表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少年はただ幸せになりたい  作者: ファルコン
三度目の人生
61/69

第41話 卒業試験・混乱

 僕は森の中を進む


 途中でウルフに襲われたりしたけど、三体程度なら僕一人でも倒せる


「誰もいないのかな?」


 森に転移されたのは僕だけ?

 ひょっとして皆は浜辺にいるのかな?


 キノコのモンスターが跳んできたのを僕は剣で斬り捨てる


「誰かぁ!いないのぉ!」


 流石に気分が滅入る


「……んっ?」


 水の音がする?


「川かな?」


 行ってみよう!

 こんな時の川はかなり重要な目印になるからね!


 ・・・・・・


 5分くらい歩いた先に川があった

 澄んでいる……飲めそうだ


「……しょっぱ!」


 これ海水!?


「上流の方が海と繋がってるのかな?……いやそもそもこの川が海の一部?」


 島の中に海の水が横切ってるのかな?


「うーん……皆を探すのと同時に島の地形を理解しないと……」


 安全な場所や食料が取れる場所

 モンスターが多い場所も把握しないと……下手したら死ぬ


「サバイバル生活をしろって事なのかな?」


 ゴルバ教官は個人で評価するって言ってた

 つまり一人で生き延びろって事なのかな?


 ……でもゴルバ教官だしなぁ

 入団試験の時も勘違いするように説明してたし


「……そう言えば個人で評価するとしか言ってないなぁ」


 誰かと組むのは駄目とか言ってなかった

 つまり組んでも良いんじゃないのかな?

 今までだって協力してきたのに、卒業試験だけは一人の力でなんて言うのは不自然に感じる



「うーん……」


 僕は思案しながら歩いていると


 バン!

 キュイン!


「うわぁ!?」


 僕の足下で何かが弾けた


「それ以上こっちに近付くな!」


 僕は前を見る

 そこには……


「パリス!!」


 同じ訓練生のパリスが立っていた

 ……僕に武器を向けた状態で


「えっ?なにしてるの!?」

「動くなマーティ!」


 パリスは武器を僕に向けたまま、周りを見渡す


「どうやらお前一人の様だな」


「僕は一人だよ!誰もいないから探していたんだ!会えて良かったよ!」

「近付くな!」


 バン!

 キュイン!


「うぉ!?」


 僕の足下がまた弾けた


「な、なんで撃つの!?」


 僕はパリスの武器を見る

 確か……銃っていう異国の武器をモデルに作った武器……

 パリスの魔力を弾として発射する武器で……威力はウルフの身体を貫通するくらい

 だから人間の身体も簡単に貫ける……とんでもない武器だ


「なんでだって?これが生き残りをかけた戦いだからだ!」

「どういうこと?」

「今まで試験を受けた先輩達は試験を受けた後は半分以下に人数を減らしていた、つまりその人数になるまで戦ったってことだ!」


 つまりパリスは卒業試験はバトルロワイアルだと!?


「ちょ!お、落ち着いてよ!」

「落ち着いている」


 こっちに銃を向けながら言わないで!?


「は、話し合おうよ!」


 撃たれたら避けれない!

 取り敢えず話し合いで解決を……


「断る!」


 無理でしたぁ!


 どうする?戦う?

 いや、この距離は圧倒的に僕が不利だ

 それに戦ったらもう説得なんて絶対に無理だ


「……」


 僕はチラリと横を見る

 森……大量の木……この中に入るしかない


「……」


 バン!

 キュイン!


 少し動くと足下を撃たれる

 凄く警戒されてる……迂闊には動けない……

 何か隙を作らないと……


「パリス!本当に卒業試験がバトルロワイアルだと思うの!?」

「それしか考えられないだろ!」

「皆で協力して生き抜くサバイバル生活とかは?」

「ゴルバ教官は個人を評価すると言っただろう!それに生き延びろとも!」


 だからバトルロワイアルだって?

 そう考えるのは早計じゃない?


 そう話していたら


「グルル!」


 パリスの後ろにウルフが二匹やってきた


「パリス後ろ!」

「!!」

「グルァァ!!」


 ウルフが襲いかかると同時にパリスは振り返る


 ドン!

 パン!


 パリスの魔力が一瞬でウルフ二匹の眉間を撃ち抜く


「今だ!」


 僕は森に向かって走る


「っち!」


 バン!

 キュイン!


 僕に向けて撃たれた魔力が木に当たる


 僕は全力で走ってそこから離れた


 ・・・・・・・

 

「ふぅ、これだけ走れば大丈夫かな?」


 周りには木しか見えない


「さて……どうするかな……」


 先ず、パリスがあそこに居たって事はやっぱり皆も僕みたいに転移させられている

 そしてパリスはバトルロワイアルだと考えて撃ってきた


「でもパリスもまだ悩んでる筈……」


 だって最初の射撃を僕の頭を撃てば良いのにパリスはそれをしなかった

 むしろ怪我をしないようにしてくれていた

 だからパリスも本当は戦いたくはないんだと思う


「他の皆は?」


 ふと思う

 バトルロワイアル……パリス以外にもそう考えた人はいるんじゃないだろうか?

