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蛇足伝  作者: 大田牛二
15/30

第一回 小話・裏話

 今回のは小説ではありません。


 『春秋遥かに』、『夢幻の果て』を読んでいないとネタバレになるところがあります。お気を付けください。


 こういう小話・裏話に興味が無ければ、スルーしてもらっても構いません。


 若干、深夜テンションとなっています。


 以上のことでよろしければどうぞお読みください。

 今回は小説ではなく小話や裏話です。小説書くところにこんなのを書くなんて本当に蛇足ですよね。取り敢えず、今回は『春秋遥かに』と『夢幻の果て』の登場人物たちの小話・裏話をしようと思います。


 そんなことよりも薄姫伝の続きを書けと言われそうですが、申し訳ない。あまりにも劉邦がキャラクターとして優秀過ぎて、書けないのとただ単に忙しいというのもあり、未だに書けてないです。本当に申し訳ない。


 さて、取り敢えずは『春秋遥かに』と『夢幻の果て』の登場人物の小話・裏話をしようと思います。完結していることと、登場人物が多いのでサラッと行きますね。


 まあ以前にも活動報告の方で書いたのですが、『春秋遥かに』で書きづらかった人物たちがいます。


 主に晋の文公、狐偃、斉の管仲などです。初期の頃はまだ小説を書き慣れていない段階に書いたというのもあったのですが、本当にこの人たちが書きづらかった。辛かった本当に辛かった。正直、小説初心者が手を出してはいけない人物だと思いましたね。皆さんも書いてみたらわかりますが、このあたりの人物たちは本当に書きづらいです。


 まあ、『春秋遥かに』での初期の登場人物たちのほとんどは書きづらい人たちばかりなんですけどね。決して彼等だけが書きづらかったわけではありません。


 ただ、初期の登場人物の中にも書きやすかった人もいます。


 例えば、初期の頃の晋で晋が分裂していた時の欒成は好き勝手に動かせましたし、優施とかもそうですね。ただ彼の場合はもっと動かしたかったなあと思っています。あとは韓簡も書きやすくて、彼の活躍は史実よりも肉付けされています。


 斉の国帰父もなんか動かしやすかった印象がありますね。この人だけは未だに動かしやすかった理由がわからないんです。なんででしょうね?


 宋の目夷と公孫固も動かしやすかった宋の襄公に振り回されているのを書いているのは良かったです。


 初期の頃で一番動かしやすかったのは魯の羽父ですね。理由は結構シンプルで、小物過ぎて動かしやすかったです。本当にこの人は良かった。本当に書いてて楽だったなあ。


 第六章では、士会が本当に書きやすかったです。何故、書きやすかったと言えば、彼の周りの登場人物の役割を振って見ればわかりやすいのですが、


 無能な上司 趙盾 晋の霊公 


 無能な同僚 先蔑 先縠


 偉大な先人 晋の文公 先軫 士蔿


 良き理解者 士縠 晋の公子・雍 秦の康公 郤缺 


 最初は敵対し後に和解する友人 荀林父


 後輩 郤克


 後継者 士燮


 好敵手 楚の荘王


 話しを盛り上げる上で良い感じの演者の割り振りであり、ストーリーも>偉大な祖国に夢見て、出世を志す>様々な人との出会いと別れ>運命の悪戯に翻弄される>祖国の混乱>好敵手との決戦>祖国の立て直し>宰相へというような流れでまさに王道なんですよね。


 士会自身だけでなくストーリーも書きやすいという素晴らしい人物なんですよね。やっぱ出世物語はいいですね。


 さて、ここまで書いてきて、一つあることに気づきましてですね。そう言えばこの時の楚の宰相・孫叔敖の引退エピソード書き忘れた(笑)。


 本当にここまで忘れていましてね。どうしよう……まあいっか。


 さて、第六章の最後らへんでは、宋VS楚の戦いも行われました。宋の意地を見せる戦いで、「その中でも貴君が、いや貴君の国がもっとも強かった」。このセリフはなんとしても楚の荘王に言わせたかったので言わせることができて良かったです。


 こんな風に色々と思い出が第六章ではあったので、中々に書いてて楽しかったですね。


 第七章、第八章、第九章に入ると士会は脇役になったり、晏嬰、子産などの新たな登場人物が出るなどもろに時代の変化を感じれるわけですが、晏嬰と子産は書きづらかったです。


 特に晏嬰は重りでもついているのかというぐらいには動かないんですよね。折角相方ポジの晏父戎まで置いたのに……それに引き換え、陳無宇の書きやすさと言えば、綺麗なところも汚れたところも書きやすかったよ。


 子産は、子皮や鄭の簡公とか周りの人物たちに助けられていたので、まだ良かったですね。だから子大叔。子産と比べられることが多いが、君の方が動かしやすかったからな。


 晋ではほんとどの登場人物が動かしづらかったなあ。特に趙武は動かしづらかったですね。この人良い人過ぎるんで、書きづらかった、息子の趙成と孫の趙鞅、曾孫の趙無恤はあんなに書きやすかったのに……


