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少年はただ幸せになりたい  作者: ファルコン
三度目の人生
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第44話 卒業試験・合流

 ーーーマーティ視点ーーー


「見つからないね」

「そうだね」


 あれからどれくらい時間が経ったのかな?

 太陽を見るとかなり動いてるみたいだから二時間か三時間は経ってるのかな?


「んっ?川だ」

 シャルルは目の前の川(海水)を見る


「シャルル?」

「マーティ、少し休憩しないかい?」


 シャルルの提案、まあずっと歩いていたし、モンスターとの戦闘も何回かあったし

 僕はまだ平気だけどシャルルは疲れたのかもしれない


「うん、いいよ」


 僕は川の近くに座る


「やった♪」


 シャルルはそう言うと靴を脱いで脚の装備も外す

 露わになるシャルルの両足

 シャルルは足を川につける


「ふぅ……」


 気持ち良さそうなシャルル


「マーティもやってみたらどう?冷たくて気持ちいいよ?」


 シャルルに誘われて僕もやってみる


「あ、本当だ冷たくて……うん」


 疲れは感じてなかったけど……熱を持った足が冷やされて癒されていくのを感じる


「皆、どこにいるのかな……」


 シャルルが呟く


「なかなか見つからないね、すれ違ってるのかも……」


 僕は川を見ながら言う


「もう殺られてるなんてことは無いよね?」


 不安そうなシャルル


「それはないよ、皆強いし……案外そこら辺に居るか……も……よ?」


 僕は和ませようと明るく言う

 うん、冗談のつもりだったんだ……そこら辺に居るって言ったのは


『…………』


 僕達の目の前で白いのが川を流れていく……

 あれは、女性用の下着だよね?


「っと!危ない危ない!」


 それを追いかけてリーデスが川の中を走って来て下着を回収した

 ……全裸で


「うん?マーティとシャルル?何してるんだい?こんなところで?」


 リーデスが僕達に気付く

 プルンと大きな山が揺れる

 少し下には鍛えられて引き締まった腹部

 そして更に下には森林が……


「ごふっ!」

「マーティ!?」


 僕はあまりの衝撃に鼻血を吹き出した

 いや隠そうよ!なんでそんな堂々としてるの!?


「なんだいなんだい?マーティは乙女の裸を見て興奮したのかい?」


「リーデス!!隠しなよ!」


 シャルルがリーデスに言う


 僕は鼻血が止まらない事に戸惑う


「別に隠す必要なんてないだろう?ここには子供と女しかいないんだから」


 僕は子供扱いか!!


「年齢的には子供でも意識するものだから!」


 シャルルが言う

 うん……去年くらいの君にも言ってよそれ


「全く仕方ないな」


 そう言って彼女は何かする


「ほら隠したから顔上げな!」

「リーデス!?」


 シャルルの驚きの声を聞きながら僕は顔を上げる


「…………」


 確かに隠してる

 葉っぱで3ヶ所隠してる……うん


「へ、変態だぁぁぁぁぁ!!」


 僕の叫びが響いたのだった


 ・・・・・・


 ーーースルト視点ーーー


「今のマーティの声か?」

「だにぇ」


 変態って……何があったんだ?


「まあ、後で聞くとして……本当にこっちの方にサハルが居るのか?」


 俺は先導するミストを見る


「間違いにゃい、罠は仕掛けが有るからにぇ」


 罠?有ったか?


「っと、ここら辺かにゃ……」


 すぅ、と息を吸い込むミスト


「おーい!サハルゥゥ!出てくるにゃぁぁぁぁ!!」


 叫ぶミスト

 俺は耳を塞ぐ


「ふぅ」


 ミストの声が止むのと同時に


「いきなり大声出さないでよミストちゃん」


 ガサガサと俺達の頭上から顔を出してきた


「うおっ!?」


 随分と器用な事をするな!?


「それで?なんでスルトちゃんと居るの?」


 スタッと地面に降りるサハル、警戒の色は無い


「それはだな……」


 俺はサハルに事情を話した


 ・・・・・・・


 ーーーマーティ視点ーーー



 リーデスが上流……でいいのかな?

 そこに向かって服を回収して着る


「成る程ね、皆で協力か……悪くない話だね」


 その間にシャルルがリーデスに現在の状況を説明した


 僕?僕は鼻血を止めるのに必死だったよ……


「そういうことならカリシスにも話さないとねぇ」

「カリシスも居るの?」

「二人で組んでいたのさ、女一人じゃ危ないだろう?」


 貴女は大丈夫だと思います。


「これで後わからないのはラルスさんとサハルとファランとミートルスか……」


 僕は見つかってない人達を数える……あと四人か


「それにしてもパリスも馬鹿だねぇ、そんな風に考えていたら何も信じられないだろうに」


「彼も混乱してるんですよ……多分」


 シャルルがフォローする


「リーデス!あれ?シャルルとマーティ?」


 そうしていたらカリシスと合流できた

 ……槍の先端にウルフの生首があるのは気にしない方が良いよね?


「ふんふん、へぇ、そんな事になってるんだぁ?」


 僕が生首を見ている間にシャルルとリーデスが話をしたようだ


「だったら早くその拠点に行かなきゃね!」


 カリシスはそう言うと少し離れた所に置いていた袋を取る


「それなに?」


 僕は聞く


「木の実とか山菜とか、いるでしょ?」


 食料だぁ!


 ・・・・・・・


 ーーーガルネク視点ーーー



「ほぉ、協力してサバイバル生活か!」


 ラルスが愉快そうに言う


「そういうことですけど……ラルスさんも一緒に」

「勿論、協力させてもらおう!」


 よし、戦力確保だ


「おーい!ガルっち!エルっち!ラルるん!大変だぁ!」


 ……ラルるん?

