第33話 馬車の中
翌日
ゴトゴトと揺れを感じる馬車の中に僕はいた
はい、クエストです
サリーヌっていう町の警備をしてる兵士の代わりに2日程警備するクエスト
そんなクエストに挑むメンバーを紹介しよう!
先ずは僕!マーティ・ロキソン!
最近やっとチビと呼ばれなくなったよ!!
……いやそれでも相手を見上げることが多いけど…
次にレイス・カールル!
まあ相棒だからね!
最近は火の中級魔法を習得して、今は土と水の中級魔法を練習してるんだ!
次にエルフィーユ・マールス!
僕と同じ目線(身長)で話せる数少ない相手だよ!
いつの間にか雷の上級魔法を習得していてビックリしたよ!
次にさっきから僕をハグして撫で撫でしてる
ミスト・ワルツ!
何さっきから撫で撫でしてるの?てか胸が当たってるんだけど?
いやいや「にゃははは!」じゃないからね!?
更にサハル・ナユ!
なんで僕の目の前にお菓子を差し出してるのかな?
食いつかないよ?子供扱いしないで!?
そして更に二人追加で参加したんだ、今回のクエストにね
「うぷ……」
はい、さっきから乗り物酔いで真っ青な顔の
スルト・オックス!!
なんで乗り物苦手なのに乗ったの?それでクエスト挑めるの?大丈夫なの?
そして
「スルト、大丈夫?」
そんなスルトを介護してるルーク・ホリゾン
普段は仮面を外してるけど今回は仮面を付けてるね
なんでか聞いたら
「し、知らない人が多いから恥ずかしい……」
なんて言ってたよ!いい加減治そうよ!!
そんなメンバーでクエストに挑むよ!!
うん、なんか凄い不安なんだけど?
てかそろそろ助けてレイス!この二人
僕で遊んでるからね!?
「二人ともそれくらいにしてください」
「え~?」
「まだ愛で足りにゃい!」
「いや止めてよ?」
エルフィが二人を止めてくれた、助かった
「二人ともマーティを随分と可愛がるね?」
レイスが聞く
「え~?だって可愛いじゃない?弟みたいで」
とはサハル
「ペットみたいにゃもんだ!」
とはミスト
うん、子供扱いとペット扱い!
「二人とも失礼なんだけど?」
流石に怒るよ?
いや怒ってもあまり意味無さそうだけどね
「あ~ごめんごめん、でもマーティちゃんが可愛いと思ってるのはホントだからね?」
「そう?」
可愛いって言われてもな……
僕的にはカッコいいの方が嬉しいよ
……ネルに言われたいなぁ
「可愛いといえばルークの素顔を初めて見た時は驚いたにぇ!」
「えっ?僕?」
いきなり呼ばれて振り返るルーク
仮面の下はポカーンしてるんだろうなぁ
「あ、確かに!ルークちゃんの素顔も可愛いよね~なんで隠すんだろうね?」
そう言ってサハルがルークに近付く
「注目を……集めたくうぷ、ないんだとさ……はぁ」
横になりながらスルトが言った
まあ、あの顔なら皆見るよね
「ふーん?なんで見られたくないの?恥ずかしいから?」
サハルがルークに顔を近づける
近くない?近すぎない?
「……は、恥ずかしいからだよ」
ルークは身体をのけ反らせてサハルから顔を離す
「恥ずかしがらなくていいのに~私が恥ずかしくないようにしてあげようか?」
「け、結構です!」
良かった、サハルのターゲットが僕からルークに移った!
ごめんねルーク!暫く相手してあげてね!
「サハルは可愛いもにょに目がにゃいからにぇ」
ミストが小魚を囓りながら言う
……それ持ってきてたの?
「コホン、取り敢えずクエストの確認しときませんか?」
エルフィの一言でスルト以外のメンバーが座り直した
スルトは死にかけてた
・・・・・・
クエストの確認も終える頃に馬車が止まった
サリーヌに着いた訳ではないよ?
まだ時間がかかるけど、夜になって危ないからここで野宿するんだ
「近くに川が有るらしいよ?」
「水浴びします?」
「出発にゃ!」
レイスが川が有ることを言ったらエルフィが提案する
その提案を聞いたミストがサハルとエルフィを引っ張っていった……行動早いなぁ
「スルト生きてる?」
僕はスルトを見る
「だいぶ、楽になってきた……あー明日も馬車かよ……」
「帰りもあるからね?」
「うぁぁぁ……」
サリーヌに着いたら酔い止め買おうね
「……………」
「……………」
ルークとレイスが座って焚き火を見ながら黙っている
なんか喋ろうよ……ルークは仮面になんか影が出来たりして不気味なんだけど………
「っし!復活!」
スルトがグッ!とガッツポーズをする
「スルト……良かったよ」
ルークはチラリとスルトを見てから呟いた
「おう、心配かけたな!」
スルトがルークに言う
明日も心配かけることになると思うけどね
「さてと、女性陣は水浴びだっけ?」
スルトが周りを見渡す
僕達の他には御者の人しかいない
「そうだけど?」
レイスがスルトを見上げる
「よし、覗くか!」
なに言ってんの!?
「だ、駄目だよ!?」
とルーク
「何を考えてるんだい?」
とレイス
「スルト、止めときなよ」
と僕
「なんだよ!お前らは興味ないのか?エルフィはともかく……サハルやミストはデカいだろ?」
どことは言わない
わかるから言わない
「興味は………あるけど……」
っと黙りこむルーク
「僕はネル一筋だから!」
僕は胸を張る
「僕は興味ないかな……」
っとレイス
まあレイスは女性だからね
「なんだよお前ら……いいさ!俺一人で行く!!」
「えっ?ちょまっ!」
レイスが止めようとしたけど、レイスをすり抜けてスルトは走っていった
その後、水浴びを終えた女性陣は無事に戻ってきた
ミストがボコボコにされたスルトを引き摺りながら言った
「にゃわで縛ってうごけにゃくするにゃ!!」
ミストがぶちギレていた……
まあ覗きをしたスルトが悪いよね
こうして初日の移動を終えた
明日も頑張らないとね!!




