表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/29

〝復讐の始まり〟の序章

※,【鑑定】にレベルを無くしました。


米,作者が学校に遅刻しました(電車の遅延で)。


※,前話の内容に少し修正を入れました。


……本編始まります。

 いったいどれだけの距離を走ったのだろうか。


 暗かった森のなかは既に明るくなり始めている。


 近くの樹に手をついて深呼吸をする。


 汗が止まらない。


 体が震える。


「はぁ、はぁ。くっ、そ」


 目が回りそうな出来事ばかりで悪態が口を衝く。


 先ほどから周囲に警戒しているがあの尤魔が追いかけてきている気配はない。


 ひとまずそこに安心する。

 が、ずっとこのまま休憩していても別の魔物に喰われるのがおちだ。


 ふと空を見上げる。


 俺が太陽と認識したあの光源は依然とそこに存在している。違うところと言えばその明るさだろうか。


 なるほど、あの太陽を俺は鉱石として認識しているがどうやら正しいようだな。


 昨日の位置から、あの太陽は動いていない様に見える。そして、暗くなってから見上げた空には太陽と同じく〝月〟が存在していた。

 普通月は太陽の光を反射しているから見えるのだが、あの月はどちからというと()()淡い光を発していた。

 つまり、なにが言いたいかと言えば発光元は月も太陽も同じだということ。

 おそらく、あの光源は定期的に光の加減が変わるのだろう。素材の性質か、はたまた別の要因があるのか定かではないがこれを知れたのは大きな発見かもしれない。


 そんな風に思考していると幾らか落ち着きを取り戻し、呼吸の荒さも回復してきた。


 これで少しはましだろう。


 強いて言うなれば睡眠はとりたいが、生憎こんなところで座して死を待つような行為はごめんだ。


 もう少し落ち着ける場所を見つけられればそこでとることにしよう。


 そこまで考えてふとバカな自分に気が付いた。


「地獄と呼ばれる場所に安泰の場所なんかがあんのかよ」


 そうだ、睡眠を簡単にとれるような場所ならば〝地獄〟などと呼ばれるはずはない。


 それに、睡眠は絶対じゃないのだ。身の疲労は【超回復】で全て拭い取れる。そう、睡眠も。


 寝たいと言ったのは精神的な意味で、だ。

 死ぬほどの傷を何度も負ったのだ。心が疲弊するのは当然と言えるのだろう。

 心の回復に一番効果的な行動が睡眠だということは元の世界で嫌と言うほど知っている。


 が、それを踏まえても俺の【超回復】の有用性が垣間見える瞬間だ。


 なんせ、心以外の状態を完全に整えることが出来るのだ。一点にさえ目を瞑れば無尽蔵に動き回れるスキルと言っても過言ではない。

 この地獄で生き残る為に一番必要な〝体力と疲労〟を気にしなくていいのはかなり助かる。


「さてと」


 俺は呟く。


「まあ、この森を抜けるなら太陽から遠ざかるのが妥当か。この森が、いや洞窟内がどういう構造か分からないが、いい目印だ。動く様子も、ないしな」


 となると、今から動いた方がいいよな。


 俺は太陽に背を向けて歩き出した。



  *



 あれからかなり歩いたが特に何も起きていない。どうやらこの森はあまり魔物が多くないらしい。


「もしくは運良く遭遇してないだけかもしれないがな」


 疲れた体に時折【超回復】をかけながら進む。


 俺はなんとなしに声を上げた。


「ステータスオープン」


 すると目の前に半透明の板が現れる。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇


名前:トール・シキミ

種族:人間

年齢:18

level:32

能力:生命力<F> 魔力<D> 攻撃力<F> 防御力<F> 素早さ<F> 体力<F>

スキル:【超回復(リカバリー)lv,6】【代償強化lv,2】【言語理解】【鑑定】

称号:≪来界の勇者≫ ≪無力なる生存者≫


◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「……はぁ」


 自身のレベルの低さにため息が出る。


 一緒に迷宮探索をしていたパーティーメンバーは最低でも六十レベルを超していた。


 俺のレベルはその半分程度。


 力も弱いため仲間が打ち漏らした魔物をチビチビ殺していただけというのもあるのだろうが、それを視野にいれてもかなり低い。レベルの上がりやすさは個人によるときいた。自分の成長速度を呪いたくなる。


 つーか、


「なんか増えてやがる」


 そう、称号の欄になんか増えてる。


「 ≪無力なる生存者≫ だって? 【鑑定】っと」



◇◇◇◇◇◇◇◇◇


≪無力なる生存者≫

効果:生命力に補正がつく。危機を脱しやすくなる。

説明:力を持たず、死を迎えるしかなかった運命を自力で脱した者に送られる称号


◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「……説明文が中々に辛辣だが、まあ否定はしないな」


 無力で悪かったなと心中で文句を垂れつつ、この称号の効果はかなり喜ばしい。この危機だらけで、いつ死ぬとも分からない場所にこれほど適した効果はそうそう無いだろう。


 俺はステータス画面を閉じる。


 聖辿教の奴ら曰く。このステータス画面は神の祝福によりもたらされた奇跡、だそうだ。俺には良く分からんが、とりあえず有効活用させてもらっている。


 そもそも神様が謎なスキルやクソみたいな能力値を与えてくれなければこんな状況にならなかったのでは? と考えたが俺の会った神は『ランダムでスキルを一つか二つ与える』と言っていた。つまり、神自身にもどうしようもなかったということ。能力値も同様だろう。

 それに、【超回復】自体にはお世話になっているので蔑ろにするつもりはない。むしろ、もう一つのスキルに使い道を見いだせずに困っていた。


 【代償強化】。


 鑑定をした結果。あまりにも使いづら過ぎて使用したことは一度もない。そう、()()()()()()()


 にもかかわらず、【代償強化】はレベルが二なのだ。むしろ、この世界に来た時には既にレベルが上がっていた。ということは知らず知らずの内に何かを代償に何かを強化したということ。あまりにも()()()()

 なぜなら、代償として使用出来るモノの範囲が広すぎるからだ。


 結論から言おう。代償として〝寿命〟を選択できる。


 もし自分の意識外で自身の余命が短くなっていたら? そう考えるだけで寒気がする。


 【代償強化】は自身の〝何か〟を代償に何らかの能力を底上げするスキルだ。その使い道は二つあり、代償を使い〝一時的に〟自身の能力を強化するもの。もう一つは代償を使い〝永続的に〟自身の能力を強化するものだ。どちらにしても代償として使用したものは返ってこないようだが、前者は比較的軽い代償で強化することができるらしい。逆に後者は効果は高くともかなりの代償を請求されるのだとか。


 一見強力そうだが、今の俺には到底使いこなすことが出来ない。なんせ代償に使用できるほど大したモノは持っていないからだ。どうやらレベルが高ければソレを代償に強化も出来るらしい。が、俺は効果的にレベルを上げる術を持っていないので今よりもレベルを下げることはあまり得策では無いだろう。


 そして、数日後に起こる出来事が、今の考え方を完全に撤廃することに繋がることを、今の俺は知るよしもなかった。

評価人数が一に達しました。作者の投稿速度がレベルアップします(多分きっと)。



というわけで、評価をつけてくださった方。本当にありがとうございます!!!!


自分の幼稚なお話をお読み下さっただけでなく、評価をつけてくださるとは、嬉しさのあまり涙と歓喜が止まりません(


本当に、本当にありがとうございます!


自信も表現力も文章力も、何もかもが足りませんがより良い話を書けるよう、努力をしていくので気が向けばまた読みに来てください!


( ≧∀≦)ノ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