第184章 リフォーム
翌朝
「皆集まったな。それじゃあ商会に行くぞ。」
「はい。」
今日の予定は丸一日ショッピングだ。
各自室の間取り図を全員に配布済みなので、それぞれ好きなように家具を配置してもらうつもりだ。
ちなみに必要な家具以外の購入は全て自費から出すようにと伝えてある。
特にクレアは気に入ったものを躊躇いなく買うので、パーティー資金を守るためだ。
ソフィアとアイリスには自室に加えて家全体の間取り図も配布した。
というのも、インテリアコーディネートの知識がある2人に家全体の家具配置を一任したのだ。
俺も参加して欲しいと言われたのだが、効率主義の俺に家具配置は難しいので遠慮しておいた。
「着いたな。ソフィア、アイリス、頼んだぞ。」
「お任せください。」
「はい。」
返事をすると胸を張り、堂々とした態度で商会へと入っていった。
あれほど安心できる背中を見るのは初めてだ。
「さて…じゃあ俺達も行くか。」
「おう!」
4人でまとまって行動すると騒がしくなるだろうとのことで俺とスー、クレアとイザベルの2ペアに分かれて移動することにした。
迷宮都市の商会は3~5階がインテリア関連なので俺達は5階から、クレア達は3階から行動を開始した。
「そういえばアルフレッドと2人きりは久しぶりな気がするな~」
「確かにそうだな。基本的に全員で動いてるからな。」
「だね~おっ、ここはカーペットの販売ゾーンみたいだね~」
現在地は5階の右手前で、高い天井からたくさんのカーペットが垂れ下がっている。
シンプルなものから派手なもの、はたまた何かのキャラクターのようなものもある。
「あれとか似合うんじゃない~?」
「ゴブリン柄…!?それはちょっとな…」
「あははっ!冗談だよ~」
色々と雑談しながらカーペットを見て回り、それぞれ選んだカーペットをカゴに入れた。
もちろん夏用と冬用に薄いとふかふかのカーペットと分厚いカーペットを1つずつだ。
「左の壁紙ゾーンに行ってみようよ~」
「分かった分かった。」
ローブの袖を引っ張られながら駆け足で向かうと、そこは色々な色の壁にたくさんの壁紙が貼られた親切な設計がされたゾーンだった。
前世では元々の壁にアニメやゲームのキャラクター壁紙を貼っていたが、残念ながらこの世界には存在しない。
「どれにしようかな~」
「俺は買わなくていいかな。」
「えっ?どうして~?」
「元々の白い壁が気に入ってるからな。」
「なるほど~じゃああたしも壁紙はいっか!」
「了解。次は奥のカーテンゾーンに行くか。」
「うん!」
前世ではモニターに日光が反射して見づらくなるのを避けるため、遮光カーテンを買った覚えがある。
この世界にはモニターやテレビがないので、その心配は無用だろう。
カーテンも同様に夏用と冬用をそれぞれ選んでカゴに入れた。
「じゃあ次は…」
それからベッド、タンス、机、椅子etc…と選び抜いてカゴに入れていった。
途中でクレア達とソフィア達と会ったが、お互いレイアウトを隠して挨拶だけした。
後でレイアウトお披露目会をして、お互いに驚かせようとのことだ。
数時間後
「ふぅ…これで全部か?」
「あと部屋に置く花か植物を買って終わり~」
「了解。」
気が付けば昼食も忘れたまま15:00を回っていた。
スーがこれまでで1番真剣に悩んで植物を買い、俺達は猫耳宿に帰って遅い昼食を取った。
「さて…早速配置しに行きますか!」
「うん!!」
パーティーハウスに着くと既に誰かが作業を始めているらしく、中からドタドタと音が聞こえた。
音の原因はクレア達とソフィア達の両方だった。
ソフィア達は2倍近くの家具を買う必要があったはずなのだが、俺達より早く買い終わったらしい。
「さて…俺達も始めようか。」
前世では間違いなく大変な作業だが、”アイテムボックス”の魔道具と家具を軽々と持ち上げるSTRがある俺達には苦ではなかった。
構想通りに家具を配置していき、わずか1時間ほどで俺とスー両者の自室のセットが完成した。
レイアウトにあまり自信がなかったが、完成してみるとなかなか良い感じな気がする。
お披露目会のネタバレを避けるため窓から外に飛び降り、庭に向かうと既に全員が集まっていた。
「遅かったですね。」
「アイリス達が早すぎるんだよ~」
「それはそう。流石としか言いようがないな。」
「ありがとうございます!」
褒められて喜んでいるのか、アイリスは白狼族の耳をぴょこぴょこさせて尻尾を振っている。
ソフィアはいつもポーカーフェイスをしているかのように落ち着いた表情だが、少し耳が赤くなっている気がする。
「早くお披露目会始めようぜ!!」
「ですね。それでは…どうぞ中にお入りください。」
誤字脱字等あればご指摘ください。
よろしければブックマーク、評価、感想、レビュー等よろしくお願いいたします!!
「異世界転生録~死と隣り合わせのこの世界で死なないため、力を付けます!!~」の方もよろしければぜひご愛読ください!!