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第175章 オークション2日目

翌日

俺達は計画通りに事が進み、ニヤニヤ笑みをこぼしながら会場へ向かった。


というのも、遡ること8日前


「さて…皆揃ったし、パーティー会議を始めるぞ。議題は遺跡で得た収穫物の使い道についてだ。」


「アルフレッド様、サリー様の仰っていた通りオークションに出すのではないのですか?」


「まさにそのことについてだ。アイリス、説明してくれ。」


「分かりました。結論から言うと、将来買うパーティーハウスの家具として絵画や装飾品は取って置きたいんです。」


「おぉ、それいいな!!」


「あたしも賛成~」


「そ、それに換金できるものを残しておくことで硬貨の価値が落ちた時の対策として使えるのです!!」


「なるほど…それは俺も思いつかなかったな…」


俺達が使用しているのは帝国や王国、公国などを含む世界の約60%の国が国貨として法で定めている大陸共通貨幣だ。

その価値が下落することや貨幣制度が変わることは滅多にないと思うが、確かに急いで全てを換金する必要はない。


『要らないものはすぐに捨てるか売ろうとする俺の性格がダメだったな…今後気を付けよう。』


「私から意見を述べてもよろしいでしょうか?」


「ああ。」


「オークションに参加する各国の者は実物を目にしていないため、6人の王の傑作が分からないはずです。ですので、傑作の数々を残してオークションに出すのはいかがでしょうか?」


「…ソフィアはなかなか悪いことを考えるな。だが、俺もそれに賛成だ。」


そして一昨日、俺とソフィアはオークション会場に中の上以下の作品群を提出したのであった。

昨日オークションにかけられた建築王の遺産である建築模型ももちろん傑作を除いた出品だ。


また、より多くの利益を出すために運営と話し合い、クオリティーの低い作品から出品することにした。

実際、昨日は俺達が残したものに比べてそこまでクオリティーが高くない作品に何が何でも建築王の作品を手に入れようとする参加者達から金貨何百枚という大金を搾り取ることができた。


「それではオークション2日目を開催いたします!!今日の出品はこちら!!!装飾王アルディ・フラヴェルの遺産、装飾品の数々です!!!!」


「おぉ…」


「これはこれは…」


今回は大臣ではなく貴族が感嘆の声を漏らした。

貴族は装飾品で格を見せるのが一般的なので、装飾王の装飾品は願ったり叶ったりの品だろう。


「まずはこの通常サイズの黄金の額縁3点セット、金貨50枚から開始です!」


「金貨100枚。」


「金貨110枚。」


『おぉ…やっぱり持ち帰って正解だったな。』


今オークションにかけられているのは、遺跡の壁にあった絵画の額縁である。

遺跡を出る際にシャンデリアを含む、持ち帰れるものは全て収納しておいたのだ。

絵画は経年劣化で価値が落ち、オークションに出品することはできなかった。

しかし、ベラッジオ=ゴーケスの出身地である王国が展覧会で展示したいとのことで計8枚を金貨950枚で買い取ってくれた。


「金貨140枚!!これ以上入札される方はいらっしゃいませんか?…それでは11番の方、金貨140枚で落札です!!!」


その後様々なサイズの額縁計3つがオークションにかけられ、合計金貨410枚で落札された。

”アイテムボックス”に残しているのはもっと造詣が細かく、宝石すら施された額縁だ。

今の落札価格から推測するに、この額縁1つで金貨100枚は下らないだろう。


「お次はこの黄金で出来た軍馬像、金貨80枚から開始です!!」


「金貨150枚。」


「金貨200枚。」


『ははははは!!貴族様がこんな馬の像を買い落すのに必死か!!…っと、背徳感で性格が酷くなりそうだな。』


”アイテムボックス”の中には宝石で作られたドラゴンやフェニックスなど、さらに造詣が細かい作品が眠っているのだ。

招待した貴族の中には父上と仲が良い性格の優れた貴族もいるが、参加者のほとんどは屋敷で学んだ悪徳貴族だ。


それから様々な魔物の像や名称は分からないが美しい装飾品の数々が落札され、オークション2日目は昨日より長い5時間ほどで幕を下ろした。

2日目は金貨4,330枚、税引きして金貨3,728枚の利益となった。


俺とソフィアは今日もその大金を抱えてセキュリティシステムの高い高級宿に戻った。

慣れとは恐ろしいもので、これほどの大金を得ても取り乱すことはなかった。


「昨日の分と合わせて金貨7,728枚か…小国の国家予算くらいあるんじゃないか?」


「いいえ。確か白金貨10,000枚…金貨100,000枚ほどはあったかと。」


「そうか…思ってたより多いな。」


我ながら何という会話をしているのだろうか。

ペンシルゴン家の屋敷で暮らしていた時もこういった話をしたことなどない。


『…もしかして貴族よりも大金持ちなんじゃ?』


確かに俺は間違いなく大金持ちの仲間入りを果たした。

だが、だからといってスローライフを送るつもりは今はない。

この異世界にはアニメやゲームどころか、俺がトランプを導入するまで娯楽は娼館しかなかったほど娯楽が少ない。

刺激的で心が躍る生活を送りたい俺には退屈過ぎるのだ。


『これからも冒険者として生きていこう。…スローライフは冒険に飽きた時に考えるか。』

誤字脱字等あればご指摘ください。

よろしければブックマーク、評価、感想、レビュー等よろしくお願いいたします!!


「異世界転生録~死と隣り合わせのこの世界で死なないため、力を付けます!!~」の方もよろしければぜひご愛読ください!!

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