 気にするな俺……


「どうした?」


 俺がユルマリに聞くと


「ファランとミートルスが来たんだけどミートルスがボロボロなんだよ!」


「どこですか!」


 エルフィが聞いた瞬間に駆け寄ってきた


「こっち!」


 ユルマリが走る

 エルフィも追いかける


「ラルス!留守を任せた!」

「わかった!」


 俺も二人を追った



 少し走った先に四人が居た


「ファランさん!左足の傷を!胸の傷は私が!」

「わかりました!」

「うっ……」

「ミーは何したらいい?」

「ユルマリさんは薬草を額に塗って下さい!」


 ボロボロなミートルスに三人がそれぞれの方法で治療している


「俺も手伝おう」

 俺はミートルスの右腕にヒーリングをかける


「酷い傷です……何があったんですか?」

「大きなモンスターに襲われて……ミートルスは私を庇って……」


 ファランが泣きながら治療する


「大きなモンスター……」


 一瞬だけエルフィが森の方を見た


「マーティ君達……大丈夫でしょうか」


 そう呟いたのだった


 ・・・・・・


 ーーースルト視点ーーー


 サハルに説明をした


「へぇ~だったら合流した方がいいね」


 サハルは空を見る


「もうすぐ夕方になるからね、暗くなったら森の中は危険だよ」


「確かにな、そろそろ戻るか」


 ルークには会えなかったな……


 ・・・・・・・


 ーーーマーティ視点ーーー


「うわ、皆いる!?」


 リーデスとカリシスと合流して四人で拠点に戻ったらパリスとルーク以外の全員が揃っていた



「よぉ……」


 ガルネクが僕達に気付く……疲れきってる?


「皆揃ってるんだね?」

「あぁ、詳しい話は他の奴に聞け」


 そう言うとガルネクは眠り出した


「?」


 洞穴に入ると……


「ふん!ふん!ふん!」


 ラルスさんが大きな魚……鮫?を捌いていた

 その近くでミストが楽しそうに捌かれた身を分けていた


 洞穴の奥にはミートルスが眠っていた

 エルフィとファランが近くで座っている……二人も疲れきってる


「んっ?マーティ達も戻ったか」


 その三人の近くで食料の確認をしていたスルトが僕達に気付いた


「今戻ったよ、リーデスとカリシスも一緒」

「そうか、これで全員だな……2日で揃うのは嬉しい誤算だ」


 スルトはそう言うが元気は無い


「……ルークが心配?」

「……まあな」


 スルトは周りを見渡す

 そして少し考えてから


「ファラン!リーデス!サハル!ちょっと来い!」


 三人を呼んだ?


「なんだいスルト?」


 リーデスが聞く


「昨日から合流するまでに何があったか聞かせてもらえるか?」


 そう言って三人から話を聞く



 サハルは森の奥に転移したらしい

 取り敢えず周りの地形を把握してから罠を作り

 木の上で一晩過ごしたらしい


 リーデスはカリシスとすぐに合流できたから二人で一晩過ごしたそうだ


 ファランは森の中で大きな枯れ木を見つけたそうだ

 その枯れ木の空洞に隠れて周りを土魔法や氷魔法で補強して一晩過ごしたそうだ

 翌日、森の中を探索していたら大きなモンスター……特徴から僕とシャルルが見たモンスターみたい。それに襲われたそうだ

 必死に逃げていたらミートルスが現れてモンスターに一撃をお見舞いしてくれたそうだ

 しかし、モンスターは怯んだが反撃でミートルスをぶっ飛ばした

 そしてまた襲われると思っていたら興味を無くしたのか去っていったらしい


「…………」


 スルトは三人の話を黙って聞いた


「そうだな……ファラン、ミートルスはもう大丈夫なのか?」

「なんとか助かりました……エルフィやガルネクにユルマリの三人には感謝しかありません」

「そっか……まあ大事をとって暫くミートルスは拠点に待機だな」

 そう言ってリーデスを見る


「木の実関係が取れる場所とか覚えてるか?」

「問題ないね、山菜が採れる場所も覚えてるよ」

「なら明日は山菜の確保を任せる、エルフィとファラン以外の誰かを好きに連れていってくれ」

「あいよ」


 そしてサハルを見る


「サハル、あの足跡のモンスターとマーティ達が見たモンスター……ファラン達を襲ったモンスターは同じ個体で間違いないな?」

「だと思うけど?時間的にもおかしいところはないし……あんな大きいのが他にも居たら目立つからわかるわよ」


「そっか……」


 スルトは考える


「よし、俺とマーティとおっさんで森に入る、ルークとパリスの説得をしてみよう」


「僕とラルスさん?」

「マーティには周りの警戒を頼みたい、おっさんは巨大モンスターと遭遇した時の戦力だ……ミートルスで怯ませたのならおっさんなら退ける事は出来るかもしれない」


 倒せるって訳では無いんだね


「それと全員に言っておく、何か緊急事態が発生したら空に向けて火球(ファイアーボール)を撃て、それに気付いた奴が駆けつけて救援だ」


 緊急事態……巨大モンスターに遭遇した時とかだね

 ラルスさん以外は火球(ファイアーボール)を出せるからね

 ラルスさんは僕達と一緒だから必要ないと


 こうして僕達の明日の予定が決まった



 僕、スルト、ラルスさん

 ルークとパリスの説得


 リーデス、カリシス、ミスト、サハル

 食料調達


 ガルネク、ユルマリ

 地形把握


 エルフィ、ファラン

 ミートルスの看病


 ミートルス

 待機


 シャルル

 エルフィ達の護衛


 こんな風に決まった











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