 もしそいつが不意に襲ってきたら?

 今こうしてる間も誰かが殺られていたら?


「……はっ!違う違う!そんな考えは止めるんだ!」


 これじゃ僕もパリスと同じ風になっちゃう!

 よし、決めた!誰かに会ったら先ずはこっちから歩み寄ってみよう!

 その後の相手の反応で対応を決めよう!

 ……話し合いですめばいいんだけどね


「誰かと会わないと始まらないよね……」


 周りに気配は無いからもう少し歩くかな


 僕は森を歩く

 おっキノコ発見!

 果物も発見!取っとこ!


「きゃあぁぁぁぁぁぁ!!」


「!?」


 果物をもいでいたら悲鳴が聞こえた

 ……シャルルの声だ!!


「シャルル!!」


 僕は悲鳴が聞こえた方向に走った


 ・・・・・・



  「シャルル!!」


 僕は呼び掛ける


「……」


 返事はない


 まさか殺られたの?


「シャルル!どこ!!」


 僕は走りながら呼び掛ける


「……んっ?」


 ふと僕は立ち止まる


「……血の臭い」


 訓練生になってから何度も嗅いだ臭いだ

 鉄くさいというか……なんか不快な臭い


「こっち?」


 僕は臭いの方に歩く


 少し進むと……


「シャルル!」

「う……」


 シャルルを見つけた

 シャルルは血だらけで木に寄りかかっていた


「シャルル!」

「マー……ティ……」


 シャルルは僕に気付く

 とにかく止血しないと!


 僕は布を取り出してシャルルの腕や脚の出血が酷い場所に巻く


「何があったの?」

「……うっ……ルークに……やられてね……」

「ルークに!?」


 えっ?あの優しいルークに!?

 でもシャルルぐらい強い人をここまでボロボロに出来るのなんてルークくらいしかいない?

 でも……信じられないよ……あのルークが……


「シャルルさん!マーティ君!」

「エルフィ!!」


 エルフィが森の奥から駆け寄ってきた

 シャルルは気絶している


「エルフィ!シャルルが……」

「任せてください!」


 エルフィが『ヒーリング』をシャルルにかける

 少しずつシャルルの傷が治っていく


「マーティ!」

「スルト!」


 シャルルから少し遅れてスルトがやってきた


「エルフィは間に合ったみたいだな」

「エルフィと一緒にいたの?」

「近くに居たみたいでな、転移されてからすぐに合流できた……マーティ、シャルルの怪我は?」

「僕も詳しくは知らないよ……僕もシャルルの悲鳴が聞こえてここに来たんだ」

「シャルルは何か言ってなかったか?」

「……ルークにやられたって」

「……そうか」


 んっ?スルトは納得したみたいだ


「スルトはルークがやったって信じるの?」


 相棒なんだよね?


「アイツはいい奴だが精神的に弱いところがある、今回みたいにいきなり転移させられて散々な目にあったらこんな行動もするだろうな」

「そ、そうなの?」

「それともマーティはシャルルが嘘をついてると思うのか?」

「そんなわけないよ!シャルルはそんな嘘を言わない!」

「だったらやっぱりやったのはルークだ」


 淡々とスルトは言った


「でも……」

「詳しくはシャルルが目を覚ましてからにしようぜ」


 それもそうだね


 僕はエルフィとシャルルを見る

 シャルルの身体の傷は綺麗に癒えていた

 エルフィはシャルルを木にもたれさせる

 

「マーティ」

「何?」


 スルトが話しかけてきた


「お前はこの卒業試験をどう思う?」

「どういう意味?」


 僕は首をかしげる…


「卒業試験の合格基準はなんだと思ってるか聞いているんだ」

「うーん……やっぱりゴルバ教官が言ってたように生き残る事だと思うよ……結果はね」

「結果はって事はまだ思うところはあるんだな?」


 スルトが真剣な表情で聞いてくる

 僕がこれから言うことによっては敵になるぞって意思を感じる


「僕は生き残る事の過程が大事なんだと思うよ」


 パリスはバトルロワイアル……つまり個人の力で戦って生き残る事だと考えている……他の同期を倒してでも

 でも僕はそれは違うと思う


「スルト、僕はこの卒業試験を集団でのサバイバル生活だと思ってるよ、皆で協力する事が大事だと思う……じゃないと生き残れそうにない」

「…………」


 スルトは黙って僕の話を聞いている


「食料だって一人じゃなかなか集まらないだろうし……モンスターの集団に襲われたら助からない……だから、うん、やっぱり助け合いなんだよ……大事なのは」


 僕がそう言い終わると


「よし、なら大丈夫だな!」


 スルトは笑って僕の肩に手を置いた


「スルト?」

「俺もマーティとほぼ同じ考えだ、てなわけで俺も協力する」

「スルト……ありがとう!凄く心強いよ!」


 こうしてスルトが仲間になった




















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