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Starlog ー星の記憶ー  作者: 八城主水
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Another

 魔法陣が最後に落とした影は先に落ちてきた二つのように姿を変えることはせず渦を巻いている。


 イザナミが描いた魔法陣、そこから呼び出された人物から千晶(ちあき)は心当たりのある魔法をひとつ思い出した。


「まさか・・・星霊降臨(せいれいこうりん)か?」


 この地球で偉大な功績を遺した者は死後、星と契約し"星霊(せいれい)"となる。その星霊を使い魔として現世に召喚する魔法、それが星霊降臨である。


 こう聞けば偉人たちを使役できるという便利な魔法だが、この世界でこの魔法を使う、というより使おうとする者はいない。星霊となり、星の記憶に残った者たちを呼び寄せるとなると膨大な魔力が必要な上にこの魔法は言ってしまえば"星が星霊を召喚している"ので呼び出される偉人たちはある程度の基準はあれどランダムなのだ。その上、呼び出された星霊が使用者に絶対服従というわけでもなくもし使用者が星霊のなんらかの逆鱗に触れた場合、殺されるというケースもある。


 だが今、この魔法を使用しているのはこの国を無から創り、そこに神々をも産んだとされる女神、伊邪奈美命(イザナミノミコト)。魔力の量はもちろんのこと、おそらく呼び出せる星霊を選択できるだろう。そしてなにより、星霊たちはイザナミに逆らうことはないだろう。


 そこまでは千晶にも想像はついた、おそらく先に呼び出された二人の星霊も相当の手練(てだれ)だと。そして最後に落とされ、渦を巻いていた影が晴れるとそこには千歳(ちとせ)の姿をした星霊が現れた。


 その星霊の姿に千歳本人も千晶たちも唖然とする、どう見てもこの場に千歳が二人いるのだ。ひとつ違うとすれば、千歳は子供の頃から見ていた夢の影響で目の下にクマがあるのだが星霊として現れた千歳にはそれがない。




"まるで平行世界から呼ばれたかのような・・・"




 一瞬頭に浮かんだ思考に千晶は"まさか"と息を飲んだ。


 千歳の姿をした星霊は先の二人と同じように周りをキョロキョロ見渡す、そこへイザナミが近寄り声をかける。


「よく来てくれたな、大儀である。」


「え、あぁ・・・キミ誰だい?」



 千歳(星霊)は気だるそうに千歳と同じ声色でイザナミに問い掛ける。自分の目の前にいる女の子がイザナミであり、星霊降臨を使って自分を呼んだ張本人だとわかっていないようだった。


「妾はイザナミ、お前を呼んだ者だ。」


「イザナミ・・・?」


 千歳(星霊)はイザナミの顔や全身を見渡しながら腕を組む。


「そう・・・か、なるほど。わかった。」


「では千歳よ、まずはあやつらの命を殺してほしい。」


 そう言いながらイザナミが千歳たちの方を指差し、千歳(星霊)は千歳たちの方を向く。そして千歳の姿を見ると乾いた笑いを浮かべる。


「いいだろう、逆らったら俺が殺されそうだからな。」


 千歳(星霊)の答えに満足したのか、イザナミは笑みを浮かべる。そして鞘に納められた日本刀を取り出し千歳(星霊)に向かって放り投げる。千歳(星霊)は受け取った刀を鞘から抜き刃を見渡すと再び納刀する。


「あ、ちなみに、俺のことは"千歳"じゃなく、"ナガト"でよろしく。」


 そう言いながらナガトは千歳たちの方へ悠々と歩き出す。

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