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少年はただ幸せになりたい  作者: ファルコン
三度目の人生
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第3話 新たな出会い

 3年後


 それからも僕は身体を鍛えた


 今では家の周りを五十周出来るし

 腕立てと腹筋と背筋のセットもそれぞれ200回出来るし

 夕方の走り込みはもう全然疲れなくなった


 鍛えすぎかな?でもこれでもまだまだ不安だよ


 そんな7歳の僕マーティである


「マーティどうしたの?」

「あ、なんでもないよ」


 今、僕はネルと一緒に川で釣りをしていた


 カーツはまたおばさんに捕まってるみたいだから今日は来れるのかな?


「っと!よしまた釣れた!」

「マーティ凄いね!6匹目だよね?」

「まだまだだよ、カーツはいつも10匹は釣ってるし」

「………私はまだ釣れないな~」


 釣りを始めて結構経ってるけどネルの籠には魚はいない


「ネルは竿を引くのが少し速いんだよ」


 僕は竿を隣に置いてネルの手をとる


「あ………」


 ネルが顔を赤くする

 うーん………前回はここまで照れたりしてなかったんだけどな………まあこんなネルも可愛いからいいけど


「こうやって待って………」

「う、うん………」


 クイクイっと竿が引っ張られる


「まだだよ?」

「うん………」


 クイ!

 竿が強く引っ張られる


「今だ!」

「えい!!」


 僕は合図してネルと一緒に竿を引く


 ザパン!

 魚が釣れた


「わぁ!」


 ネルが嬉しそうに釣れた魚を手に取る


「やったね!」

「うん!」


 ネルは凄く嬉しそうだ


 ・・・・・・・


 それから釣りを続けて

 僕は8匹

 ネルは3匹

 魚を釣った


「この魚をおじさんに料理してもらおう!」

「うん!」


 僕とネルはネルの家に向かう

 正確にはネルの家が営業してる酒場にね


 ガチャ!


「ただいまー!」

「おじさん!いっぱい釣れたよー!」


 僕たちはカウンターに向かう


「おう、帰ったかネル、坊主も一緒だな」


 ムキムキなおじさん

 ネルのお父さんのダックスが僕たちを見る


「お魚いっぱい♪」

「なにか作って!」

「おういいぞ!」


 僕とネルの籠を受け取るダックス


「おっ!マーティ達は今日もデートか!熱いねぇ!」


 お酒を飲んでた村のおじさんが言う


「羨ましいでしょ~♪」

「でしょ!」


 僕が答えるとネルも一緒に答える


「おぅ羨ましいよ!くっ!俺も相手を見つけないとな」

「お前は先ずその厳つい顔をなんとかしろよ!」

「んだとこらぁ!?」


 おじさん達が騒ぐ

 それを見て皆が笑う

 よく見る光景だ


「………んっ?」


 僕はふと店の端のテーブルを見る


「……………♪」


 そこには見たことない金髪の男の人が嬉しそうにお酒を飲んでいた


「……………」


 僕はなんとなくその人が気になったから声を掛けて見る


「お兄さん何か良いことあったの?」

「んっ?」


 男の人が僕を見る


「お兄さん嬉しそうだから何か良いことあったの?」

「あぁ、嬉しい事があったよ♪」


 男の人は少し酔ってるのか顔が赤い


「何があったの?」

「子供の頃からの夢が叶ったんだよ♪」

「そうなんだ!」

「本当に嬉しくてね♪お酒も美味しいし今日は最高だよ!」


 男の人は嬉しそうに杯を上に振った


 ゴトッ!


「んっ?」


 男の人の座っているイスから何かが倒れた


「………剣?あれ?これって騎士様の?」


 倒れた剣を拾ったらたまに村で見かける派遣された騎士達の持っている剣と同じ鞘をしていた


「おっと、ありがとう」

「お兄さん騎士様なの?」

「んっ?そうだよ、まあ今日は私用でこの村に来てたんだけどね」

「………………」

「どうしたんだい坊や?」


 騎士か………コネって訳じゃないけど顔を覚えてもらっておいても損はないかな?


「お兄さん!僕も騎士になりたいんだ!」

「おや?そうなのかい?」

「うん!身体も鍛えてるんだよ!」

「どれどれ?……………………」


 男の人の眼がさっきまでの酔った眼から真剣な眼になる


「…………確かに鍛えてるね……子供にしてはシッカリと………」

「うわ」


 男の人が僕を持ち上げて膝に乗せる


「坊や名前は?」

「マーティ!マーティ・ロキソン!」

「マーティはなんで騎士になりたいんだい?」

「強くなりたいから!」

「なんで強くなりたいんだい?」

「大事な人を守りたいから!」

「それはお母さんとかお父さん?」

「皆!」

「……………へぇ、いいね」


 男の人が笑う、馬鹿にする感じではなく、感心してるみたいだ


「マーティ、君が騎士になりたいのはお父さんやお母さんは知ってるの?」

「ううん、まだ話してない」

「………今マーティは何歳?」

「7歳!」

「何歳で騎士になりたいの?」

「10歳で試験に挑戦したい!」

「そうか、だったら今日にでもお父さんやお母さんに話した方がいいよ?」

「なんで?」

「騎士って言うのは危険が多い仕事なんだよ、君が挑む試験も死人が出る事があるくらいにね」

 死人出るんだ………

「自分の子供がそんな仕事をやりたいって言ったらお父さんもお母さんもとても心配するんだ………だから早いうちに話して認めて貰った方がいいよ………10歳で挑むなら尚更ね?」

「うん、わかった!」

「よし!じゃあ今から言ってくるんだ!」

「はい!」


 僕はお兄さんの膝から降りて走る


「あ!マーティ!待って!」


 その僕をネルが追いかける


 ・・・・・・・・・・


 ーーーー男性視点ーーーー


 マーティ・ロキソンか………


「7歳なのにしっかりしてますねぇ………」


 自分が7歳の時なんて剣をブンブン振り回してたかな


 コトッ


 私の目の前に魚料理が置かれる


「………頼んでいませんが?」

「マーティ達が釣った魚だ、二人とも出ていっちまったからな、お客さんにやるよ」

「そうですか、ではありがたく………」


 私は魚を頂く


「あ、美味しいですね!酒ともよく合う!」

「そうだろ?」


 店主はニヤリと笑うとカウンターに戻る


「……………ふむ」


 明日出発する前にもう一回マーティに会いますかね







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