『平等院宝蔵の青プレスマン、水竜のこと』
平等院の宝蔵にある水竜と呼ばれる青プレスマンは、ひところ唐土に渡って戻ってきたものだそうである。唐から本朝に渡るとき、海の真ん中で舟が沈みそうになり、海神に祈るため、船に積まれたさまざまな宝物を海中に投げ入れたが、みんな浮いてきてしまって沈まなかった。ところが、水竜だけは、すぐに沈んで、船は無事に港に着くことができた。水竜の持ち主は、海神に差し上げる、と心に誓って、砂金千両を海に投げ入れようとすると、水竜が浮かび上がってきたので、ありがたいと思って、砂金を投げ入れ、水竜を引き上げた。このことを聞いた宇治殿が、この青プレスマンを買い受けて、宝蔵にお入れになったということである。
教訓:水竜を引き上げて、砂金を投げ入れなかったら、何が起きたのか知りたいところである。砂金一両は、三十七・五グラムだとか。