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秘密だらけの僕のお嫁さんは、大陸屈指の実力を誇るドラゴンスレイヤーです  作者: 甲斐 八雲
Main Story 25

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人は悩んで育つのです

 ユニバンス王国・西部エバーヘッケ家



「はじめまして」

「はじめ……まちて」


 親戚の家に預けられていたエバーヘッケ家の小さな子たちが僕らの前にやって来て挨拶する。どれもこれもまだ幼い。


 えっとミシュママの年齢って? 実は側室とか居ますか? 全てあの人が産んだ子供? でも物凄く可愛らしいよ?

 見なさいウチのノイエを。ジリジリと近づいて一番小さな女の子を捕まえているぞ?


 ノイエに捕まった末妹のような少女が必死に抵抗している。だがノイエさんがそれぐらいで放すわけがない。完全に捕まえて頬擦りしている。確かに可愛らしい。


「へ~。こんなに子供っていたんだ」

「おいミシュ?」

「あまり実家に戻らないからね~。仕事忙しいしさ~」


 ダラダラしているエバーヘッケ家の年長さんから恐ろしい言葉が放たれた。


「それ以外は牢屋の中だもんな」

「そうなんだよね~」


 メッツェ君以外の妹弟がミシュに対して何とも言えない目を向けだした。

 それで良い。これを反面教師にして立派に育てば良い。


「こんなに可愛らしい幼い子供たちが居るのに……これからエバーヘッケ家は破産するのか。きっと高く売れるだろうな。うん」

「「……」」


 ミシュを除いた全員が何とも言えない表情をした。

 幼子たちも親の様子からダメなことだと察したのか、全員が両親の元へ出向いて抱き着いている。ノイエに確保されている子だけはまだ頑張って逃げ出そうとしているが。


「冗談はこれぐらいで……話を変えよう。何か子供の年齢に偏りを感じるんだけど?」


 幼い子供たちを現実という絶望に叩き落とすのにはまだ早いので話を変えた。


 ミシュの年齢を考えると差が激しい。

 見た感じだとミシュとメッツェ君との間に10歳差はありそうだ。メッツェ君からチビたちも10歳くらいの差はある。


 するとミシュが立ち上がり幼い妹弟を追い立てて外へと出ていく。マツバさんは何も言わずにその後を追い……ノイエも末っ子を抱いたまま追いかけて行った。

 ルッテと仲良くしていたメッツェ君は逃げる機会を失った感じだ。


「私たち夫婦は最初に長女とミシュエラを得ました」


 しみじみとマルフィさんが語り出す。


 ミシュに姉だと? それだとママンの年齢が……なんて恐ろしい。


「長女を喪ってから子供を得るのが怖くなり間が空いてしまったのです」

「それでメッツェ君が?」

「はい。流石に男の子が欲しかったので」


 エバーヘッケ家を継ぐ長男が欲しくて頑張った結果生まれたのがメッツェ君らしい。

 その時点でママンの年齢は? 誰か教えて。


「それからはしばらく互いに仕事が忙しくて」


 マルフィさんはミシュを通じて訪れるようになった馬鹿兄貴のおかげで馬の育成に忙しくなり、ママンは次第に金策が忙しくなって……その頃からこの家は破産に向かい突き進みだしていたらしい。


「お互いに仕事が忙しいと何というかこう欲求が溜まりましてね。それからは定期的に発散していたら」


 次々と子供が生まれたらしい。だからママンの年齢は?


「つまり子作りの極意とは?」

「適度に頑張ることでは無いでしょうか? 本当に欲しいのであれば毎日毎晩頑張っていれば」

「だそうだ。若き夫婦よ」

「「……」」


 メッツェ君とルッテが顔を真っ赤にして俯いている。諸先輩の助言は大切だぞ?


「ところでルッテって子供欲しい派なの?」

「欲しいに決まっているじゃないですか!」

「なら頑張れ。具体的には毎晩頑張れ」

「毎晩って……」


 湯気が出そうなほど顔を真っ赤にしてルッテが目を瞠る。だから先輩がそう言っているのだよ。


「ここで女性の意見を。ママさんどうぞ」

「ん~。大丈夫。最初は痛くて何をしても辛いけど、その先に必ず快楽が待っているから」

「かい、らくって」


 まだ赤くなるのか? 純粋すぎるだろうルッテさんや。


「だから具体的に言うと……」


 調子に乗ったママンが具体的な助言を始める。

 それにマルフィさんも加わり……それって普通でしょう? ウチだとノイエさんがですね……何故にそんなにみんなして度肝を抜く?

 絶好調なノイエさんはさらにですね……これぐらいはしますよ? だからどうして全員度肝を抜かれている?


