第20話 恋のキューピッド大作戦・迷走
と意気込んだものの
「どうやってくっつけるか……」
ガルネクの方がハリエルさんに興味無さそうだったんだよね……
先ずガルネクをその気にさせないと!
食堂
「ガルネク!」
「っち!」
人の顔を見ていきなり舌打ちはないんじゃない?
「さっきは大活躍だったね!」
「大したことじゃないだろ」
「皆拍手してたじゃないか!」
「んなこと知るか」
「ハリエルさんだってガルネクの事気にしてたよ?」
「ハリエルって誰だよ」
「君が助けたお姉さん♪」
「あっそ」
うーん……冷たい
ここはストレートに聞いてみるか
「ガルネクって彼女とか作らないの?」
「…………」
ギロリ
って感じ睨まれた
「な、なに?」
「お前は余裕だな」
「えっ?」
「………ちっ」
ガルネクは立ち上がって食堂を出ていった
・・・・・
「うーん……ダメか……」
部屋に戻って机に突っ伏す僕
「どうしたの?」
レイスが隣の椅子に座る
「うーん……ちょっとね……」
僕はレイスを見る
「うん?」
レイスは僕を見て首をかしげる
「………」
…………レイスに相談してみるかな
僕1人じゃ難しいし
「レイス、相談があるんだけどいいかな?」
「僕に出来ることなら喜んで相談にのるよ?」
レイス本当にいい奴だな
「ガルネクがいるよね?」
「ガルネクがどうしたんだい?」
「そのさ、ガルネクに惚れた人がいるんだ」
「へぇ、それでどうしたんだい?」
「ガルネクにアタックしてたけどガルネクは相手にしてなくてさ……僕は二人をくっつけたいんだけど」
「なんでマーティは二人をくっつけたいんだい?」
あ、うん、やっぱりそこ聞くよね
うーん……このままだとガルネクがラルスさんを襲うなんて言えないしな……
「いや~その女の人がいい人だからつい応援したくてね?」
「ふーん……」
レイスがジッと僕を見る
「………それで?僕は何をすればいいのかな?」
「協力してくれるの?」
「僕に出来ることならね」
そう言って微笑むレイス…僕が女の子だったら間違いなく惚れる爽やかスマイルだ
「ありがとう!レイス!」
「どういたしまして!」
・・・・・・
レイスにはガルネクの周りにガルネクの事を聞いてもらうことにした
僕はその間に
「………………」
「なんだよさっきから!」
ガルネクの観察だ
ガルネクは素振りをしていた
「別に気にしないでいいよ!」
「無理を言うな!」
ガルネクは素振りを止める
「どこいくの?」
「関係ないだろ!」
・・・・・・・・
「ついてくるな!」
「いいじゃん!」
「よくねえよ!」
・・・・・・
ガルネクに撒かれた……
「うーん逆効果か……」
出直そう
・・・・・・・
「やぁマーティ」
部屋に戻ると頭から湯気を上げているレイスが椅子に座っていた
「あれ?もう戻ってたの?」
「うん、結構聞けたよ、マーティが遅いからお風呂すませたよ」
「あ、うんごめん……それでどうだった?」
「えっと、取り敢えず3つ聞けたよ」
「3つ?聞かせて!」
「先ず1つめ、ガルネクはアップルパイが好き、食堂のおばさんが毎回注文するんだってさ」
「へぇ……あの時リンゴを買っていたのはアップルパイを作るつもりだったのかな?」
ガルネクが料理…………に、似合わない
「2つめ、この間のトロールの件からガルネクは余裕がないらしいよ」
「トロール?なんでガルネクが?」
トロールに関わったのは僕達だよね?
「マーティ、あのトロールと遭遇した日にね、僕達の所以外にもトロールが現れたらしいんだ、多分食料を求めて来たんだろうね」
「そうなの!?」
「全部で6体だって1体は僕達が、3体は遭遇した騎士達が倒したんだ」
「残りの2体は?」
「その2体は僕達と同じ訓練生が倒したんだって」
「そうなの!?誰?誰!?」
「1人はルークだよ、スルトが言うには瞬殺したらしいよ?」
ルークすげぇ………
「もう1人は………ラルスさんだよ」
「ラルスさんが?」
「見た人が言うには殴りあいをして勝ったらしいよ」
ラルスさん…あのマッスルは伊達じゃないんだね
「それで3つめが……その」
「どうしたの?」
「どうやらマーティの事でかなり凹んでるって」
「僕?」
「なんか愚痴ってるのを聞いたとか……」
「えぇ?僕の事で凹む?」
なにかやったっけ?
「取り敢えずこんな所かな?」
「うーん……取り敢えずガルネクは余裕がないって事はわかったよ」
「マーティ、その二人の事はもう関わらない方がいいんじゃないかな?変に干渉してもいい結果にはならなさそうだよ?」
「………うーん」
レイスの言うとおりかもしれない、僕が関わるとガルネクの機嫌が悪くなるし
「取り敢えずハリエルさんにガルネクがアップルパイが好きって事だけ教えとくよ」
「うん、それだけにしといた方がいいよ」
…………うーん…大丈夫かな?




