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少年はただ幸せになりたい  作者: ファルコン
三度目の人生
17/69

第13話 結果発表

 最初の集合場所に全員が集まる


 これから結果を発表するらしい


「全員よく試験を終わらせた!死人が出なかったのは珍しいことだ!」


 ゴルバ試験官が言った


「……………」

「マーティ」

「マーティ……」

「ぐす、マーティ君………ごめんなさい」

「坊や………」

 レイスとガルネクとエルフィーユとラルスさんが僕を見る………大丈夫だよ、残念だったけど後悔はしてない

 取り敢えず山賊をどうするか考えないと………


「今回の合格者は54人中53人だ!不合格は1人か、今回の新人は優秀だな!」


 はい、唯一の不合格です………


「それでは合格者は名前を呼ぶ!呼ばれた者は前に出ろ!訓練生の証を渡す!」


 うーわ不合格の僕に対する公開処刑だよ


「先ずはレイス・カールル」

「は、はい!」

 レイスが前に出る

「受けとれ!」

 レイスが証のバッチを受け取る

「あ、ありがとうございます………」


 レイスが戻ってくる


「次はエルフィーユ・マールス!」

「……………」

「エルフィーユ・マールス!!」

「………はい」


 エルフィーユが、前に出る

「受けとれ!」

「…………う、受け取れません!」


 ざわっ!


「エルフィーユ?」

 なんで受け取らないの?


「なんのつもりだ?」

「だって、私のせいでマーティ君が……それなのに私が合格なんて」

 僕は気にしてないよ!?

「………受けとれ!」

「い、嫌です!私ではなくマーティ君に…」

「マーティ・ロキソンが自分の意思でやったことだ!」

「しかし!」

「いいから受けとれ!返却するのは発表が終わってからだ!!」

「っ!」

 ゴルバ試験官が無理矢理エルフィーユにバッチを渡した



 それから次々と呼ばれていく

 ガルネクもラルスさんも受け取る


「二人ともおめでとう♪」

「あ、ああ………」

「うむ………」

 あれ?浮かない顔だぞ?


 エルフィーユはまた泣いてるし………


「ルーク・ホリゾン!」

「………はい」


 えっとルークで52人目だね

 さて次で最後か、取り敢えず発表が終わったら傭兵とか調べよう………村にもすぐに帰らないと……


「最後に……………」


「うーん………」

 傭兵かぁ、王都に一緒に来たお姉さんなら話をきいてくれるかな?


「マーティ・ロキソン!!」


 いやまだ王都にいるかもわからないし………もし居なかったら……


「マーティ・ロキソン!!」


「………んっ?えっ?」


「どうした!マーティ・ロキソン!速く前に出ないか!!」


「は、はい!?」


 えっ?僕?間違いないの

 僕は前に出る


「えっ?あの?えっ?」

「どうした?」

「えっ?僕、合格なんですか?」

「名前を呼んだんだからわかるだろう?」

「本当に僕が合格なんですか!?」

「しつこいぞ!ほら受けとれ!」

 ゴルバ試験官が僕にバッチを渡した


「えっ?えっ?」

 僕はまだ混乱してる

 皆を見ると皆もビックリしている

 あれ?じゃあ誰が不合格なの?


「どういうことだ!?」


 そう叫んで男が前に出てきた


「なんだシール・ハーレン?貴様は呼ばれていないだろ?」

「なぜそいつが合格なんだ!?そいつは魔法と戦闘の試験でE判定だったんだぞ!!」

「それはこのマーティ・ロキソンが体力試験でS判定を取ったからだが?」

「S判定はあの筋肉達磨だろうが!!」

 シールがラルスさんを指差す

「筋肉達磨………」

 あ、ラルスさん傷付いてる


「なぜラルス・ペルンがS判定なんだ?」

「1番最初に登りきったからだろうが!!」

「…………?お前は何を言っているんだ?」

「だから!1番に登りきった奴がS判定だろうが!!」

 だよね?僕もそう思うけど


「誰が1番最初に登りきった者がS判定だと言ったんだ?」

「はぁ!?あんたが言ったんだろうが!?」

「私は登りきった5人をA判定にすると言ったんだが?」

「だから1番最初に登りきった奴がS判定に!」

「お前は勘違いをしているな……まあちょうどいい少し説明するか」


 ゴルバ試験官が皆を見ながら言う


「諸君!諸君は今回の3つの試験にあるもう1つの意味に気付いていたか?」


「もう1つの?」

「意味?」


 誰かが呟いた


「先ずは魔力試験!あれは魔法の精度を調べると同時に魔法に対する理解を調べていた!

 次に戦闘試験!あれは諸君の実力と己の力量を理解しているかを試していた!

 最後に体力試験!諸君!体力試験の時に君達の隣に居たのはなんだ?」


「競争相手だろうが!」

 シールが答える


「違うな!諸君の隣に居たのは同じ試験に挑む仲間だ!!行軍などでは崖を登ることもある、あの試験では素早く登る体力を調べると同時に仲間との協調性を試していたのだ!」


 協調性……


「諸君は行軍をしているときに自分だけさっさと登るか?そうして仲間を置いていくのか?」

『……………』


「マーティ・ロキソンは仲間を助け、背負いながら驚きの速さで登りきった!これでも彼のS判定に不服か?」


「ぐぅ!」


 シールが悔しそうにしている


「だ、だがなんで俺が不合格なんだ!!俺は魔法と戦闘試験でA判定だったんだ!!」


「………シール・ハーレン、貴様、魔法試験の直前に魔増薬(まぞうやく)を飲んだな?」

「!?」

「魔増薬?」

「一時的に魔力を増やす薬だ、シール・ハーレン、貴様がそれを飲んだのは確認済みだぞ、よって魔法試験は不正判定とした無効だ」

「ぐぅ!」

「更に貴様は戦闘試験の時にマーティ・ロキソンの妨害をしたな!」

「えっ!?」

「なっ!?」

「バレないと思っていたのか?貴様は我々を見くびっていたな!」

 ゴルバ試験官がシールに詰め寄る


「他者に対する妨害も不正判定だ!よってこれも無効だ」

「ぐ、ぐぐ………」

「そして体力試験は貴様はエルフィーユ・マールスを故意に落としたな、これも不正判定だ………さて?今回の貴様の試験結果は理解できたな?」

「ぐっ!うう、お、俺はハーレン家の人間だぞ!こんなこと許されるか!!」

「生憎だがシール・ハーレン、例え貴族だろうが騎士団では関係ない、それどころか貴様の家を潰すことも出来るんだが?」

「!?」

「さあ選べシール・ハーレン!ここで暴れて家ごと潰されるか………この場から去るか!!」

「ち、ちくしょぉぉぉぉぉぉぉ!!」


 シールが走っていった


「……………」


「さて、邪魔が入ったな、マーティ・ロキソン、戻れ」

「はい!」

 僕は皆の所に戻る


「諸君!1週間後の明朝に再びこの場に集合せよ!その時に諸君が暮らす寮の鍵と使用する装備を渡す!そして訓練生としての説明もする!遅れるなよ!!」


『はい!!』


「解散!」


 ・・・・・・


「マーティ!」

「マーティ!!」

「マーティ君!」

「坊や!」


「皆………」


 僕はバッチを見る


「やったよ、合格したよ!」

「よ、よかったよマーティくーん!!」

 エルフィーユが抱き付く

「ほっとしたよ」

 レイスが言う

「村に帰る機会を逃したな」

 ガルネクが言う

「これからもよろしくな」

 ラルスさんが僕の頭を撫でる



 こうして僕の試験は終わった


 後で手紙を書かないと!!






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