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第18章 決闘①

「次は…小僧、自己紹介しろ。」


クラスでも小僧って呼ばれるのか…

それは少し恥ずかしいな。


「…俺は人間族のアルフレッドだ。よろしく頼む。…ん?」


入学式帰りに受けた悪意や敵意といった視線が、クラス中から一気に集まってきた。


「ああそうだ。小僧、言ってなかったんだが…この学校では主席と決闘で勝ったらその座を奪いとる、いわゆる下剋上制度があるんだ。全生徒に権利があって、1ヶ月に1度挑戦できる仕組みだ。」


「えっ…!聞いていませんよそんなの…」


「場所は闘技場、日時は挑戦者側が決められる。ちなみに主席側は拒否権がない!!」


「えっ…嘘でしょう…?」


「まあ小僧のことだから大丈夫だろ!!はっはっは!!」


「んな無責任な…」


ということは、常日頃から決闘の準備をしておかないといけないのか…

疲れているところを狙われたらどうするんだ…?


「へぇ…オレを抑えた主席が人間だったとはな…!!」


「あ、ああ。」


早速クレアさんに目を付けられてしまった。

強そうだから戦いたくないんだがな…


「なぁおっさん!!今から決闘していいか?」


「自己紹介が終わったら校舎案内をする。闘技場に着いたらやっても構わん。」


「よっしゃ!覚悟しとけよアル…アルフレッド!!」


「あ、ああ…」


クレアさんはおそらく自分より強い人と戦いたい戦闘狂なのだろう。

これから時間があるときに絡まれそうで嫌だな…


『面倒くさくなったら負けてもいいか。』


「小僧、一応言っておくが1度でも主席から落ちたら特待生の称号を剥奪するからな。学費は自分で稼げよ。」


「なっ…!!それはいくら何でも…」


「勝てばいいんだよ勝てば。」


「は、はぁ…分かりましたよ。」


父上に学費は要らないと言ってしまった手前、今更家族に縋りつくこともできない。

その上15歳まで冒険者登録はできないし、今の俺に金を稼ぐ手段がない。


それからクラス全員の自己紹介が終わった。

やはり前世から顔と名前が一致せず、結局希少種族の4人しか覚えられなかった。

ちなみに担任はアラン教授が担当するようだ。


「じゃあ校舎を案内するからついて来い。」


2列に並んで教授の後を付いていった。

すると残念なことに、隣がクレアさんになってしまった。


「なぁアルフレッド!!獲物は何を使うんだ?」


「…両手剣だ。クレアさんは?」


「クレアでいいぞ!!オレも両手剣だ!!気が合うな!!」


「は、はぁ…」


クレアは見ての通り陽キャだ。

俺は陽キャが苦手なので、何となく怖気づいてしまう。


「なぁアルフレッド!!決闘の規則はどうする?」


「…入学試験と同じく木剣を使った模擬戦でいいんじゃないか?」


「そうだな!!でも勝敗は戦闘不能だけにしよーぜ!!」


「分かった。それにしようか。」


「おう!!」


陽キャは苦手なはずなのだが、クレア相手だと普通に話せる。

性格が少し子供っぽいからだろうか…


『っ!!これは…もしかして両手剣の授業でペアを作れって言われたときに組めるのでは?』


余り物としてぞんざいに扱われるのは辛いからな。

入学当日に仲がいいクラスメイトを得られるのは非常に助かる。


そんなことを考えているうちに、闘技場に着いた。

俺は入学試験の際に使った舞台を想像していたのだが、そこは広い室内の空間だった。


「入学試験で使ったのは授業用の舞台だ。それじゃあ小僧、クレア、準備してこい。」


「おう!!」


「はい。」


ふと、ある考えが脳裏によぎった。


『ここでクレア相手に圧倒的な勝利を見せつけたら…みんな怖気づいて決闘を申し込まないのでは…?』


とはいえ、せっかく仲良くなれそうなクレアを見せしめに使うのは何となく嫌だ。


「まぁ…そもそもクレアの強さがわからないしな。全力で挑もう。」


控室で模擬戦用の革鎧と両手剣を装備して、舞台に上がった。


「やっと来たなアルフレッド!!」


「待たせて悪いな。」


「なに、いいってことよ!!」


俺は軽く会話をしている最中にクレアを”鑑定”した。



名前 クレア 種族 龍人族 Lv.39


HP 245/245 TP 9420/9420 SP 0


STR 80 VIT 70 DEX 70 AGI 50 INT 25 LUK 30


スキル

両手剣Lv.6 体術Lv.3


ユニークスキル

ブレス:口から炎を吐く



『なるほど…先生に教わった通りか…』


俺とのLv差は22もあるというのに、ステータス値が大差ない。

これは竜人族の生まれたてのステータス値が高いからである。


もちろん人間族は全種族の中でも生まれたてのステータス値が低い方だ。

しかし、その分個体数が多いのだ。


「2人とも準備は良いか?」


「おう!!」


「はい。」


「それでは…試合開始!!」

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