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第218章 グリフィン伯爵家 略奪

『さて…まずは右側の部屋から調べるか。』


4つとも扉に罠と南京錠が設置されているようだが、問題はない。

この前の”交換転移の水晶”を入手時に罠を解除したことで”罠解除”というスキルを習得したからだ。

鍵のほうも”鍵開け”というスキルを習得しており、ちゃちゃっと開けることに成功した。


『部屋の中は…ん?』


扉を開けると、大量の大きな樽が視界いっぱいに広がった。

10個や20個どころではなく、横に倒して積み重ねることで部屋いっぱいに置かれている。


『酒か?俺はあまり飲まないが…まあいいか。とりあえず収納しておこう。』


手をかざして”アイテムボックス”に収納すると、火薬樽×46と表記された。

どうやらこの部屋にあった樽は全て火薬がパンパンに詰まっていたらしい。


『…戦争用か。』


そういえば帝国にいた頃、”王国のグリフィン伯爵家は未知なるを爆発を自在に使う悪魔である”と書かれた書物を読んだことがある。

その”未知なる爆発”の正体がこの火薬樽だったのだろう。


この世界の技術は魔道具に頼り切っているため、こういった科学技術が前世に比べて大幅に遅れている。

火薬の存在もグリフィン伯爵家以外では聞いたことが無いくらいだ。


これだけ火薬があれば銃を作ってみたいところだが、残念ながら構造を知らないので不可能だ。

もしもグリフィン伯爵家の科学技術が進歩したら銃も生み出されるかもしれない。

しかし、俺は今のファンタジーな世界観が気に入っているので火薬樽とその製法が記された書類を回収することでFPSな世界観にならないよう阻止させてもらう。


『火薬の製作者は…誰か分からないしまあいいか。』


詰めが甘いと師範に指摘されてしまうだろうが、今はそんなことよりも金品の奪取だ。

火薬樽倉庫の扉を閉め、南京錠をしておくことで元通りに見せかけた。

これで中身が盗まれたことに気付くのが遅れ、屋敷から逃げ出す時間稼ぎになるだろう。


次は隣の部屋だ。

手慣れた手つきで”罠解除”と”鍵開け”を行使し、扉を開けた。


『おぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!当たりだ!!!!!!!』


目の前に現れたのは、金貨や装飾品が溢れ出た宝箱の山だった。

種類ごとに分けている様子はなく、まるで龍の巣穴のように財宝を貯め込んでいる。

手をかざして”アイテムボックス”に収納し…ようとして手を止めた。


『嫌な噂があるんだよな…全部消毒できないか…?』


現グリフィン伯爵は性欲と物欲が混ざっており、金貨の山に飛び込んでそういった行為をするとの噂だ。

だが、見る限りそのような痕跡は一切残されていない。

おそらくグリフィン伯爵が金や女にがめついことからこのような噂が一人歩きしたのだろう。


『…そうだと信じるしかないな。』


今度こそ手をかざして”アイテムボックス”に収納してみた。

すると金貨×2485、ミスリルのブレスレット×6、etc…と表記された。

そして、表記の中にそういった行為の物的証拠は出てこなかった。


『良かった…これでグリフィン伯爵の体液とか出てきたら鳥肌ものだっただろうな…』


想像しただけでゾッとする。

グリフィン伯爵の性癖がまだまともだったようで助かった。


気を取り直して次は左側の部屋だ。

ちゃちゃっと罠と鍵を解除して扉を開けた。


『部屋の中は…おぉぉぉぉぉぉ!!!!!!ここも当たりだ!!!!!!!』


部屋の壁一面にショーケースが設置されており、その中に魔道具と思しきものが大量に飾られていた。

古代文明都市の展示スペースよりは劣るが、商会を上回るなかなかのものだ。


『これも全部もらって…ん?ショーケースごとに侵入者を知らせる罠があるのか。危ない危ない。』


”罠解除”で全ての罠を解除してショーケースを開け、手をかざして”アイテムボックス”に収納した。

扇子に壺、船の舵、金の盃など1つもダブりがなく表記数が半端ないのであとで確認することにしよう。


念のため隠し階段入り口のように幻術の魔道具で何かを隠していないか探したが、特に見当たらなかった。

やはり見たことがない魔道具なので、それなりに希少なのだろう。


次は隣の部屋だ。

ちゃちゃっと罠と鍵を解除して扉を開けると、花がツーンとするほどの異臭が漂ってきた。

反射的に扉を閉め、匂いの元から離れた。


『臭っさ!!!!嗅覚が完全にダメになったな…』


その異臭はどこかで嗅いだことがあるものだった気がするのだが、強烈過ぎて判断がつかない。

鼻と口に布を巻き、もう一度扉を開けて中に入った。

そこには何やら白色の鉱石らしきものと黒色の粉、そして黄色の鉱石が大量に置かれていた。


『この黄色いのは…硫黄か!!そうだ!!温泉で嗅いだ匂いだ!!』


”鑑定”によるとそれぞれの物質は硝石と炭粉、硫黄だったらしい。

どうやら火薬を作るための材料のようだ。

この強烈な異臭から抜け出すため、罠が無いことを確認してすぐに手をかざして”アイテムボックス”に収納した。


『どうして廊下まで匂いが漂ってこなかったんだ…?』


疑問に思って部屋を見回してみると、扉の裏に長方形の箱のようなものが4つ張り付けられていた。

どうやらこれらは”脱臭の魔道具”で、これによって匂いを防いでいたらしい。

日常で使えそうなのでこれも”アイテムボックス”に収納しておいた。


『さて…最後は奥にある鉄の扉の部屋だな!』

誤字脱字等あればご指摘ください。

よろしければブックマーク、評価、感想、レビュー等よろしくお願いいたします!!


「異世界転生録~死と隣り合わせのこの世界で死なないため、力を付けます!!~」の方もよろしければぜひご愛読ください!!

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