 と言うかまだノイエの話ですからね? これに猫とかお姉ちゃんとかの話をして良いのならもっと凄いですよ?


 ノイエがやったこととして猫さんが……からの……なんてこともしました。

 だからどうして全員して目を剥く? 普通でしょう? 異常なの?

 お姉ちゃんだと……からの……なんてことも。流石にあれは一回限りですけど。


 最終的にエバーヘッケ家夫妻から尊敬されてしまった。メッツェ君は恐れおののいて僕を見ている。ルッテなんて侮蔑交じりの目だ。汚物を見るような目だ。


 何故に? あれってやっぱり異常なの?


「……ちょっと一度夫婦で話し合おうと思います」


 僕としてはそれしか言えないです。




「捕まえたら貰って帰る」

「逃げろ~」

「「きゃ~」」


 僕ら夫婦の爛れた関係が明るみになって、再度夜の営みを深く考えながら外に出たら……ノイエが子供たちを追い回していた。


 元気に駆け回る子供たちをノイエが目隠しで追いかける。

 だからあのアホ毛ってレーダーを兼ねているでしょう? 毛先が子供たちの居る方を探し、それからノイエが体を向けて向かっているぞ?


 だが捕まらない。ミシュが全力で邪魔をしているから失敗している。


「逃げろ逃げろチビ共。このお姉ちゃんに捕まったら食べられちゃうぞ~」

「お肉食べたい」

「「ぎゃ~」」


 子供たちの逃げが必死になった。

 目隠しをしてても無表情で『お肉食べたい』は怖いらしい。夢に出なければ良いね。


 このまま合流すると僕が間違いなく疲れるのでフェードアウトして、辺りの散策に移行する。


 しばらく歩くと数頭の馬を見つめ真剣に悩むポーラが居た。

 自分でお世話できる範囲で買っても良いとは言ったがあそこまで悩む物なのか?


「ポーラ」

「にいさま」


 集中し過ぎていたのか僕の接近にようやく気付いたポーラが振り返る。


「なに悩んでるの?」

「はい。どれもよいうまです」

「ここの馬は良質だよ。ウチのナガトもここの生まれだしね」


 巨躯で暴れん坊だったナガトは買い手がつかなかったらしい。でもノイエが気に入って購入し……あの馬鹿馬は女性の言うことだけはちゃんと聞く。つまり乗り手が悪かったのだ。エロ馬め。


 馬の鼻を撫でながらポーラがどっちにしようか視線を迷わせる。


「全部買ったら?」

「いいんですか?」

「良いんじゃないの? ポーラなら3頭ぐらい面倒見れるでしょう?」

「……」


 妹様の視線が泳いだ。


 ちょっとポーラさん。お兄さんの顔を見ようか? だからキスしてこようとしないの。誤魔化しでそれをするならお兄さんはこれから君の顔を正面から見ないからね?

 世界が終わったうな絶望した表情を見せるな。焦るから。


 で、妹様……お兄ちゃんに隠していることを言いなさい。必死に3頭の馬を隠そうとしている意味が分からないぞ? はい? この子たちは購入確定? あと5頭の内からどれを買うかで悩んでいた? だったらその5頭の前で悩みなさい。はい? あの子たちの前に居たら全部買いたくなる?


「悩みなさい。人は悩んで育つのです」


 人生の先輩として金言を与えて次なる場所に……裾を掴むな妹よ。決して逃げようとしているのではない。あっちで後ろ首を馬に咥えられて運ばれているコロネの姿を見ろ。興味をそそるだろう? どうしたらあんな楽しいことになるのかお兄様は調べなければいけないのだよ。


 ウルウルとポーラが泣きそうな顔を見せるので逃走を諦める。


「ポーラさん」

「はい」


 しゃがみ込んで正面からポーラを見る。


「君には毎月お小遣いをあげています」

「はい」


 まあポーラはほとんど使わないで貯金しているみたいですが。


「お金は使わないとダメです。特に貴族はね」


 そうしないと経済も回らないし雇用も生まれないのです。


「賢いポーラならこれで分かるでしょう?」

「いいんですか?」

「良いんじゃないの? 人事に関してはミネルバさんに相談すると良いよ」


 君のお小遣いなら人を雇うなんて簡単にできるんですから。




© 2022 甲斐八雲

 エバーヘッケ家の最大の謎はママンの年齢かw

 謎は謎のままで…ノイエが小さな子を求めて暴走しています。


 ポーラはお小遣い制ですが、自分もちょいちょいお仕事をして稼いでいます。

 全て貯金して必要最低限しか使わないんですけどね。

 で、その金額は貴族の令嬢として恥ずかしくない金額なので個人で人を雇うぐらいは簡単です

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