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少年はただ幸せになりたい  作者: ファルコン
三度目の人生
21/69

第16話 座学『騎士の等級』

 翌日


「さて、今日はどうする?」


 食堂で朝食を食べ終える頃に紅茶を飲みながらレイスが言った


「そうですね、私は今日は座学を推奨します、騎士の等級についての説明が聞けるそうですし」


 エルフィが今日の座学の予定を書いている紙を見て言った


「僕も座学かな、モンスターの説明もあるし」


 エルフィの持ってた予定を見て僕も言う

 フルーヤ村にはモンスターは出なかったし

 戦ったことが無いから知った方がいいと思う


「そうだね、なら今日は座学を受けよう」


 レイスもそう言って紅茶を飲み干した



 ・・・・・・


 教室


 広さ的には60人は入れる教室

 長い机に等間隔で置かれた椅子

 その真ん中あたりに僕達は座った

 レイス・僕・エルフィの並びだ


「騎士の等級か……そういえば何となくで聞いてたけど十等騎士とか九等騎士とか言ってたね」

 僕が言う…確かゴルバ試験官は五等騎士だったよね?

「そうだね、簡単に言えば騎士の偉さや強さを示すのが等級だね」

 レイスが言う

「僕達は何等扱いかな?」

「私達は訓練生ですから十等以下でしょうね、詳しい説明は座学で聞きましょう」

 エルフィが言う


 そこに

「ちっ、お前らも受けるのか」

 ガルネクが僕らの前に引き摺られてきた

「ガルネクも受けるんだね」

 あ、ガルネクのパートナーを確認しないと!男装してるらしいからどんな人かな

「おや?君達も受けるんだね?」

 マッチョ………うん、いやガルネクを引き摺ってる時点で何となく察したけど………

「ラルスさん……ガルネクのパートナーはラルスさんですか?」

「?、そうだが?」

 どうしたの?って顔だ

 ………そうか、ラルスさん……女性だったのか……そう言えば髭とか生えてないよね

 てかこの筋肉とか凄いな、男装する為に鍛えたとか?これならガルネクを返り討ちにしたって話もよくわかるよ

 …………まさかラルスさんが………うん、見た目は完璧に男性だよ

「凄いですね」

「えっ?」

 僕の呟きに首をかしげるラルスさん………うーん男性にしか見えない……


「はい、皆席についてます?」


 話していたら教官が入室してきた

 ラルスさんとガルネクが椅子に座る………ラルスさんの椅子がミシミシいってるけど大丈夫だよね?


 ・・・・・・・


「はい、今回の等級の説明を担当するリードュ五等騎士です、リードュ教官とでも呼んでください」


 リードュ教官が黒板にチョークで文字を書いていく


「先ず簡単に等級を書いていきますはい」

 そう言って書いていく


 十等騎士

 九等騎士

 八等騎士


 七等騎士

 六等騎士

 五等騎士

 四等騎士


 三等騎士

 二等騎士

 一等騎士


「はいこのように十等から一等までの等級があります

 十等から八等は下級騎士

 七等から四等は中級騎士

 三等から一等は上級騎士とも呼ばれますので覚えておいてください」


 へぇ…てことはゴルバ試験官とかは中級騎士なんだ


「それではこの等級ですが、君達も訓練生を卒業して騎士になれば十等騎士としての等級が与えられます、騎士となった後も基本的には訓練生時代とあまり変わらないですがね

 というのも我々騎士も本拠地にあるクエストボードにあるクエストから仕事を受けてます

 はい、今、傭兵ギルドとどう違うんだって思った人いるでしょ?

 傭兵ギルドもクエストを受けて報酬を受け取りますが騎士は更に特典があります」


 特典?


「先ず毎月一定の給金が貰えます、これは等級によって金額は変わりますがね、下級騎士の給金は本当に微々たるものですので皆さんもしっかりとクエストを受けましょう」


 給金か………貰えるだけいいよね?


「だからと言って働かなくてもいいって事はありません、2年毎に定期検査があります」


 定期検査?


「これは対象の騎士がその等級に相応しいかどうかを調べます、しっかりと結果を残していれば相応しい等級に昇級します、逆になにもしていない場合は相応しくないと判断され降級されます………」


 リードュ教官が黒板に文字を書く


「そしてこの定期検査が終わった時に十等騎士のままだった騎士、もしくは降級した騎士は除隊処分となります、ですので皆さんも最低でも九等騎士を目指してください」


 十等騎士はクビ候補って事か………


「さて、昇級の方法はさっきも言った定期検査での昇級もありますが、基本的にはクエストをこなして実績を上げる事で昇級が可能です」


 リードュ教官が黒板に書く


『クエストをこなす』

『定期検査で結果を残す』

『国からの勅命をこなす』


「これが主になりますね、国からの勅命は滅多にありませんが成功すればかなりの評価になります」


 勅命………つまりそれだけ責任重大って事だよね


「うーん一通りの説明はこれくらいですかね………何か質問はありますか?」


 リードュ教官が僕達を見る


「あの………」


 レイスが手を挙げた


「えっと君は?」

「レイス・カールルです」

「ではレイス君、何かな?」


 レイスは立ち上がる


「特級騎士……零騎士(ぜろきし)の説明はされないのですか?」


 レイスがそう言った瞬間


「はぁ?」


 リードュ教官の目付きが鋭くなった


「あー零騎士は化物みたいな連中です、普通はなれませんので説明の必要はないでしょう」

「しかし」

「それとも、レイス君?君は零騎士になれるとでも思っているのかい?」

 リードュ教官が近付いてくる

「レイス君、レイス・カールル…試験の時にゴルバに勝ったらしいけど、まさかその程度で調子にのっちゃった?自分なら零騎士になれると思っちゃった?」

 リードュ教官の口調が荒くなる

「いえ、そのような思い上がりは…」

「してない?ならこんな質問しないよね?」

「そんな!」

「あ、あの!」

 僕は声をあげる

「………なんだい?」

 リードュ教官が僕を見る

「そ、その、レイスはそんなつもりじゃなくてただ知りたいから聞いただけだと思います!」

「……………」

 リードュ教官が僕をじっと見てくる

「君は?」

「マーティ・ロキソンです……」

「へぇ、君が例の…」

 ……例の?

「はぁ、まあいいでしょう」

 リードュ教官が前に戻る

「二人とも座りなさい」

『はい!』

 僕とレイスは座る

「ありがとうマーティ」

 小声で言うレイス

「いいよ」

 

「さて、零騎士ですか………さっきも言いましたが彼らは化物です、一人で一万人に匹敵するとも言われています、現在は四人しか存在しませんが、はっきり言いましょう、君達の世代でも零騎士は増えないでしょう、良くて三等騎士になれそうなのが一人いるくらいでしょうね」

 ちらりとリードュ教官がとある人物を見る

 教室の隅っこ


「………」

 その視線の先にはルークが居た


「さて、もうすぐ時間ですし私も機嫌が良くないので座学はここまでにしましょう………最後にレイス・カールル」

「は、はい!」

「零騎士の話題は出さないように、私もですが不快に思う騎士は多いので、いいですね?」

「……申し訳ありません」

「では座学を終わります」


 そう言ってリードュ教官は教室を出ていった


「………し、失言だった」

「だ、大丈夫?」

「だ、だ、大丈夫だよ……うん、大丈夫」


 レイスは少し震えていた……うん怖かったもんね


「よしよし」


 取り敢えず僕はレイスの頭を撫でておくことにした


「……すまない」


 あ、これかなり凹んでるやつだよ……だ、大丈夫かな?








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