第2話 探検だぁ!
季節は夏
僕は6歳になった
6歳となれば行動範囲は村の外まで広がる!
僕とネルとカーツは近くの森を探検していた
「ねぇカーツ!僕達は何処に向かってるの?」
僕は周りを見ながらカーツに聞く
「さぁ?適当だ!」
カーツが元気よく答える
えっ?適当なの!?
「ま、迷子にならない?」
ネルが不安そうに僕の手を握る
「迷子になったらカーツを置いていこうね!」
「そ、そうだね!」
「うぉい!?」
そんな風に話ながら僕達は森を歩く
見渡す限り木、木!木ぃ!!
「おっ!川だ!」
カーツが川に近付く
「あ、お魚!」
ネルが川の中を指差す
「本当だ!」
僕も川を覗く
「よっしゃ!泳ごうぜ!」
カーツが裸になって飛び込む
「いきなりだね!?」
「暑いからいいじゃん!」
バチャバチャと泳ぐカーツ
うーん……涼しそう
「僕も!」
涼みたいからね!泳ぐよ!
僕も服を脱いで飛び込む
「あぅ……」
ネルが戸惑う
女の子だからね、裸は恥ずかしいよね……
「えい!」
っと思ったらネルも服を脱いで飛び込んだ
……まあ仲間はずれになっちゃうもんね?
「あ、冷たくて気持ちいい……」
ネルは水を浴びる
「気持ちいいね!」
僕もそう言って魚を追う
あ、岩陰に入っちゃった……
「それ!!」
「わぷ!?」
「きゃあ!?」
カーツが僕とネルに水をかける
「やったなカーツ……ネル!!」
「うん!!……えい!」
「うぉ!?ちょ!同時はやめ……うわぁ!?」
僕とネルでカーツに水をかける
かけまくる、「ちょ!タンマタンマ!」とか言ってるけど無視してかけまくる
・・・・・・
思いっきり遊んだ後は川から出て身体を乾かす
汗を拭うために持ってきてたタオルで身体を拭く
「マーティ、ここ濡れてるよ?」
そう言ってネルが僕の背中を拭く
「あ、ありがとう、ってネルも髪がまだ濡れてるよ?」
振り返った僕はネルの頭をタオルで拭く
「ん~」
ネルは気持ち良さそうに目を細める
「二人とも準備できたか?」
服を着たカーツがきく
「あ、もうちょっと待って!」
「よいしょ!」
僕とネルは服を着る
・・・・・・
森の探検を再開する
「進め~進め~」
「どっこまでも~」
「ドンドン進め~」
3人で適当に歌いながら進む
「んっ?」
僕は木の向こうにあるものを発見する
「どうしたマーティ?」
カーツが僕を見る
「あれって洞窟?」
僕は指差す
「?………あ、そうだね」
ネルが僕の指の先を見て言う
「行ってみようぜ!」
カーツが洞窟に向かう
「あ、待ってよ!」
「カーツ!」
僕とネルもカーツを追う
洞窟があった
入り口から目を凝らすと奥の行き止まりが見える
あんまり深くはないみたい……洞窟っていうよりは洞穴かな?
「へぇ、結構広いな」
カーツが中に入って見渡す
行き止まりが見えるけど広さはある
大人が何人も入れるくらいだ
「日陰になってるから涼しいね」
ネルが中にある岩に座る
「………………」
カーツが何か考えている
「よし!ここを秘密基地にしよう!」
ポンっと手を叩いてカーツは言った
「秘密基地?」
僕は首をかしげる
「そう秘密基地!ここならガルネクとかに嫌がらせされないし、結構広いからいい感じだと思うぞ?」
秘密基地かぁ……いいね!ワクワクする!
「じゃあ私は捨てるつもりの布団とか持ってくるね!」
「そうだな!地面結構固いからな」
ネルもワクワクしてる
「僕は、鍬の棒とか持ってこようか?」
先端が取れて使えないのとかあるよ
「いいね!棒は何でも使えるからな!俺は箱とか持ってくる!」
箱!入れ物にもなるし椅子や机にも出来る!
「じゃあ今日は帰って、明日またここに来ようぜ!」
『おぉ~!!』
・・・・・・・
翌日
僕達の秘密基地が出来た
「よいしょ!どう?」
ネルが布を持ってきた、布団だと重たくて量も少なかったけど
これなら多目に持ってこれたらしい
僕達3人が寝れるくらいの広さはあるよ?
「よっと!どうよ!」
カーツは抱えていた木箱を床に置く
中には石が何個かと空き瓶が8本入ってた
「石と空き瓶?何するの?」
僕が聞くと
「焚き火用のかまどを作るのと、消火用の水を入れとく瓶!」
「焚き火?するの?」
ネルが聞く
「川で捕まえた魚を焼いて食べたりとかしたいからな!………俺だけ?」
「焼き魚!いいね!」
「楽しそう!」
僕とネルも同意する
「だろ?」
「あ、僕はこれを持ってきたんだけど……」
僕は棒を出す……3本だけだけど
「これなら1本は武器だな!いざというときに使える」
そう言って秘密基地の奥にカーツは棒を1本持っていった
「あ、これならここに……ほら!物干し竿!」
ネルも1本取り、秘密基地の中にある出っ張りに乗せた
あ、これで服とか干せるね!
「あと1本は?」
僕は手に握っている残りの棒を見る
「削ったりして釣竿作るか?」
カーツが言う
「折れない?」
僕が聞く
「曲がりそうにないな……」
カーツは残念そうだ
「森の中の木の実を落とすのに使えないかな?」
『それだ!』
ネルの発言で最後の棒の使い道も決まった
こうして僕達の秘密基地が完成したのだった