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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

古口宗の意味怖モドキ

狂気は日常の中に

作者: 古口 宗

8月もネタが出来たよ...。

『えぇっと...。』

『あぁ、()()()です。』

『はい、玻坏様ですね。いやぁ、お若いですね。』

『ははっ、まだまだ新米ですからね。』

『それで、今回は大人気ゲーム「クリスタル・オンライン」の制作者としてはどういった御気持ちですか?』

『感無量ですよ。eスポーツとしてうちのPVPが選ばれるなんて。』

『レベルやスキルを固定にしたガチモード...でしたっけ。MMORPGとしては、かなり珍しいですよね。』

『操作性や物理演算、グラフィックには拘ったので、それを魅せるシステムを取り入れたかったんです。それなら、レベルやスキルを同じにして、リーチや動きやすさが別れやすい武器や装備を選んで貰った方がいいと考えたんです。』

『なるほど。しかし、そうすると運営側は苦労しそうな感じがしますね。』

『えぇ、装備事の特性やバランスなんかは上手く揃えないと白熱しないので...何度も対戦して調整しました。持ち込みも不可にしたので、普通にストーリーで使う強い装備も使用感を変えない上で差別化をしなければいけませんし...。』


 liveと右上に出ているパソコンから出てくる音に、段々とご機嫌になっていくのを感じながら、私は軽快に野菜に刃をいれる。

 リズミカルな音が台所に溢れ、次々と玉ねぎが小さくなる。一口大になった玉ねぎは擂り潰したニンニクと一纏めにする。


「えっと、お肉お肉。」


 扱ったことの無いお肉だから、下処理に失敗したかも知れない。まぁ、ちょっと濃いめの味付けで誤魔化そう。彼なら少し笑った後にそれでもお礼をいってくれる優しさがあるもの。

 お陰で色々なことに挑戦しやすいし、彼も応援したくなる。恋は盲目って言うけど、こう言うことだろうか?


「フライパンは...もう、使った所に片付けてって言ってるのに。」


 まぁ、彼の事はすぐに分かる。昨日はハンバーグだったから、下の棚だと思った。

 すぐにIHのスイッチを入れて、フライパンの上にお肉を入れる。油が出てきたらニンニクを入れて、火が通った頃合いで料理用の赤ワインを入れる。


『...たのですね。所で学生時代には既にゲームを作っていたとか。』

『大学生からですね。高校生の頃は勉強に必死でした。頭、悪かったので。』

『でもゲームの制作って難しいですよね?』

『えぇ、その頃は遊ぶ専門だったんです。只、先生にそんなに好きなら作ってみるか?と手伝っていただいて...。』

『フリーホラーゲームでしたよね。』

『はい、そこから制作にハマりましてね。だから、電気とかプログラムとか猛勉強w』

『良い先生ですね。』

『本当に。今でもたまに訪ねてくれますよ。』


 あのホラーゲーム、謎解きパート難しかったな...と危ない危ない。焦げちゃう所だった。玉ねぎとシメジ、塩をちょっと多めに入れて、混ぜる。


「えっと、トマトトマト。潰して入れて...。後はコンソメかな。キューブのを三個位...っと。」


 鍋を置いて、15分のタイマーをセットする。そうだ、お掃除しなきゃ。今日はちょっと汚れてるし...。


『...れで今があるんですね~。いやぁ、しかし学生時代モテたでしょう?イケメンで優しい、女性が放っておかないのでは?』

『そうでも無かったですよ。今はお付き合いさせて頂いてますけど。』

『もしかして、未来の奥さんですか?』

『やっ、ちょっと恥ずかしいな...。ここでは言えません。』


 そこは言っても良いのに...。まぁ気長に待ってあげるけどね。

 お掃除と服を取り入れてたら、タイマーが鳴る。いい感じに水分が出てきてた。


「買ってきたサワークリームと、デミグラスソースと...あっ、お砂糖切らしてる。」


 買いに行かなきゃ、まだお店開いてるかな。火を止めて縛っていた長い髪を解くと、しっかりと戸締まりをする。彼ももう少し遅くなるだろうし...。二人暮らしなんだから鍵は大切だよね、都会は物騒なんだもの。




「だぁ~、ダリぃ~。残業とか仕事終わってねぇ奴がやれよなぁ。サボりたいからとっとと片付けた意味ねぇし!」


 愚痴る俺はボロアパートの階段からくる足音に気が付かなかった!

 まぁ、小学生に縮んで難事件は解決しないけどな。身近で人死もそうそう起こらない。...いや、割と多いわ。失踪だけど。


「あっ、すみません!」

「いえいえ、お構い無く。急いでるんでしょう?」

「はいっ、今日は彼が食べちゃいたい位好きだって言っていたのを思い出して...あっ、お店閉まっちゃう!失礼します!」


 ...ノロケか!お腹一杯だわ、ちくしょう!遊ぶ暇もねぇ独身男性にノロケんな!


「しっかし、美人が多いね。隣の人かな?この匂い...夕飯はビーフシチューか。いや、知らねぇけど。」


 そして自室の扉を開けるとき、俺は気付いた。

 そう、昨日は短髪の美人、今日は長髪の美人...。


「とっかえひっかえか!イケメン滅びろぉ!」


 はぁ、虚し。今日の夕飯はビーフシチュー食べよ。

解説(ネタバレ)













好物に食べちゃいたい位好きだって言いますか?

普通、食べ物じゃ無いですよね。所で結婚と聞かれて照れるような人物がとっかえひっかえするでしょうか?

高収入でイケメンかつ、優しく話題の人。ストーカーの一人でもいたなら...。作っていたのは本当にビーフストロガノフでしょうか?別のストロガノフかも...。例えば食べちゃいたい位好きな人の...ね。

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