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Starlog ー星の記憶ー  作者: 八城主水
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Pool

 千晶(ちあき)との再開した翌日、千歳(ちとせ)はメッセージアプリ内のグループに招待された。グループのメンバーは千尋(ちひろ)千悟(ちさと)に千歳、そして千晶だった。


 かなりの頻度のメッセージ着信の通知が来るかと思いきや、グループに招待された初日はメッセージが1件もなかった。その翌日の今でもグループのチャット欄はまったくの空白、その理由を千歳はなんとなく理解していた。



 至って簡単、照れくさいのだ。


 しばらくしてそのグループのチャット欄についに1件のメッセージ着信の通知が表示され、メッセージを見ると送り主は千尋だった。


 メッセージの内容は暑いからプールにでも行かないかというものだった、ショッピングモールの横に新しく出来たデカい建物は屋内プール施設で明日から試運転ということで少人数向けに営業するらしい。そしてその少人数というのもプール施設側から招待券を送られた人が対象で有間家にもその招待券が送られてきたそうな。


 送られてきた招待券は5枚、そして1枚につき2人まで入場できるとのことで千尋は祖父から『友人でも連れて行ってこい』とその招待券を譲り受けたらしい。


 千尋の誘いに他の3人は快諾し、翌日の朝に待ち合わせということになった。


─────

───


 そして翌日、現地集合ということでプール施設前に千歳と紗奈、紅葉と青葉が行くと既に千尋と美琴が二人並んで立っていた。千歳と千尋はいつものように軽く挨拶をし、双子姉妹は千尋に招待してくれたことの礼を言っていた。


 あとは千悟と澪、千晶と桐江だろう。プールが楽しみである反面、千歳は若葉を誘えなかったことを悔やんでいた。


(今度誘おう・・・)


 と、思っていると千尋たちや千晶たちの2組も到着したので千尋が入口のスタッフに招待券を5枚渡し千歳たちは入場する。そこから男女で別れ更衣室で水着に着替えた後プールで集合することとなった。


 千歳は服を脱ぎ荷物の中の水着を取り出すと一瞬固まった、自宅にあった普通の水着を持ってきたつもりだったが千歳の手に持たれていたのは若葉と行った水着屋で若葉がチョイスして買ったあの水着だった。


 千歳たちが着替え終わりプールサイドに出ると女子たちの姿が見当たらない、まだ着替えているのだろう。


 千尋に(なら)い千歳たちが準備運動のストレッチをしていると着替え終わった女子たちがプールサイドに入ってくる、その中に若葉の姿があったので千歳は驚いた。


「あれ、若葉ちゃん。なんで・・・」


「うちも招待券もらってまして、姉と一緒に来ました。」


 そう言って若葉が指差す方を見ると、プールサイドにあるデッキチェアに女性が1人でドリンクを飲みながら優雅に寝転がっていた。自分たちが入った時には姿が見当たらなかったので千歳は少し驚いた、すると女性が若葉に気付き千歳たちの方へ歩み寄ってくる。


「若葉ぁ、なかなか出てきいひんさかい姉ちゃん心配したでぇ〜。」


「ごめんごめん姉ちゃん。」


 聞き慣れない方言で話す若葉の姉に千歳は面食らってしまう、そして若葉の姉は妹の横に立つ千歳に気付く。



「もしかして・・・おにいさんが千歳はん?」


「あ、はい・・・そうです。」


 若葉の姉に尋ねられ、千歳が答えると若葉の姉がぺこりと頭を下げる。


「妹がお世話になったようでほんまにおおきに、これからも妹をよろしゅうおたのもうします。」


「あぁ、いえお世話だなんてそんな・・・とんでもないです。」


 あまりに丁寧なもので千歳も思わず頭を下げる、その様子を見て若葉は姉の脇腹を指で突っつく。


「姉ちゃん本当に恥ずかしいからやめてよ。」


「やぁん、妹を助けてくれたなんて聞いてお礼を言わへんわけにはいかへんやん。」


 くすぐったそうにする姉にお構いなく脇腹を攻撃する若葉。その光景はとても微笑ましく、同時に千歳は同学年である双子姉妹にも敬語で話す若葉が砕けた口調で話していることに新鮮さを覚えていた。


「あ!ていうか兄さん私が選んだ水着、着てくれたんですね!」


「その水着若葉ちゃん選んだんどすか?どうりで・・・。」


 若葉の姉が同情のような眼差しを千歳に送る、更衣室で千尋たちにいじられていた千歳はもはや観念していた。

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