 第十章に入ると伍子胥の話しになるわけですが、感情的な人の割にはこの人も書きづらかったですね。なんというか上手くこの人の感情を制御できなかったというべきなのでしょうか。どうにも動かしづらかった。


 あと、孫武も難しかったですね。この人は本当に負ける条件をどこまで揃えても勝ちに待っていきそうな感じにしてしまうので、この人の動きを制限するしかないというのが本音でしたね。


 ただ第十章に入ると動かしづらかった子産と晏嬰が動きやすくなります。なんでだと思いましたが、まあいいかなと思いながら書いてました。晏嬰の退場を書くのは辛かったですけどね……


 また、楚は第十章の中心である呉陣営と対立する存在なわけですが、沈尹戌と楚の昭王とかは動かしやすかったですね。


 あと、范蠡。彼は当初の設定とは大きく変わった最初の人です。最初は前も言ったと思いますが、蛇足の女兵に出てくる周公旦のような人物でした。また。利益にならないことは一切しないという人物でもありました。それがなんでああなったのかはわかりません。


 越王・允常もなんか書きやすかったです。


 第十一章では、呉と越の戦いが中心になるわけですが特に田乞は書きやすかったですね。あの黒さが最高。


 また、この章は儒教一門の話しでもあります。孔子の弟子たちは魅力的で、子路の死は書いてて辛かったです。


 第十二章は最終章ということで呉と越の戦いの決着、そして、趙無恤の戦いです。


 趙無恤も范蠡と同じで最初の設定とは大きく変わった人物です。最初は冷酷非道の人という人で、人の死を見るのが好きというものでした。


 そうお気づきの方もいるでしょうが、この設定はやがて『夢幻の果て』の孫臏に引き継がれることになります。冷酷非道ではないけどね。


 また、趙無恤がそんな風になるきっかけという事件として、趙伯魯が暗殺されるという流れも考えていました。


 父・趙鞅が彼を後継者に選び、その後、陽虎を使って暗殺し、それを見て、趙無恤が狂うというものでした。流石にやり過ぎかなと思い、ボツにしました。


 さて、この趙無恤と相対することになったのが智瑤です。


 この人の設定はまあ、歪んだ美学を持っているというものです。ここから登場人物に強烈な個性を与えて、動かす流れになって、『夢幻の果て』に受け継がれていきます。


 書いてて楽しかったなこの人。やりたい放題過ぎて(笑)。


 ここまで読んだ方はわかったと思いますが、私に書きやすいと思った登場人物はほんとんど人間性に難がある人物となっています。


 いやあ本当に何でなんだろう?


 さて、次に『夢幻の果て』の話しに行きます。こっちは完結していないので、サラっといきます。


 最初に肉付けされた登場人物は盗跖(初代)ですね。彼は最初は義賊として書こうとして、無いなと思い、まああんな感じになりました。いい感じにやりたい放題するトリックスターポジです。


 まあ、それ以上のトリックスターというか悪魔みたいな荘周に翻弄される面もありましたけどね。それでも彼は悪の道を行くことを選ぶ人物としてちょっと良い感じになったでしょうか?


 次に墨翟。この人は中々に書くのは難しかったですね。思想家にして兵術の達人というのは孫武に似ていてもいて、似ていないという本当に難しい人でしたね。


 ただ、呉起をぶつけてみると良い感じになりました。


 そんな呉起ですが、彼はどこか不器用な部分があって、彼が考えていることと周りの印象が大分違う人物となっています。


 そんな彼に信頼された人物として楽羊を書いて、肉付けしましたね。彼は不運なまま退場するわけですが、今、彼の子孫の彼の設定が大分出来上がっています。正直、これで良いのかと思っていますけどね……そこまで強烈な個性ではないのですが、それが逆にという感じにならないようにしたいなあ。


 そんな中、トリックスターポジとして出した人物として淳于髠が早めで出てきます。彼がやけに早く登場するのは、作者である私の都合です。国中を飛び回れて、かつ優秀という都合の良い人物を求めた結果、彼が早く登場することになりました。


 そんな彼ですが、孫臏に振り回される役にもなることになります。本当にありがとう。君のおかげで話しが動かしやすかったよ。


 さて、孫臏です。彼は作中の中でも一番、個性が強烈です。感想欄でも頭のネジが吹っ飛んでいるとか。サイコパスとか言われました。良かったちゃんと予想していた反応が返ってきてと思いながら彼のことは書いてました。


 最初は彼、戦とは芸術だとか言う人物だったんですよね。それで馬陵の戦いで「私の芸術はここになった」とか言わせようと思っていました。


 ただそれだとね。龐涓との関係がどうにも薄いなあと思って、ああなりました。


 龐涓は普通の感性を持った秀才です。本当に孫臏に会ってしまったのが運の尽きと言うしかないです。


 ただ、もっと龐涓君逃げてぇをやりたかったなあ(ゲス顔)。


 取り敢えずはここまでです。


 どうでしょうか?少しでも面白かったでしょうか?もし、需要があったら第二回の小話・裏話がやるかもしれません。



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