表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Starlog ー星の記憶ー  作者: 八城主水
46/155

Copy

 千歳(ちとせ)の姿をした星霊、ナガトはイザナミから渡された刀を手に白銀の影を纏う。千歳も木刀を包んでいる布を外し影を纏ってナガトと向き合う。


「そんな棒切れで俺と()るつもりか?」


「あいにくと、真剣は持ってないんでね。」


 千尋(ちひろ)たちが見守る中、二人の千歳が睨み合う。まず先手を打ったのはナガト、刀を抜き千歳の首めがけて振るうが千歳は一歩下がってこれを避け、そのままナガトの刀を持っている手をめがけ木刀を振り上げる。


 ナガトは即座に納刀しつつそれを避け、抜刀するとその勢いのまま千歳の胴体を狙い刀を振るう。千歳はギリギリそれを(かわ)し、一旦下がり体勢を整える。


 つもりであったがそこにはナガトが先回りしており背後から千歳の頭めがけ刀を振り下ろしていた、千歳は即座に振り向くとそれを木刀で防ぎナガトと鍔迫(つばぜ)()いになる。


 千歳はすぐさま後ろに引くと地面を蹴りナガトの背後に回り込む、そして木刀を振りおろすがナガトは千歳の方を振り向くこともせず刀を納刀しながら横に移動して躱しすぐさま抜刀すると千歳の方へ体を回転させ勢いのついた一太刀を振るう。


 自分の一太刀を躱された瞬間に千歳は後ろに下がっておりそれをギリギリで躱すが、空振りしたナガトの刀から鳴る刃音(はおと)に思わずゾッとした。



 再び向かい合う両名、お互いがお互いの出方をうかがっている。千歳は千尋の方をチラッと見ると駆け出しナガトの右側に回り込むと木刀を構える。そしてナガトが躱そうとする素振りを見せると地面を強く蹴り左側に移動し木刀を振るう。が、ナガトはそれをわかっていたかのように刀で防ぐ。


 それから幾度も千歳は攻撃をしかけるがナガトはそれらをすべて防ぐ、しかし段々と千歳の速度が上がっており次第にナガトの反応が間に合わなくなっていく。先程までの相手の隙をつくような戦い方とは違う千歳の動きに千尋はどこか身に覚えがあった。


「アイツ、まさか・・・」


 千歳は木刀を振りおろしナガトがそれを防ぐと千歳は木刀をそのまま置き去りにし、地面を蹴ってナガトの背後へ、ナガトが後ろに振り向こうとすると正面へと瞬時に移動する。


 そして拳を構える千歳を見て千尋は鳥肌が立った。動きもそうだがいま千歳が放とうとしている正拳突き、その構えが普段自分のとっている構えのイメージと重なるのだ。


(イメージは、こう!)


 ナガトの顔面に向かって千歳の拳が放たれ、『パァン!』という小気味のいい音が鳴り響く。千歳も手応えを感じたが、ナガトは千歳の正拳突きを(てのひら)で防いでおりダメージは全くなかった。


「なるほどな、千尋の動きを()()()わけか。」


「くっ!」


 ナガトは千歳がなにをしたのかわかっているかのように言い放ち、千歳の顔を、眼をまじまじと見つめる。


「確かに御前が千尋との戦いで得た経験値はたいしたもんだ、速さと力で本気の千尋に及ぶやつなんてそうはいない。大抵のやつの動きは見切れるし、つまりはその逆も取れる。今みたいに千尋の動きを真似れば見切れるやつも・・・まぁそうはいないだろうな。」


 そう言いながらナガトの眼が、()()が変異していく。


「けどな千歳、千歳(おまえ)にできることが千歳(おれ)にできないと思うか?」


 千歳の霊写(たまうつ)しとは違う、ナガトの両眼の光彩には宇宙の銀河を思わせるようなものが映っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