第1章 シェイト
3~4年くらい前に某サイトのチャットで知り合った知人のHPに乗せてもらった俺のオリジナル小説です。なにぶん始めて書いたオリジナルということでおかしな点などあると思いますが生温~い目で読んでもらえるとあり難いっす><
できれば感想なんか書いてもらえる励みになったりならなかったり?するかもしれませんw(なれよ!!
ガギィ……キィン……。
どこが遠くて金属と金属がぶつかり合う音がしている。
その音は剣がぶつかり合う音、多くの音が重なり合っているのではなく、一対一のタイマンでの音であり、周りには多くの死体が横たわっていた……
死体の中には人だけでなく、なんとも言葉にはできない異形の動物や人ぽい感じの死体もあった。
いつの間に斬り合いの音がやみ、柄と柄と重なった影が二つ。
一つは少年といってもいいような若い青年……。
もう一つは猫の顔をした異形の者。
しばらくの間、にらみ合いが続いたが青年の方が
「グリップシフト・マシンガン!!」
と叫んだ瞬間、青年の持つ剣の柄の部分が瞬時に銃になり、銃口が自然と猫顔の胸の部分に向き完全な銃の形になった瞬間火を噴いた。
ガガガガガガガガガッ!!
"グッ……ギャッッッッ~~!?"
人とは明らかに違う嬌声を上げ後方に吹き飛んだ。
胸の部分を保護していた鎧みたいになってたところは、至近距離からの銃撃により原型をとどめないほどに破壊されたにもかかわらず、致命傷に至るほどの怪我にはなってはいなかった。だが、それでも至近距離で銃撃を受けたダメージはよほど大きかったらしく、起き上がってくる気配はなかった。
さらによくに見れば猫顔の剣は半ばから上の部分が無くなっていたが、猫顔は気付かない。
銃の乱射による衝撃で折れた訳ではないのは、破片がまったく飛び散っていなかったためであり、剣の柄が変形して銃を撃ってるのだから剣の刃の部分に攻撃が当たるはずもない。
もし誰かが居れば不思議に思っただろう。
ゆっくりと猫顔に近づく青年のもつ剣を見れば、刃の中心から上がおかしな方向に向きその形もまるで何かを包んでいたような形になっていた事に。
「グリップシフト・ノーマル!」
とそう叫ぶと、剣先と柄の部分が瞬時に元の形に戻った。
ゆっくりと猫顔の方に歩きながら
「どうだ? 自分の刃の味は?」
『何? きさま……まさか!? きさまのその剣は……!?』
青年の言葉に思い当たることがあったのが、猫顔の表情が驚愕に染まっていく。
その口から出る言葉は人ではありえない発音だが、青年はその言葉が分かる様だった。
「ああ、その通りだ。こいつがマルチブレードガン……5つの剣と6つの銃に変形する武器だ!」
マルチブレードガン……それははるか昔に作られたと言われる神々の武器の一つ。戦況や使用者の任意によって11の形態を取る事が可能で、刀剣状態のソードモード、ダガー×2、ショートソード、ロングソード、バスターソードで5種類、銃状態のガンモード、ハンドガン×2、アサルトライフル、ショットガン、マシンガン、ランチャー|(口径を自由に変えることが可能な為にグレネード及びロケットランチャーとしての使用できる)の6種類に形態変化ができるようになってる。
『そうと分かっていれば、それなりの対策を執っていたものを』
「そいつは無理だな。ギリギリまでどちらかの形態のままやっていれば、今の貴様みたいに油断して隙が出来たときに、シフト・チェンジさせれば見切られることはない。それに、こいつは自分の武器だ。こいつの欠点やばれた時のことくらい、どうすればいいかくらい、自分がよく知っているさ」
そう言いながら、無造作に猫顔に近づいていく。
一定の距離までに近づいた時、猫顔の右手が青年に向かって横薙ぎに動いた。
ブォン!
