると今日のノイエはフライング気味に出発したことになる。


 どうしたノイエ? 何気に徹夜でバグっていたか?


 まあ良い。きっと今頃王都の小隊待機所で空腹を抱えてさ迷い歩いているだろう。


「あ~。生き返る」


 これが骨身に染みるというものか? 悪くない。

 というかそろそろ帰宅することを考えねばならんかな?


 毎日ノイエが持ってくる手紙の数が増えてきた。主に僕とチビ姫宛の手紙だ。


 僕宛の手紙はバカ兄貴とクレアが主だ。で、ちび姫宛の手紙は各種大臣様からだ。

 何気にお兄様の代わりにサイン書きを担当しているチビ姫に『いい加減帰ってきてください』と子を叱る親のような手紙が来ている。

 城に戻って陛下のために仕事をしろってことだ。


 もう少しのんびりしたい気もするが、不思議なことに今回はノイエの姉たちが出て来ない。


 良いの? 帰るよ?


 温泉に来れば先生辺りが出てきて色っぽい姿を見せてくれるというのに出て来ない。


「何故だっ!」

「なにさわいでいるんですか?」

「……そんなお年頃なだけです」


 一人ツッコミ一人ボケをしていたら体を流し終えたコロネとユリアがやってきた。もう初日から一緒に入っているので裸を見せることへの抵抗がなくなっているらしい。


「みるな」


 デカい義腕で裸を隠すコロネが居た。その様子をクスクスと笑うユリアが姉のようだ。まあ年齢はユリアの方が上だから間違っていない。現時点ではユリアの方が胸も大きいしな。ただし人はこれを五十歩百歩ともいうが。


「ご主人さま? 徹夜明けで騒ぎますとのぼせますよ?」


 できるメイド風のユリアはそう言いながら湯に入ってくる。コロネは警戒しつつ入ってきた。

 スズネがフレアさんと一緒に義母さま担当と化しているので、この2人がセットでパックなのは仕方ない。


「そろそろ帰らないと駄目な感じになってきたから最後の湯を楽しんでいるのだよ」

「かえるの?」


 うん。ボチボチ陛下から『戻ってこい』とチビ姫に手紙が届くだろう。

 で、あれだけを帰そうとすると我が儘ちゃんモードを発動して優しい義母さまが『もう。仕方ないわね』の流れが生じて帰ることになるだろう。


「粘ってもあと二日か三日だろうね」

「そうですか」

「む~」


 2人して不満気だがこればかりは仕方がないのだよ。


「だがまだよ! まだ終わらないわっ!」

「はい?」


 突然の声に視線を視線を巡らせれば、なぜか全裸のポーラが香ばしいポーズを決めて立っていた。


 うん。あんなポーズをするのは間違いない。あの馬鹿だ。


「私の温泉はこれから、」

「コロネ。あれ確保」

「……はい」


 命じられるままにコロネが義腕を発動した。




© 2024 甲斐八雲

 PCを新調したらサクサクと動く動画にドン引いたw

 これが無駄に高スペックにした実力というやつか?


 そんなわけでしばらく漢字変換がおかしなことになると思います。


 そしてポーラというか刻印さんの復活ですwww

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― 新着の感想 ―
[良い点] 復活、待ってました!
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