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第53章 反省会

「…ド!!…レッド!!…アルフレッド!!」


「…っ!!」


「やっと起きたか…オレに心配かけるんじゃねーよ!」


目を開けると、そこには巨大な2つの山が視界を覆った。

まさかこれは…あの伝説の膝枕か!!

驚き、咄嗟に身じろぎしようとした。


「あぁもう!!くすぐったいから動くんじゃねーよ!!もう少し安静にしてろ!!」


「あ、ありがとう…それでクレア、俺どれくらい寝てた?」


「ほんの数分だ。他の3人はアランに赤いモヤモヤについて詰問してる。」


「そうか…ありがとう。クレアもあの3人に混ざりたかっただろ?」


「ま、まあそうだけど…お前の方が大切だ。」


相変わらず言動がイケメンだな…

クラスの女子から人気があって、ファンクラブが作られてるのも納得だ。


「この後教授を交えて反省会するんだけどさ…お前も来るよな?」


「ああ。」


集まるのは5人だが、三人寄ればなんとやらだ。

俺だけでは気付けないことを知れるかもしれない。


「あ~クレアがアルフレッドに膝枕してる~!!」


「し、してねーよそんなの!!」


「痛っ!!」


突然クレアが膝を抜き、後頭部を地面にぶつけた。

もう少し柔らかな枕を堪能したかったのに…スーの奴め。


「え~ほんとかな~?」


「本当だ!!」


「…ま~そういうことにしておこうか。アルフレッドも起きたし反省会始めよう!!2人とも教室に来てね!」


「分かった。」


クレアが照れ隠しのためかスーと一緒に向かったので、俺は1人で移動した。


その移動中。

俺は完敗した原因を考え込んでいた。


『何がダメだったんだ…?予想より俺の戦闘技術が通用しなかったことか?…いや、戦闘技術は良かったけどアランがそれ以上に化け物だったことか。』


正直アランを見くびっている自分がいたことは確かだ。

近いうちに1度、初心に帰って反省しよう。


そんなことを考えながら歩いているうちに、教室の前に着いた。


「おう小僧!!やっと来たか…」


「あ、ああ…遅れてすまない。」


「気にするな!!じゃあ反省会を始める!!まずは自己を顧みて、改善点を述べろ。次に、他の人は思いついたことがあったらどんどん意見しろ。」


「イザベルからだ。」


「は、はいなのです!ボ、ボクは”神のご加護”を封じられてしまったことがダメだったかと…お、思ったのです。」


「そうだな…アイリス、どう思う?」


「そうですね…アラン教授に”神の御加護”知られていることが分かっているので、逆にこれをフェイントに使えればよかったかと。」


「なるほどなのです…」


俺は距離を取って”神の御加護”を行使することばかりで、その発想はなかった。

他者の意見はやはり新鮮だ。


「他に何かあるか?…じゃあ次、クレア。」


「オレは…特に思いつかないな!!力と技術の両方が下回ってたとしか言いようがない!!」


「まあ…同じ武器で同じ戦闘スタイルだからな。誰か意見はあるか?…じゃあ次、アイリス。」


「はい。私は駆け引きが下手だったかと思います。最初に距離を詰めるにしても速度で勝るにしても、アラン教授のペースに飲み込まれていたかと。」


「その通りだ。小僧、お前だったら駆け引きはどうやって鍛える?」


「できれば模擬戦を重ねて慣れたいが…時間も相手の労力もかかるから、ポーカーやらブラックジャックやらを繰り返すな。」


「小僧…!!よくわかってんじゃねーか!!」


アランの目が突然キラキラしたものへと変貌した。

正直…ちょっとキモイ。


「そう、俺がカジノに通ってるのは金のためじゃない!!駆け引きを鍛えるためだ!!」


「そうだったのですね…!!私も見習います!!」


『あーあ。アイリスはアランのことになると盲目的だから信じちゃったよ…』


「じゃあ次、スー。」


「あたしは…1撃与えるために槍を手放したのは良くなかったかな~1撃じゃ仕留められなくてどのみちやられるし。」


「そうだな。だがあの戦術はなかなか良かった。…小僧と被ったのは不運だったが。」


「ちぇ~まぁ仕方ないさ。」


スーが気に食わなそうな顔でこちらを見つめてきた。

いや…本当にごめん。


「他に意見はあるか?…じゃあ最後、小僧。」


「俺は…アランに全力を出させたのがそもそもの間違いだった。不意打ちで”闘気操術”を発動して攻撃していればあるいは…」


「そうだな。…ちなみに小僧、”闘気操術”の発動まで時間は?」


「TP消費1000の軽いやつだったら5秒くらい。けど、アランが他4人と戦ってた間にTP3000を纏うのも有りだったな。」


「5秒か…」


アランが真剣な表情で、目を瞑って考え込んでいる。

俺が不意打ちで”闘気操術”を発動したときの戦闘シミュレーションをしているのだろうか…?


「そうだな…確かに負けてたかもしれん。」


「おぉ…!!アルフレッド、やっぱすごいな!!」


「うわっ!近い近い…」


クレアのパーソナルスペースが狭いのは問題だ。

柔らかな胸が…当たっている。


「あっ…!!それよりアラン教授!!」


「ど、どうしたアイリス?」


「その”闘気操術”っていつ教えてくれるんですか⁉」


「それあたしも気になる~!!」


「ボ、ボクも…!!」


「あ、ずるいぞ3人とも!!オレにも教えてくれ!!」


「ダメだ!!もっと基礎が完成してからな!」


「ちぇ~仕方ないなぁ…」


こうして実力測定は終了した。

剣闘祭出場メンバーは無事、メンバー変更なしとなった。

誤字脱字等あればご指摘ください。

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