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第46章 闘気操術

翌朝


「おはようございます、アルフレッド様。」


「おはようソフィア。ところで…今日は夏休みだが夏休み中も勤務を?」


「…っ!!失念しておりました。申し訳ございません。」


『品行方正でしっかり者のソフィアが間違えて休日出勤だと…⁉』


このミスは全く予想が付かなかったので驚いた。

また、同時にギャップ萌えした。


「ああいや、俺は助かるからいいんだけどさ。」


「では今後もお邪魔させてもらってよろしいでしょうか?」


「いいけど…でもなんで?」


「正直に申しますと…執事学校の自室よりこちらの方が居心地が良いのです。」


「なるほど…じゃあこれからもよろしく。」


「はい!」


前世では休暇に入るや否や、俺は惰眠を貪って即座に生活リズムが崩れていた。

屋敷で生活していた頃は師匠の強制参加訓練があったから起きれたが…寮では起きれる自信がなかった。

正直助かる。


「じゃあ俺は学校で訓練してくる。『神器一覧』とかその他諸々の本は引き続き勉強部屋の本棚を詰まって構わないからな。」


「かしこまりました。いってらっしゃいませ。」


魔物征伐の際に『神器一覧』を貸してから、あの本は2人の共有財産と化していた。

先生からもらった卒業祝いだが、専属メイドのソフィアならまあいいだろう。


「おう小僧、遅かったな!!」


「おはようアラン。…上機嫌だな。」


「おうよ!!昨日カジノでぼろ儲けしたんだよ!!ルーレットで当たりまくってな!!」


「それは良かったな。…うん、本当に良かった。」


「…?どうして小僧もそんなに喜ぶんだ?」


「まあ色々と…な?」


数日前


「ねぇキミー!!聞いてくれよーー!!」


「ルイザ…魔物征伐以来だな。どうしたんだ?」


「ここ最近アランがカジノでお金を溶かしまくっててねー。このままだとそのうち冒険者学校の資金に手を出しかねないんだよ…」


「なっ…⁉まじか…そこまで来ると遊び人どころかもはやダメ人間…」


「そうなんだよ!!元Sランク冒険者の名が泣くよー…」


…ということがあったのだ。

これで冒険者学校の資金が減る事態は避けられただろう。


「…まあいい!小僧、あの技は被害がでかいから少し遠出するぞ。」


「ああ。」


馬車で移動すること数時間

俺がスライム狩りをしていた広い草原に着いた。


「…よし、じゃあ教えてやろう。」


「おぉ…!!」


「あの技は”闘気操術”と名付けた俺のオリジナルだ。1度手本を見せるからよく見てろよ?」


「ああ。」


あの時はウェアウルフを倒すことに必死でよく観察できなかったので助かる。

肉体の変化と状態の変化を同時に見るため、”鑑定”を行使してアランのステータスウィンドウを開いておいた。


『ん…?』


アランが技の溜めに入ると、TPが徐々に減少し始めた。

“闘気操術“はTPを利用するのだろうか?


「ふぅぅ……」


溜めが終わり、TPの減少が止まると同時にアランの周囲に歪みが生じた。

今までの推測通りだとすると、おそらくTPを身体に纏ったことで歪みが生じているのだろう。


「…っ!!行くぞ!!」


カッと目を見開き、そして前に踏み出した。

ウェアウルフ戦の時とは違い、今度はアランの移動をまだ追うことができた。


「…っとまあ、こんな感じだな。」


「おぉ…!!」


前世でやっていた剣と魔法のVRMMOゲームで言うところの、身体強化魔法に似ている。

今回はオーラのような色がなく歪みだけだったが、おそらく溜めに消費するTPが多いと歪みに色がつくのだろう。


「言葉では上手く表現できないが…ソードスキルを通常の攻撃に落とし込んだような感じだ。とりあえず気楽にやってみろ。」


「ああ!」


『身体強化魔法を思い出して…』


俺は目を瞑って集中し、TPが身体全体に広がるようイメージした。

すると温かい何かが胸から全身に広がっていった。


『今のがTPか。この感覚を増幅させる感じで…』


「…痛っ!!」


バチンッという音と同時に激痛が走った。


「ああすまん、言い忘れていたがこれ失敗すると滅茶苦茶痛いから気をつけろよ。」


『先に言えよ…まじで痛い…』


皮膚を突き刺すような痛みだ。

身体に纏ったTPがなくなっているので、おそらくTPが暴発したのだろう。


「難しいな…」


「じゃあ俺はカジノ行ってくるから。小僧は適当に帰っていいぞ。」


「あ、ああ…」


コツは掴んだ気がするので、あとは練習あるのみだ。


数時間後


『へその下辺りからTPを全身に広げて…それを少しづつ増やして…』


「…っ!!成功だ!!」


自分の周りに歪みができているかは分からないが、少なくともいつもの数倍身体が軽く感じる。


「…少し動いてみるか。」


ジャンプするのが良いかと思ったが、着地で怪我したら怖い。

試しに前方へ軽く跳躍してみた。


「うわっ!跳びすぎ!!」


軽く跳んだはずが、10m以上跳躍してしまった。


「この力が実践で使えるレベルまで練習するか。」


“アイテムボックス“から昼食を取り出し、昼休憩を挟んだのちに練習を再開した。

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