俺の日常
この後からは毎日20時に投稿していこうと思います!
しかし、何という運命のいたずらなんだろうか?俺と由愛は、高校でも同じクラスになってしまった。そう、高校でも!中学の時も知らない人のふりはしていたものの、三年間ずっと同じクラス。教室で彼女を目で追わないように気を付けるのが大変だった……。
だから正直、今年もうんざりだ。自分の気持ちに諦めをつけたいのに、彼女が近くにいてはそうすることもできない。むしろ、日ごとに彼女を見ているたびに、ますます好きになっていってしまう。
それを防ぐべく今日も、俺は教室の自分の席で、静かに座って寝たふりを決め込んでいるのだった。
さて、ひたすら耐えに耐えまくる学校が終わり、放課後になった。
うん?ぼっちには絶対に一人はいるイケメン友達がいないって?
は?ぼっちなめんな。俺にはイケメン友達どころか、友達すら一人もいねぇんだよ。
別に寂しくはない。一人の方が落ち着けるから。
さて、話を戻そう。そう、今は放課後。そして俺は、今日たまたま聞いてしまったある事柄についてとても悩んでいる。と、いうのも……
あれはお昼休み。俺がたまたまトイレへと向かった時のことだった。
由愛は女子友達と仲良く喋っていた。彼女の席はドアの真横。だから当然、彼女たちの会話は教室を出ていこうとする俺に丸聞こえだ。
「ねぇねぇ、由愛はどんな男の人がタイプなの?今まで告白された人、全員振ってるっていうけど」
何⁉全員振っているだと⁉っていうことはつまり、由愛にはもう、心に決めた人がぁ……!誰だそいつは?一発ぶん殴ってやる……。
「う~ん……、明るい人が良いかな?会話が弾む感じの」
「えぇ~!そんなでいいの?それだったら今まで告白してきた人の中に何人かいるでしょ?」
「いや、あの人たちは、ちょっとね……」
由愛を取り巻く女子たちが、好きな人はいるのかと詰め寄って聞いている。ただ、俺はある一つの事柄で頭がいっぱいだった。それは……、
由愛は明るくて話し上手な人が好きだということ。
一つ、現時点で確定していることがある。それは、俺とは真逆だということだ。もう見事に真逆。笑っちゃうほど。
これは、諦めるしかないかなぁ……、本格的に……。
俺はとぼとぼトイレに向かい、そうして昼休みは終わったのだった。
さて、どうしようか?由愛の言った男のタイプというやつが、頭の中からしばらく離れず、それについて考えているうちに、俺はある一つの結論に至ってしまったんだ。
どうせ疎遠になってるし、由愛の好きなタイプからも外れてるなら、いっそ告って振られた方が諦めがつくんじゃね?と。
もちろん、ただで振られようとは思わない。俺なりに努力したうえで告白したいと思っている。ただ、どうしたものか……。
一人家に帰って、動画を見ようと思ってパソコンを開く。するとそこに一つの広告が飛び込んできた。
『人と話す事が苦手なあなたも、ここで会話の仕方を学べばきっと上手くなれる!是非試してみてください!』
それは、チャットアプリの宣伝だった。
うん、これいいんじゃね?やってみよっかな?
確かにこれなら相手の顔が見えないから、後々変な感じになったりすることもない。かといって会話するのは生身の人間だから、しっかり会話の練習にもなる。
これだ!これしかない!
まるで何かにとりつかれたかのような素早さで、10分後には俺はチャットアプリをダウンロードして、会員登録を終了させているのだった。
カクヨムで投稿済みの話までは、多少の修正を加えながら毎日決まった時間に一話ずつ投稿していこうと思います。
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