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第13章 LvUP

「どう…して?」


「す、すまない。言葉が足りなかった。」


「では…どういうことですか?」


追放されるのかと思い、冷や汗が止まらなかった。

家族の元へ帰れなくなるのは悲しいものだ…


「アルフレッド、お前は2年後冒険者学校に入学するのだな?」


「はい。」


「あそこは寮制度だ。それに、卒業後はそのまま冒険者登録される。」


「それは知っていますが…追放と何の関係があるのですか?」


「…ペンシルゴン家の長として、冒険者にペンシルゴンの名を名乗られるわけにはいかないのだ。」


「…っ!そういうことですか…」


冒険者は討伐依頼や採取依頼を達成し、人々の生活を助けているのは事実だ。

しかし、それを国はよく思っていない。


冒険者は国に属しておらず、完全に独立した組織なのだ。

その上国家騎士団を人数、力量で上回っている。

つまり、国からしたら冒険者は強力な叛逆者予備軍なのだ。


ペンシルゴン家は国王へ尽くす騎士家系の1つだ。

その家系から冒険者を輩出すると、不敬罪や叛逆罪に問われるのだ。


「…分かりました。ではペンシルゴンの名を返上し、ただのアルフレッドになります。それに、ペンシルゴン家との関係性を疑われないよう極力干渉しないようにします。」


「…すまない。」


「気にしないでください。自分のために父上の体裁を壊すわけにはいきません。」


「…感謝する。冒険者学校の資金は送るから安心してくれ。」


「ありがとうございます。」


「以上だ。…俺はお前を自慢の息子だと思っている。例えただのアルフレッドになったとしてもな。」


「…っ!!ありがとう…ございます…!!」


俺は溢れてくる涙を隠すようにして、執務室を出て自室に戻った。


「…仕方ないよな。」


父上や母上、ジル兄様、レイフ兄様、師匠、先生ともう会えなくなると思うと涙が止まらない。


「大の大人が情けないなぁ…」


泣いたのはいつぶりだろうか…?

前世で母を亡くしたときに号泣してから、涙はもう枯れ切ったと思っていた。


「…残りの2年はせめて家族と楽しく過ごそう。」


翌日


朝食を終え、父上と兄様達は執務へ向かった。

対して俺は、師匠と共に屋敷の外に向かっていた。


「師匠、頂いた大剣なんですが…まだ扱えそうにありません。」


「気にしないでください。あの剣は相当な力がないと扱えませんからね。気長に待ちましょう。」


「はい…!!」


昨日自室に戻った後、俺は師匠に貰った大剣を確認していた。


「“鑑定“!」



名前:グレートバスタードソード ランク:S


STR 90 VIT 70 DEX 70 AGI 60



バスタードソードということは、俺の戦闘スタイル通り片手でも両手でも扱える武器だということだ。

師匠は俺のことをよく見てくれていたんだな…


「…って、え!!ランクSの武器だと⁉︎」


つまり鍛治Lv.8の者が作った武器だということだ。

金貨50枚は優に超えるだろう…


この世界の通貨制度は日本円で換算すると、


10円=小銅貨1枚 100円=大銅貨1枚 1000円=小銀貨1枚 10,000円=大銀貨1枚 100,000円=金貨1枚 1,000,000円=白金貨1枚


となっている。

つまり、この大剣は5,000,000円以上するということだ。


「…ん?この数値は…装備必要ステータスか?」


比較するために、近くにあった木剣を“鑑定“した。



名前:練習用木剣 ランク:E


STR 10 VIT 5 DEX 10 AGI 5



「やっぱりそうみたいだな…」


ということは、グレートバスタードソードを装備するのに不足しているSPは250…

最低でもLv.50まで上げないと装備することが出来ないということだ。


「…ゃま…坊ちゃま!!」


「…師匠?」


「急にぼーっとして…大丈夫ですか?」


「は、はい。すみません。」


「いえ。では行きましょうか。」


俺と師匠が今向かっているのは、魔の森の逆に位置している草原だ。

本によるとここにはスライムが大量に生息しており、たまにゴブリンもいるらしい。


「楽しみだな…!!」


この世界に転生して、初の対魔物戦闘だ。

一体どれくらい強いのだろうか…


馬車で進むこと数十分


「着きましたよ。」


「おぉぉ…おぉぉぉぉ!!!!」


そこは見渡す限りの草原だった。

そして、半透明の青の身体に赤い核をもつ生物がそこら中でぴょんぴょん跳んでいた。

…そう、本物のスライムだ!!


「なんか…必死に移動してて可愛いな。」


…気性が荒くなければ。

本によると、スライムは知性がないため視界に入った敵全てを攻撃するのだ。


移動速度は遅いものの、1度顔に付いたら倒して液体にするまで息ができなくなる。

スライムは敵を窒息死させるのだ。


「危なくなったら私めが手助けします。」


「お願いします。」


俺ははぐれた1匹のスライムへじわじわ近づき、そして両手剣Lv.6“ジェットスマッシュ“を行使した。


「はぁぁぁ!!」


半透明の身体の中にある赤い核に見事直撃し、核が砕けた。

そして、スライムは粘度のある液体からただの水になった。


『ピロンッ!!』


「なんだ…?」


自身のステータスを見てみると、何と今の戦闘でLvが1→2に上がっていた。


「これだけでLvが…⁉︎達成感は…ないけどまあいいか。」


それから俺はひたすらにスライムを狩りまくった。

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