第1話 決意
「うーん………」
翌日、僕は鏡を見ながら考えていた
「あれは夢だったのかな?」
それにしては長い夢だった
そしてリアルな夢だった
「嫌な夢………」
そう考えていたら
「おっと!」
ドシン!
僕は後ろを見る
「あいたたた」
そこには父親であるロックが転けていた
「お父さん、腕は大丈夫?」
あれ?なんで僕は腕の事を聞いたんだ?普通に大丈夫って聞けばいいのに
「んっ?ああ、大丈夫!?」
ロックは左腕を押さえた
「マーティ……悪いが母さんを呼んできてくれるか?」
「はーい!!」
僕は母さんを呼びに行く……
そうだ、確か夢でもロックは転けていた
そして2日程左腕を痛めていたんだ
ゾクッ
僕の背中に悪寒が走る
「…………………」
考えたくない、いや偶然だ!
「まさかね」
僕はルーティにロックの事を話した
ルーティはロックの手当てをする
そしてロックは2日、左腕を痛めていた
「……………」
そして、僕は確信した
あれは夢じゃない
僕が経験したことだ
僕は戻ってきたんだ
15歳の山賊の襲撃から
3歳の今に!!
「…………………」
体が震える
このままだとまた山賊に殺られる
村の皆も
僕も
そして………ネルも!
「鍛えなきゃ………」
強くならないと……山賊を退治できるくらいに!!
でもどうやって?
山賊はいっぱいいた
20人?30人?いやもっとだ!
僕1人じゃ無理だ………
「どうする……どうする?」
誰かに話すか?
いや、信じてくれる訳がない
僕だってまだ自分を信じれてないんだ………
「うらぁ!」
窓の外で5歳のガルネクが暴れている
ガルネク?ああ、このときはガキ大将だったな
山賊の襲撃まで引きこもりになってたから久し振りに姿を見たよ
………んっ?ガルネク?
………………そういえば騎士になるとか言って
騎士?
「そうだ、騎士だ………」
僕は外に出て村の掲示板を見る
「騎士………」
掲示板には貼り紙がある
そのうち1枚を見る
ーーーーー騎士団募集ーーーーー
条件1 年齢10以上
条件2 挫けぬ意思を持つもの
条件3 市民を守る心を持つもの
王都にて試験を行う
腕に覚えのあるものはきたれり
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日付は今年のだが毎年新しいのに張り替えられている
10歳から試験を挑める
合格すれば3年間騎士学校で訓練を受けれる
訓練を終える頃には13歳
そこから更に仕事をして腕を磨けば………そして信用を稼いだ仲間を集めれば
「…………山賊に勝てる?」
簡単にはいかない
もし上手くいっても山賊に勝てるかもわからない
でも………なにもやらないよりは遥かにマシだ!
「やってやる………僕は騎士になる!!」
山賊どもを………皆殺しにしてやる!!
こうして僕のやることは決まった