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黄金物語  作者: ちゆき
第二章 天界編
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第14話 みかたの

〜あらすじ〜

ヨミと名乗る神と共に神界へ向かう事になったまつとあきと。

未だにヨミはまつとあきとの関係を快く思ってないようで───

「ここが神界の真ん中、上級神が集う区画の中だ。今から目の前に見えるあの守護塔に行く。」

神界に降り立ったあきととわたしに、ヨミが告げる。

「⋯久しいな。あの中に入るのも。あの方に会うのも。」

「⋯一応、琥珀の事を考えてウチが先導する。ついてこい。」

呟くわたしの声を聞こえてない振りをしてかわし、ヨミが歩き始める。

言われた通り、わたしたちは彼女の後ろをゆっくりと付いてまた、歩き始めた。


「はぁ〜⋯。これが神界ってやつか⋯。」

あきとが真ん中に聳え立つ守護塔を見上げながら感嘆の声を漏らした。

「なんつーか、神々しいって言うか⋯現実離れしてんな。

建物もどうやって建ってんだ⋯?あの辺の、神社みたいなのとか浮いてねえか⋯?」

「神の住む世界だからな。人間界での常識などここでは通用しない。人間界も狭い土地にぽんぽん建てるより浮かせた方が場所の有効活用だと思うがな。」

「いや俺らのとこには物理法則とか色々あんだよ⋯。」

「世知辛いな。創造神も不便な世界に作り上げたものだ。」


「⋯お前ら、随分と親しいんだな。」

わたしとあきとが他愛もない会話を続けながら真っ直ぐと主道を進んでいると、先導していたヨミがこちらを振り返ってきた。

「⋯琥珀、お前あのクソガキと出会ってまだ1日2日くらいのもんだろ?随分と心を許してんだな。」

大丈夫か、と言いたげな目をこちらに向けてヨミが呟く。昔、わたしが人間界に降り立った時によく見ていた目だ。


「⋯心を許してる訳では無いよ。これは、わたしの為でもあるから。」


目を伏せ、視線が視界に入らないようにしてぽつりと呟く。そんなわたしの態度が気に食わなかったのか、ふんっと鼻を鳴らしてヨミはわたしとあきとの元に近づいてくる。

「⋯あんま深入りすんなよ。情が移ると前みたいに⋯。」

「⋯分かってる。ありがとう。」

わたしがそう告げると、ヨミはまた守護塔向き直って歩き出した。

あきとは、何も言わなかった。

⋯何も言わないでいてくれたのだろうか。

先進するヨミに付いていき、主道を歩く。

かつては2人で並んで歩いた道なのに、今はこうして後ろからついて行く事しか出来ない。

ちくりと痛む胸の中に気づかない振りをして、前を見据えて歩を進めた。


暫く歩いていると、わたしと同じ狐の姿を宿した少女がヨミの前に現れた。守護塔の目の前に立っている所を見ると、警護担当の神使のようだ。

「月詠様、お帰りなさいませ。」

「ああ。」

深く頭を伏せる彼女にヨミは目をくれることも無く通り過ぎようとする。すると少女は慌てた様子でヨミを呼び止めた。

「お、お待ちください、月詠様!」

「待たん。用があるなら後にしろ。」

「そういう訳にはいきません!に、人間を連れ帰るために人間界に降りたのですか!?」

あきとの方を見ながら少女が声を荒らげる。

⋯まあ、それはそうだ。

神界に人間が紛れ込んでるのだ。こちら事情を知らぬ者にとっては当たり前の反応と言える。

「あーうるっせえな!!!色々あんだよ!!そんな事より今守護塔に御社様居んだろ?呼んでこい。」

「なりません!私に納得のいくよう説明を求めます!そもそも御社様にお会いするのであれば事前に連絡を⋯!」

そう言いかけた少女がヨミの目を見て「ひっ⋯!?」と息を呑んだ。

「⋯お前、いつからウチに意見できる程偉くなったんだ?警護くらいしか取り柄のねぇ下級神がよぉ⋯?」

「あ、あの、月詠様⋯っ」

「それ以上だらだら言うなら手荒にさせて貰うぞ。怪我したくなかったらさっさと御社様呼んでこい。⋯な?」

「ひぃっ⋯!?!か、かしこまりましたぁっ!!!」

こちらからヨミの顔は見えないが、ヨミの前にたっていた少女は涙目になって一目散に守護塔の中へと消えていった。

「⋯貴様、もう少し下の者に優しく出来ぬのか⋯。」

「あ?優しくしてんだろ。手出してねぇんだからよ。」

「⋯まあ、昔に比べたら丸くなった方なのかな。」

「だろ?ウチも上の立場として成長してんだよ。」

シシっと笑うヨミを見て、少しほっとした。

「あー⋯なあ、和んでるとこ悪ぃんだけど⋯今から会う御社様⋯?ってどんな人なんだ?」

恐る恐る、と言った感じであきとが問うてきた。

「あ?」とヨミが睨むのを制してわたしが答える。

「まあ、平たく言えば神術の専門家だ。かの安倍晴明の一族に封印術を教えた方でもある。術式の事に関してあの方の右に出る者は居ないほどだ。」

「なんか、凄い人ってのは伝わってくるな⋯。」

そんなわたし達の会話を面白くないと言った感じにヨミが目を伏せる。

「ケッ⋯。神術の才能がある奴らは羨ましいねぇ⋯。」



「あらあら〜、貴女も本当は才能に満ち溢れているのですよ〜?月詠大神?」



「「「っ!?!?」」」

先程まで、誰もいなかったはずのあきとの後ろに急に1人の神が現れた。

驚いて振り返るわたし達にくすくすと上品な笑いを浮かべながら、笑ってない目で視線を向ける。



「⋯久しぶりですね〜、天津の巫女。そして貴方は初めまして〜。私は御社大神(おやしろのおおみかみ)と申します〜。」



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