異世界カーリング
ここは冬の寒さが厳しい北国。意識がハッキリした頃だろう。私は良く分からない記憶が蘇ってきてそこから私はどうやら生まれ変わったようだと分かってきた。だが自分自身、自分の家族を見ているとどうやら私は生まれた国日本とは違う場所で転生したようだ。さらに成長して分かって来た事は、どうやらここは地球なのか?が怪しい。
例え地球だとしてもあまりに文明が発達して無さ過ぎる。地球ならロシア北欧あたりや欧州の北海岸の辺りだろう。その地域に携帯も無い、電化製品も無い車も無い。工業製品である暖房器具も無い。ありえるだろうか?今時グリーンランドのエスキモーでさえ文明の利器を使っている。まあアメリカじゃないと思ったのはそれが大きい。東洋人らしき人が居ない。所謂ここは地球ではないが、地球に似た惑星や異世界というやつなのだろうか?
まあ大体は分かった、重要な事は全く違う生活に放り込まれたのは確かだ。だが私はここ悪くないかも?と思い始めていた。全く暇だというわけじゃないが、多くの事を冬前にしてしまってせいぜい湖で魚を釣るぐらいしかやる事が無い。完全に仕事停止となる時期は短いが、それでも冬休みと言うほどの期間は暇が出来た。その分冬支度前には忙しいし、かつ人口もそれほど養えない生活の苦しさはあるが。
私(元高梨真理子)は元々北海道生まれこのぐらいの寒さなら慣れている。ただし文明の利器である暖房器具は比較にならないほど充実していたが…。それでも私は北国ゆえのウインタースポーツを一通りこなしていた。この経験からソリはすでにあったが、その村には無かったスキーを発明して同じような暇をもてあます子供達に広めていた。大人たちはその時期も家の中で毛皮をなめしたり、織物などをしていた。
後この地域はぎりぎり地球で言うトナカイを家畜にしていて、夏の熱さから地球じゃ生育して無いと思うのだがそこは異世界この村でずっと家畜としてトナカイを飼うのが当たり前になっていた。そのせいでソリが発達していたし、冬暇なのは子供達だけと言う環境が出来上がっていた。トナカイは子供でも確か乗れたと思うのだが、それでも子供だけで荷物の運搬などは危険でやらしてなかった。あくまでお手伝い程度。元々冬が長引いた時の臨時の食肉用としての意味が大きくて、わざわざ子供が手伝うほどの仕事量があるわけじゃなかった。
この地域では日本のおはじきに似た遊びがあり、この文化を利用して私は一番はまってたカーリングを復活させたいと思っていた。他にも女の子もやるが、やっぱりスキーは男の子のトモダチが多くて、小さい頃からどうもそれで女の子のトモダチが少なかったので、親友のアン以外の友達もほしくて、カーリングをもっと簡易にしてやればどうか?と思いついた。
「ねえアン、また新しい遊びを思いついたんだけど、ちょっと難しいので二人だけでまずやるから付き合ってくれないかな?」
「うん良いよ、マリーの遊びは面白いから」
スキーもアンがすぐ付き合ってくれたから広まったのもあり、何かやるのにいつもアンが同意してくれるのが嬉しかった。本当は多分面白くなくても付き合ってくれると思ってるけどそれは言わなかった。そういう良い子なんだ。
「やる事はおはじきとほぼ同じ。ただ違いは大きいおはじき」
そういって私は家の裏においてあったソリを運んできた。
「本当に大きいね…」
アンはちょっと唖然としてた。まるで巨人のおはじきみたいだったからだろう。実は冬の前にすでにめぼしい石を選んで置き、雪が降ってからすぐにこっちに運んできた。カーリングっぽい大きな石を探す方が苦労した。今度はそれらに加えて赤色で塗った丸い木の板を持ってきた。
「後はねこれを穴を開けて魚を釣る湖でやるんだよ」
この地域は湖が凍ってしまってまるでスケートリンクみたいになる場所が多かった。それでも全く危険が無いわけじゃないので、すでに大人たちが使っていた湖を選んだ。たまに大人が来るが、邪魔にならないようにやるぐらいの広さには十分だった。
次に微妙に表面を削って赤い板を置いた。多少でこぼこが出来るため本格的にやるには何か別の方法が必要だとわかったが、取りあえずは分かりやすさ重視だった。
「で、この板を中心に何か削る棒で同心円状に丸を描いていくの」
そういっても多分中々ピンと来ないだろうから、私がまず円を描いて魅せた。
「こうやって同じ幅で後は3つぐらい円を描けば良いよ」
アンは分かってくれたようで手伝ってくれた。ただ、問題がありまたでこぼこが出来てしまった。これもいずれ改善しなくては。
「後はね、これを離れたところから赤い板を狙って近づけるゲームなんだけど、一人でも出来るけど、二人または2チームで対戦して相手の近い石をぶつけてはじいてしまっても良いんだよ。実際やってみるね」
まず赤い板の上に石を置き、それを10Mぐらい離れて別の石でぶつけてより近い位置に自分の石を置き、最初の置いた石は大きく弾いて遠ざけた。
「あ本当におはじきだ」
「でしょ?違うのは氷の上でやるから寒い地域だけの遊びになるんだよ」
そこはアンはピンと来てなかった。私は将来的には他の村にも伝播して対抗戦とか出来たら良いなと思っていたが、アンはその事を知らないので、イマイチ何を言ってるか?意図がつかめなかったようだ。
本当は、石をゾーン的に使って得点するとかややこしいのがあったけど、簡易版なので、スイープーも無く本当におはじきとダーツを組み合わせたような単純な総合得点だけで勝負を決めていた。子供にはいきなりそんな高度なのは良く無いのと、大人はさすがにこの時期でも何かしらの仕事をしてて子供達にまず覚えさせるためルールはかなり滅茶苦茶だった。
ただポイントだけは抑えたと思うし、後からルールを複雑化させる前段階はとしてこれだと自負している。後はチーム対戦をしたかったので、遊び仲間を増やすだけだった。でも以前は男の子の友達ばっかりになってしまった苦い経験から、今度は女の子が良くやっていたおはじきを選んだので誘うのは女の子だけにしようともくろんでいた。
後書きが大事だと思っています。平均値のアニメ化を見て腹が立ったので作りました。この作品が異世界でやる意味が無いのが趣旨です。異世界で女子グループできゃははウフフするにはこれぐらいやらないと駄目なんだぞ?って反面教師として書きました。
女の子ばかりでなろうしたらきららっぽくなると舐めたつくりをしたアニメスタッフへの怒りが創作への原動力です。
後いつも感想を閉じてますが、今回と特にやり取りしたく無いです。私カーリングさっぱり知りません。ざっと見てなんとなく分かったポイントを元に書いています。カーリング警察の相手する暇が無いので…。