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Starlog ー星の記憶ー  作者: 八城主水
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長門と有間 Ⅶ

 千歳が放った黒い斬撃を千尋が避けると、千歳は棒状の黒い影を構え地面を蹴りその場から跳び棒状の影を千尋に向かって振り下ろす。


 千尋は咄嗟に建御雷を顕現させ、建御雷の腕で防ぐと千歳はニヤリと笑い再び棒状の影に魔力を集め始め、次の瞬間には先程と同じ黒い斬撃を今度はほぼゼロ距離で放ち黒い影が千歳と千尋の二人を巻き込み硝煙があがる。



 千尋はすぐに跳び上がり煙から脱出するが煙の中から黒い影が伸び千尋の脚を掴むとそのまま地面に叩きつける、勢いよく叩きつけられた千尋は嗚咽の声をもらす。


 そして千歳が千尋の眼前に立つと棒状の影を振りかざし魔力を集めると、千尋に向かって振り下ろす。千尋は体の前で腕を交差させ、防御の体勢をとる。


 しかし、棒状の影は千尋の目の前で止まった。黒い斬撃が放たれることもなく、千尋が千歳の顔を見ると目はこちらを見ているのにどこか虚ろで、まるで目を開けたまま寝ているようだった。



─────

───


「まずい、どうしよう・・・」



 ソファーに座り頬杖をつきながら千歳はぼやく。夢の中なので『飲み物が飲みたい』と心で思えば飲み物が出てくる、それを飲みながら再び黒い影が現れるのを待っているのだが、黒い影は一向に姿を見せず目が覚めるような気配もないため千歳は焦りを感じる。


(・・・ちょっと試してみよう)


 千歳はソファーから立ち上がり頭の中で刃物をイメージする、すると千歳の手に鍔も柄もない刀が現れたので(なかご)を持ち刃を自分に向ける。夢の中で自身に衝撃を与えれば目が覚めるのではと考えていた千歳だったが、夢の中とはいえやはり刃物を自分に向けるのは心穏やかではなかった。


 千歳はギュッと目を瞑り自分の心臓目掛けて刀を勢いつけて刺そうとすると、黒い影が現れ刀を持った千歳の手の手首をガシッと掴む。刺さる一歩手前だったが影が現れたことに千歳は安堵のため息をつき、千歳が刀をポイっと投げ捨てると刀は床に当たると同時に黒い砂となって霧散する。


「あのさ、招待してもらったとこ悪いんだけど、俺いま親友と戦ってるんだ。だからこの夢から覚めないと・・・」


 千歳の言葉に黒い影の目が禍々しく光る、それに対し千歳は霊写しの眼を開き睨みかえす。


「頼むよ、あいつは俺が止めないと。他の誰でもない、俺が。」


 しばらく睨み合っていると影の眼光が消え、千歳の身体が黒い砂になりぼろぼろと崩れていく。千歳は『ありがとう。』と言葉を残し白い空間から消え去る。


 真っ白な空間、残っているのは千歳が座っていた二人掛けのソファーだけ、一人になった黒い影はソファーに寝転んだ。


─────

───


 意識が戻った千歳の目に写ったのは地面に倒れ伏している千尋の姿だった。



「・・・なにやってんの、お前。」



 自分が倒れたところで記憶が途絶えているので思わずこんな言葉を千尋に投げかけてしまうほどに千歳は混乱していた。


「どんな夢見たらあんな暴れ方するんだ・・・?」


 千尋自身もどう答えていいかわからず冗談まじりに返しながら立ち上がり後方へ跳ぶ、千歳の持っていた棒状の影は千歳が意識をとりもどしたと同時に霧散した。



 千歳は右手に、千尋は左手に魔力を集め睨み合う、お互いこの拳の一発が最後だと確信していた。

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