第68章 剣闘祭 カサンドラ校対策会議
メリッサとの賭博勝負が終わり、楽しく話しながら2人で大熊宿に帰還した。
「帰ったヨ~!!」
「おかえりなさいませ、メリッサ様。」
昨日は夕食の準備時に帰って来たので迎えが無かったが、今日はソフィアの姉シルビアが出迎えをしてくれた。
「じゃあうちは仮眠取ってくるナ!!夕食までには起きル!!」
「ああ。おやすみ。」
「おやすみなさいませ。アルフレッドさんも、おかえりなさい。」
「あ、ああ。ただいま。」
シルビアの口調が変わったのは昨夜、寮でのソフィアの様子を話しているうちに少し仲良くなったからだ。
そういえばソフィアは寮に残してきたが特に何事もないだろうか…?
「姉さま、ただいま帰りました。」
「ソフィア…!!コルセアに来てたのか!!」
「はい。今朝着きました。」
「そうだったのか…!!」
「ソフィア、積もる話もあると思いますが一緒に夕食を作りますよ!」
「はい姉さま!では失礼します。」
「ああ。」
ソフィアが来ているとは思わなかった。
宿に帰ってきてソフィアがいることを知ったら、4人もきっと驚くことだろう。
『さて…俺も自室に戻るか。』
自室に着くや否や、俺は今日の利益を計算した。
今日はBETが大銀貨1枚や3枚だったからよかったものの、”鑑定”を行使しながらも何個か予想を外してしまった。
その上実力が均衡した勝負が多く、一気に大金を儲けることができなかったがそれでも金貨2枚と大銀貨16枚、小銀貨22枚(382,000円)の儲けが出た。
もちろん戦力分析もきちんとこなし、第1回戦勝利校分は全て記載し終えている。
これでアイリスに賭博を辞めさせられることはないだろう。
そろそろ夕食の時間なので、ロビーの食卓に向かった。
4人ももうじき帰ってくる頃だろう。
「たっだいま~!!」
「ただいま帰りました。」
「スー様、アイリス様、おかえりなさい。」
「あ、ソフィア!!もう来たんだね~!!」
「予定より早かったですね。」
「はい。2回戦から観戦しようかと思いまして。」
『…えっ?2人はソフィアが来ること知ってたのか。…もしかして仲間外れにされてた?』
ソフィアとも4人とも仲が良いと思っていたので、結構ショックだ。
…俺へのサプライズだったのだと自己暗示をかけ、元気を出した。
「おかえり2人とも。クレアとイザベルは?」
「もうすぐ帰ってくるはずだよ〜!!1番手と2番手で明日の作戦を立ててるっぽい。」
「ただいまー!!」
「た、ただいまなのです!」
「おかえり。」
噂をすれば、2人とも帰ってきた。
「イザベルと話して、夕食終わったら明日の作戦会議したいんだがいいか?」
「奇遇ですね。私たちも同じことを話していました。」
「俺もしようと思ってた。」
「じゃあ決定な!!水浴び後にアルフレッドの部屋で!!」
「は〜い!」
『なんで毎回俺の部屋なんだよ…確かに2人部屋を1人で使ってるから空いてるけどさ…』
俺も1人の男なのだ。
もう少し性別を気にして欲しい。
それから夕食と水浴びを済ませ、俺の部屋で集合した。
俺の次にアイリスが来たので、今日の分の戦力分析表を渡しておいた。
「よし、全員揃ったな!!」
「では始めますか。アルフレッド、カサンドラ校の説明をお願いします。」
「ああ。まず…」
以下のことを説明した。
1.戦順は強い人→弱い人になっていること。
2.1番手マクレイはクレアとステータス値が同じくらいだが、戦闘技術は低いこと。
3.2番手はイザベルよりステータス値が低いこと。
「失礼します。お茶を持ってきました。」
「ソフィア!!気が利くな!!オレの側付きになってくれたら最高なのに…」
「私はアルフレッド様の側付きですので。」
「お〜お熱いね〜!!」
「あ、そうだ!!」
「どうしたクレア?」
「さっきアランに会って聞いたんだけどよ、第2回戦からは戦順を変えていいらしいぜ!オレ達も変えるか?」
「どうしましょうか?」
「ボ、ボクは変えてもいいのです!アルフレッド君の説明を聞いて、クレアを1番手に推薦するのです!」
「ふむ…俺はまあそれでも構わないかな。」
「オレももちろん良いぞ!」
「スーもいいよ〜」
クレアならマクレイを倒し、5人抜きも十分に可能だろう。
これは金の匂いがする…
「ではアルフレッドを除いて1つずつ順番をずらしますか。」
「…えっ、なんで?」
「今日の試合を見て、アルフレッドの宝は隠しておきたいんです。」
「そうそう!あの魚人族と龍人族の対策にね!!」
「なるほど…分かった。」
そろそろ試合をしたいのだが…勝つためなら仕方ない。
夜と早朝の訓練で我慢するしかないな。
それからカサンドラ校全員の得物やマクレイの戦闘スタイルについて説明し、対策を考えた。
「今日はこのくらいでお開きにしましょうか。」
「そうだな。4人ともお疲れ様。」
座学が苦手なクレアも眠気を我慢し、熱心に聞いていた。
「クレアにしてはよく頑張っ…あ、おい!」
しかし限界が来たのか、ベッドに飛び込んで眠ってしまった。
「今日はここで寝させてあげましょう。」
「そうだね〜…絶対起きないし。」
「ア、アルフレッド君!!手を出しちゃダメなのです?」
「分かってる…」
『そっちは俺のベッドなんだけどな…せっかく持ってきた寝具も揃えたのに…』
少し落ち込みつつも、宿の裏庭で軽く訓練をして眠りについた。
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