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183cmの甘い境界線 ― 僕らは、糖分不足。 ―  作者: kobato.


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第5話:境界線の向こう側

第5話をお読みいただきありがとうございます。


ついに、避けていたはずの二人が撮影スタジオで激突(?)します。

完璧なモデルを演じる日高と、限界まで自分を追い込んでしまった墨染。


現場のスタッフ全員が見守る中で、日高がとった「なりふり構わない行動」とは……。

あなたが楽しんでくれたらいいのですが…。

1. 撮影中の異変


スタジオの空気は、張り詰めた緊張感に包まれていた。

ライトを浴び、カメラの前に立つのは「モデル・ガク」。


髪を上げ、鋭い視線を向けるその姿に、スタッフ一同が息を呑む。

「ガク、いいよ!その表情、最高に挑発的だ!」 監督の絶賛する声が響く中、セットの裏で異変が起きた。


「――墨染くん!?」 誰かの悲鳴のような叫び声。

直後、力なく倒れ込むような音が響いた。



2. 公衆の面前での疾走



「墨染くんが倒れた!誰か、救護室に運んで!」

その名前が聞こえた瞬間、俺の身体は思考よりも先に動いていた。


「ガク!? どこ行くの、まだ本番中よ!」

背後でマネージャーが叫ぶのも目に入らない。


俺はセットを飛び出し、機材の山をすり抜けて、倒れている墨染のもとへ真っ先に駆け出した。

俺は膝をつき、ぐったりとした墨染の頭を抱き上げた。

(やっぱり、ここにいたのか……。バカか、お前は……!)



3. 最初の「補給」



周囲のスタッフが遠巻きに戸惑う中、俺はポケットから撮影用の銀色の試供品を取り出した。

俺は迷わず袋を引きちぎり、中から一粒の飴を取り出す。


「……これ、食え」 自分の指先で墨染の唇を割り、その隙間に飴を滑り込ませる。


俺が宣伝している、あの飴。

意識が朦朧としている墨染の耳元で、俺は誰にも聞こえない声で囁いた。


「……店で買えるなんて嘘つくな。……もう逃げるな。わかったか」



4. 夢の中の救世主



(……甘い。……すごく、甘い……) 口の中に広がる強烈な糖分の感覚に、墨染の意識がゆっくりと浮上する。

重い瞼を持ち上げると、そこにはレンズ越しに見た「あの美しいモデル」が、自分を抱きかかえていた。


「……ガク……?」 掠れた声で呼ぶと、目の前の男が、困ったように目を細めた。


「その名前で呼ばれるのは……少し、恥ずかしいな」

墨染は呆然とその姿を見つめる。


前髪を上げ、隙のないメイクを施されたガクは、あまりにも眩しくて。

(……なんで、ガクが俺を。……いや、これは夢だ。日高に似た、綺麗な夢なんだ……)


目の前の現実があまりにも非日常すぎて、墨染はそれを「夢」だと錯覚しながら、再びゆっくりと目を閉じた。



5. 交代



マネージャーがようやく追いつき、日高の肩を掴む。


「ガク、もういいから! 飴はあげたんでしょ? あとはスタッフに任せて、撮影に戻りなさい!」

「……わかってます」


日高は一度だけ墨染を強く抱き寄せた後、駆けつけたスタッフに彼を預けた。

先ほどまでの必死な形相を消し、冷徹な「モデル・ガク」の顔に戻って立ち上がる。


マネージャーが「なんでこの子にそんなに……」と訝しげな視線を向けるが、日高は何も答えず、ライトの当たるセットへと戻っていった。




第5話、いかがでしたでしょうか。


撮影を中断してまで墨染に駆け寄り、「いつでも俺を食べて」を補給をした日高。

意識が朦朧とする中で、墨染はそれを「綺麗な夢」だと思い込もうとしますが……。


あの日、口の中に広がった甘さは果たして本物だったのか。


続きが気になった方は、ぜひ【☆☆☆☆☆】やブックマークで応援をお願いします!

次回、学校に戻った二人の「答え合わせ」が始まります。お楽しみに!

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