僕と。私は。出会わずに同じ世界をつくった
まだ“完璧”にはほど遠い未来。
AIが世界の半分を統べるようになった社会。
気象制御衛星が百万基を超えた頃、
それらは地球をぐるりと囲う「人工衛星のリング」になっていた。
首都を一望する標高三千メートル、
空に浮かぶ空中型住居のひとつに――
|裏手毬(うらてまり)・|理波(りなみ)は暮らしている。
彼女の趣味は、AIをつくること。
ただし――梨波が生み出すAIは、すべて“完璧な意思”を持っていた。
***
下水道整備士の|新五(あらいつつ)・|佳呂亜(かろあ)は、
大企業の裏の顔を知ってしまったことがきっかけで、
仕組まれた罠に落ち、警察に追われる身となった。
逃げ込めるのは、かつて働いていた――あの下水道だけだった。
内部にうごめく監視ロボットたちをかいくぐりながら、
彼は地下での暮らしを、何とか続けていた。
そしてある日。
いつものように、食料を求めて地上へ出た瞬間――
彼の目に映ったのは、空も建物も、何もかもが違う、まるで別の世界だった。
AIが世界の半分を統べるようになった社会。
気象制御衛星が百万基を超えた頃、
それらは地球をぐるりと囲う「人工衛星のリング」になっていた。
首都を一望する標高三千メートル、
空に浮かぶ空中型住居のひとつに――
|裏手毬(うらてまり)・|理波(りなみ)は暮らしている。
彼女の趣味は、AIをつくること。
ただし――梨波が生み出すAIは、すべて“完璧な意思”を持っていた。
***
下水道整備士の|新五(あらいつつ)・|佳呂亜(かろあ)は、
大企業の裏の顔を知ってしまったことがきっかけで、
仕組まれた罠に落ち、警察に追われる身となった。
逃げ込めるのは、かつて働いていた――あの下水道だけだった。
内部にうごめく監視ロボットたちをかいくぐりながら、
彼は地下での暮らしを、何とか続けていた。
そしてある日。
いつものように、食料を求めて地上へ出た瞬間――
彼の目に映ったのは、空も建物も、何もかもが違う、まるで別の世界だった。
001話:裏手毬・理波―初めての 雨から ―
2025/06/20 21:00
(改)