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少年はただ幸せになりたい  作者: ファルコン
三度目の人生
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第20話 恋のキューピッド大作戦・始動

 半年


 僕が訓練生になってから半年経った


 あのトロールとの戦いを経験して僕は更に強くなることを決意して訓練に励んだ


「筋肉の鍛え方なら私が教えようか?」


 ってラルスさんに誘われたけど

 教わったらなんかとんでもないことになる気がしたから丁重にお断りした


 まあそれでも色々試したりしてみて前よりは力はついた

 クエストもしっかり受けてポイントも1000を越えている


 このままいけば順調に2年生になれるはず


「うーん……」


 そんな僕だけど今悩んでいることがあった


「そろそろなんだよね……」


 訓練生になって半年……前回はそろそろガルネクがラルスさんを襲って返り討ちにあう筈


「てか本当にラルスさんなのかな?」


 あの人が女性だとは正直思えない……でもガルネクのパートナーはラルスさんだし


「うーん……何とかしないと……」


 理由やガルネクの趣味はどうあれ

 ガルネクには問題を起こさないでほしい

 というのも山賊との戦いではガルネクも戦力になってほしいからだ


「前回は引きこもりだったからなぁ……」


 そういえばあの時ガルネクはどうなったのだろう?

 村長の家も燃えてたのかな?

 まあそんなガルネクも今回は引きこもりにならずに騎士になれば立派な戦力だ


「その為にどうするか……」


 ガルネクに問題を起こさせなければいい


「でもその方法が……」


 浮かばない……

 いや一応浮かんでるのだけど……


「微妙だなぁ………」


「さっきから何を悩んでるんだい?」


 机に突っ伏してた僕にレイスが声をかけた


「いや別に……大丈夫だから」

「そうなのかい?何かあるんなら相談してよ?僕に出来ることなら手伝うから!」


 そう言ってレイスは部屋を出た


「うんわかった!」


 僕はレイスに答えてからまた考える


 ガルネクが問題を起こさない方法……


 1、ガルネクをボコボコにしてラルスさんを襲わないようにする


「別の意味で問題になるね……」


 2、ラルスさんにガルネクの良さを伝えて二人が恋人になるようにする


「………いや無理無理、現実的じゃない」


 3、ガルネクに恋人を作らせる


「あのガルネクに恋人ができるとは思えないな……」


 王都に来てからのガルネクは頑張ってるとは思うけど……昔を知ってるとどうもなぁ


「タイムリミットがいつなのかわからないのも厳しいな……」


 さて、どうしたものか………


「このまま考えててもいい案は浮かばないし、散歩でもするかな」


 僕は部屋を出た



 ・・・・・・・・・


「んっ?」

 

 王都を適当に散歩していたらなんか騒がしい


「おい、あれヤバくないか?」

「誰か止めろよ」


 なんなんだ?


「どうしたんですか?」

「なんだ子供が……って訓練生か!」

「ならちょうどいい!あれ止めてくれよ!」


 おじさん二人が指差す


「?」


 僕はおじさん達の間を通って前に出る


「放してください!」

「いいじゃねえかよ~」


 酔っぱらいが女の人に絡んでいた


「うわ、またこんな場面に遭遇するんだ……」


 前はレイスに会ったんだよね……


「いい加減にして!!」

「黙って来いよぉ!」


 っと、呆れてる場合じゃないや、止めないと


 僕が女の人を助けるために走りだそうとしたとき


 ヒュ!

 バキッ!


「いでぇ!?」


 リンゴが酔っぱらいに飛んでいった


「あ~?誰がやりやがった!」


 酔っぱらいは転がるリンゴを見て、自分が何をされたのか理解したのか周りを睨んで怒鳴る


「俺だよ」


 その声のした方を見る

 そこにはリンゴを袋に入れて持っているガルネクがいた

 買い物帰り?


「てめぇ何しやがるんだ!!いてえだろうが!」

「ぶつけたんだから当たり前だろ?」


 酔っぱらいがガルネクに迫る


「ふざけんじゃねえぞ!」

「ふざけてるのはお前だろうが!昼間から酔って暴れてるんじゃねえ!!」


 酔っぱらいがガルネクの襟を掴む


「このガキがぁ!!」

「そのガキに、説教されてんじゃねぇ!!」


 ドゴォ!


 ガルネクが酔っぱらいに頭突きする


「ぐぉ!」

「おいおっさん、とっとと失せるか…俺に殴られて気絶するか…選べ」


 顔を押さえる酔っぱらいにガルネクが言う


「大人を嘗めるんじゃねぇぇぇぇ!!」


 酔っぱらいが酒瓶でガルネクに殴りかかる


 バリン!

 

 瓶がガルネクの頭に当たる


「大人ならしっかりしろやぁぁぁぁ!!」


 ボキッ!!


 ガルネクは頭の怪我なんて気にせずに酔っぱらいに右の拳を叩き込んだ


「ぐぉ!?」


 ドサッ!


 酔っぱらいが倒れる

 僕は近づいてみる


「……気絶してるね」

「ふん!」


 ガルネクが歩き出す


「あ、あの!」


 女の人がガルネクを呼び止める


「あっ?なに?」


「た、助けてくれてありがとうございました!!」


 女の人が頭を下げる


「別に、さっさと帰れよ」

「あ、頭の怪我が…」

「こんなのなんでもねえよ」

「でも…」

「しつこい!」


 ガルネクはさっさと歩いていった


「ガルネク………」


 もう少し話してあげなよ


「………ねぇ、君」


「はい?」


 女の人が僕を見る


「あの人の知り合い?」

「えぇ、まあ訓練生の同期です」

「あの人の名前は?」

「ガルネクです」

「あの人の好物とかわかる?」

「いや知りませんよ?」

「あの人の好みの女の子は?」

「知るわけないでしょ!?えっ?お姉さんまさか………」

「ほ、惚れたわ!!」



 うそーん!?


 いや助けてもらったからあり得なくは……いやでもガルネクだよ!?

 あ、でも昔を知らない人なら可能性は………


 これは………ガルネクに問題を起こさせない作戦その3を実行するチャンスだ!!


「お姉さん、貴女の名前は?」

「私?ハリエルよ、ハリエル・サラン」

「ハリエルさんは普段何をしてます?お仕事とか」

「商店街のパン屋で働いてるわ」

「成る程………因みに確認のために聞きますけど……ガルネクに本当に惚れたんですか?」

「ええ!この胸の高鳴りは間違いないわ!!あぁ、ガルネク様……」


 …………よし、二人がくっつくようにしてみよう


 僕はこれから恋のキューピッドだ!!









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