瀕死の体のはずだがそれを感じさせない不思議なほどの速さがあった。
"殺った!"と思うくらいの間合い、タイミングだったのは猫顔だけではなく、その場に誰がいたとしてもそう感じたことだろう。
しかし、その攻撃は空しく空を切っていた……。
青年の立つ位置は間違いなく、猫顔の剣の間合いであるにもかかわらず、剣は掠りもしなかった。
『なっ!?』
猫顔が驚愕の表情で青年の顔を見ていると、青年は余裕の顔で歩き出していた。
「残念だったな。自分の剣を見てみな」
そう言われて剣を見てみれば、刃の半ばから先がないことに初めて気付いた。
「さっき、言っただろ、『自分の刃の味はどうだ?』とな」
その言葉を聴いた瞬間、今まで気力で持っていたのか糸が切れたように崩れ落ちた。
ドサッ
『……お、俺の負けだ……さあ……止めをさすがいい…』
「ああ、そうさせてもらう。だが、その前にお前の名前を聞かせてくれ」
『……俺の……名だと……フッ……敵の名を知りたい……とは……変わった奴だな……お前は……いいだろう……お、俺の名は…ネイド……だ……』
「ネイド……俺の名はシェイト……シェイト・ロウガ!お前の名は生涯忘れない……サラバだ……ソードシフト・ショットガン!」
剣をシフト・チェンジしたショットガンに、特殊処理を施した弾を込め、相手の顔目掛けて発射した。
その言葉を聴いた猫顔は一瞬、驚いた顔してそのあとはとても穏やかな顔になった。
そう、まるで、青年に負けて悔いが無いといったような顔だった。
しばしの沈黙の後。
どこからともなく光の粒が一つ、シェイトに向かってきた。
「シェイト、シェイト……あ~!また、黙祷しているぅ!シェイトってば!」
シェイトの顔の正面までにきたことで光の粒が、小さな妖精ぽい者が光の中心にいることが分る。
「んなでかい声で叫ばなくても聞こえている」
「だってこいつら、イディビルの分まで黙祷してやる必要ないじゃん、意味無いと思うけどなぁ~」
「戦士に対しての礼儀として黙祷しているだけだ。それより次はいつなんだ?フューリィ」
フューリィと呼んだ妖精の疑問に答えた後、別のことを聞く。
「えっと~ネェ、次は別の星よ、約200年後に転生するみたい。なんか弓みたいな島国に奴らは現れるみたい」
「そうか……ということはこの星では奴らはもう来ないということだな。なら、こいつはお前に返そう……ガンナーシフト・ダガー!」
「ち、ちょっと待ってよ、これ返したらあなた丸腰になるじゃない!?どうすんのよ?」
「大丈夫さ、俺はもう戦うのはごめんだ……これからは戦いとは無縁で生きていく。それに他の剣でも十分に自分の身や守りたい者を守れるさ。そいつはイディビル用の武器であるべきなんだ。人間なんてものは強力な武器を持つとそれを振りかざしたくなる生き物だ。こいつがこの世界にあるだけで争いの種になりかねんからな」
そう言って、近くに刺さっていた剣を抜き肩に掛けた。
「そこまで言うなら責任もって、私からレイ様に返しておくね」
そう言って、自分の体ほどの大きさのマルチブレードガン・ダガーを受け取るフューリィ。
「ああ、頼む。それとレイに、よろしく言っといてくれ」
「あ~!また、レイ様を呼び捨てにしたぁ~~!!」
「うっせっなあ、俺はレイを神だなんで思ってねぇし、無神論者なんだよ!」
「頑固だなぁ、もう。ま、そこがシェイトらしいけどね。あっと、そろそろ、時間だわ」
お互いに微笑みながらそう言い、
「そうか・・・んじゃ、200年後にまた会おうな。フューリィ。元気でな」
「うん!シェイトも元気でね、まったねぇ~!!」
フューリィは来たときと同じように光の粒になって、空高くに消えていった。
それを見送ってから誰に言うとも無く
「いつになったら、この不毛な戦いは終わるだろうな・・・」
その問いに答えるものはシェイトの周りにはなく、もちろん、シェイト自身も答えを導き出せなかった。
「……さてと、帰るか……俺を待ってくれているところに、そして、俺の大事なあいつがいる場所に」
しばらく歩いてから、ふいに後ろを振り返り、今まで戦っていた所に向かって、敵味方の区別無く叫んでいた。
「あばよ、わがトモ達よ!俺はお前たちを忘れない!少なくとも、この生が続く限り!」
と、その場で最敬礼してから、再び帰るべきとこに向かって歩き出した。
今度は振り返らずに・・・切ない想い、儚い願いとともに。
第1章完




