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Starlog ー星の記憶ー  作者: 八城主水
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Lunch in pool

「はい紗奈ちゃん、ソース焼きそばの紅生姜抜き。りんごジュースも置いとくね。」


「・・・ありがと。」


 朝に入館し昼前までプールで遊んでいた千歳たちはプールサイドから少し離れたフードコートで各々昼食と休憩をとっていた、そしてプールサイドで若葉や若葉の姉と話したあたりから紗奈の機嫌が少し悪い。


 千歳は少々おどおどしながらテーブルに紗奈の焼きそばと自分のカレーライスを置き、紗奈の向かいに座る。


「紗奈ちゃん、なんか怒ってる?」


「・・・怒ってないよ。」


 言葉ではそう言いつつ紗奈の声色から機嫌の悪さが伺える、どうしたものかと千歳が考えているとそこへ若葉がやって来て千歳に背後から抱きつく。


「兄さ〜んお腹減りました、なんかお昼ご飯買ってきてくださ〜い。」


「ちょ、コラッ!濡れてんじゃん身体拭きなさい!」


 タオルを持っていない若葉に千歳が自分の座っていた椅子にかけていたタオルを手渡す、千歳は椅子から立ち若葉に食べたいものを聞くとそれを買いにその場から離れる。


「・・・橘さん、ちょっとそこに座ってくれる?」


 千歳の姿が見えなくなると紗奈は千歳のタオルで濡れた髪と上半身を拭いている若葉に声をかける、若葉は礼儀良く返事をしながら千歳の座っていた椅子に座る。


「・・・橘さんって、ちぃちゃんのことどう思ってるの?」


「え、優しいお兄ちゃん・・・です。」


 若葉の答えに紗奈は『ふーん』と、声をあげ頬杖(ほおづえ)をつく。


(まぁ、『兄さん』なんて呼び方してるしそんな感じか・・・。)


 と、紗奈が納得していると、若葉がおそるおそる口を開く。


「もしかして椎名先輩、兄さんのこと好きなんですか?」


「へぇあ!?」


 若葉の問に紗奈は思わず声をあげ、椅子に座ったまま逃げるように後ずさる。その態度から若葉は察したのかニヤニヤと口角が上がる。


「安心してください。確かに兄さんのことは好きですが、恋愛の対象じゃないです。」


「あ、そ、そうなの?」


 若葉の言葉に紗奈は安堵し、座っている椅子を前にずらす。



「むしろ椎名先輩が兄さんのことを好きであるならば、私は椎名先輩を応援しますよ!兄さんと椎名先輩は傍から見てもお似合いカップルです!」


「そ・・・そう?」


 紗奈は頬を赤らめながら満更でも無い様子でもじもじしている。


─────

───


 若葉から頼まれたカレーライスを載せたお盆を両手で持ち、紗奈と若葉が待つテーブルに向かう千歳。店員が『若いから』と笑顔で気を利かせて多めに入れてくれたカレーのルーが皿から漏れないように千歳は慎重に歩きながら、どうしたら紗奈に機嫌を直してもらえるか考えていた。


 しかしテーブルに戻った千歳が見たのは紗奈と若葉が仲良く談笑している光景だった、千歳は不思議に思いながら2人の話の邪魔にならぬようにゆっくり近づき両手で持っていたお盆をテーブルに置く。


「若葉ちゃんお待たせー、ほいカレーライスとコーラ。」


「ありがとうございます兄さん、わぁ美味しそう〜」


 よほどお腹が減っていたのか若葉はすぐさま手を合わせるとカレーライスを一口、また一口とパクパク口に運んでいく。


 千歳はその様子を見て微笑ましく思いながら空いている椅子に座り、おそるおそる紗奈の顔を見ると紗奈がニコッとしながら『おかえり〜』と千歳に優しく微笑みかける。紗奈の機嫌が直ったようで千歳は不思議に思いながらも安堵し、自分の分のカレーライスを食べる。

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