第5話 お金を稼ぐには
朝
太陽が昇り、フルーヤ村を照らす
「よし!出来た!」
僕は大きく文字を書いた紙を見る
"お手伝い屋さん、1回5G"
7歳の子供がお金を稼ぐのは正直大変だ
色々考えたが薬草を取ってきて売るとか魚を釣って売るよりもこの方が効率がいい
報酬は5Gと少な目だけど、これならお駄賃感覚で試してみようって人がいるはず!
「先ずは僕がしっかりできるって所を見せないとね!」
成果をあげて評価される
そうすれば仕事も増える!
5Gでも塵も積もれば山になる!
目指せ5000G!!
・・・・・・・・・
昼
「………駄目だ……」
紙を板に打ち付けて看板にし
村を歩いて宣伝したけど
皆『おや?お店屋さんごっこかい?』って言って遊びだと思われた
「なんだよ………僕は本気なのに………」
どうするかなぁ………
「よぉマーティ」
「あ、ダックスおじさん」
困っていた僕にダックスが話しかけてきた
「商売を始めたらしいな?」
「うん、でもまだお客さんが一人も来ないんだ」
「そうか、なら俺が最初の客だな」
「えっ?いいの?」
「おう!ちょうど人手が欲しかったんだ」
ダックスがそう言うと歩き出す
僕もダックスについていった
・・・・・・・
「よっ!えい!」
パカン!っと薪を割る僕
「薪の在庫が無いのにさっき気づいてな!俺は飯の仕込みがあるから任せたぞ!」
「はい!」
僕は返事をしながらも薪を割る
「これ運ぶね?」
割った後の薪をネルが運ぶ
ネルはまだ斧がまともに振れないから薪を運ぶ係りだ
「よいしょ!」
パカン!
「マーティは力強いね」
ネルが僕を見ながら言う
「鍛えてるからね!」
パカン!
薪を割りながら答える
「凄いなぁ……」
「そう?」
薪割りくらいならある程度力があれば皆出来るでしょ?
ネルも10歳になるころには出来てた筈だし
「よっ!はっ!」
パカン!パカン!
次々と薪を割る
「これで最後!」
パコン!
「うん終わりだね!」
ネルが最後の薪を拾う
・・・・・・
「ダックスおじさん!終わったよ!」
「おう確認したぞ、ほら5Gな」
おじさんが僕の手に1G硬貨を5枚乗せた
因みにこの世界の貨幣は
1G硬貨
10G銅貨
そして飛んで
1,000G銀貨
更に飛んで
100,000G金貨
となっている
基本硬貨と銅貨でやりとりしてるかな
銀貨は見たことあるけど金貨は正直見たことない
「まいど!また仕事があったら教えて!!」
「あぁ!助かったよ!」
「マーティ!ありがとう!」
「ネルもありがとう!!」
僕は宿屋を出た
「………ありゃ気付いてるな、俺達が仕事を用意したの」
「だね………」
・・・・・・・・
ダックスおじさんの所で仕事をした後
僕のお手伝い屋さんが遊びではなく本気だと知った人が結構依頼してきた
畑を耕したり
「流石に慣れてるな」
「家の畑を手伝ってるからね!」
薬草を探したり
「はいおじいさん!」
「おぉ、ありがとのマーティ」
雑用ばかりだけど結構好評だった