第10話 試験だよ!全員集合!
翌日
僕は騎士団の本拠地に来ていた
「………わぉ」
周りには僕と同じ様に試験を受けに来た人達
大人や同年代の姿が確認できる
「あ、ガルネク」
「マーティか」
ガルネクもちゃんと来ていた、遅刻してなくてよかったね!
「おや?君は昨日の?」
ガルネクと軽く話していたら声をかけられた
「んっ?あっ!」
振り返ると昨日助けてくれた銀髪の少年が居た
「昨日は助けてくれてありがとう!」
「いや、当たり前の事をしただけだよ?それを言うために来てくれたのかい?」
「えっ?違うよ?僕も騎士団の試験を受けるんだ♪」
「…………えっ?」
少年がキョトンとする
「……えっと」
「マーティだよ、マーティ・ロキソン」
「よろしくマーティ、僕はレイス、レイス・カールル」
銀髪の少年、レイスと握手をする
「えっとマーティは何歳かな?」
「10歳!」
「そうか、ごめん、7歳くらいだと思ってたよ」
「そんなに子供っぽい?」
僕はガルネクを見る
「まあ………チビだな」
「………そっかぁ………いやこれから伸びるからね?」
前回は15歳の時には結構伸びてたし!
「それに僕より小さい子もいるからね!ほらあの子とか!」
僕は指を差す
そこにはいかにも魔法使いですって格好をしたピンクの髪の女の子が居た
「確かに小さいな」
ガルネクが同意する
「いや、あの子はエルフみたいだから見た目より年をとってるかもしれないよ?」
レイスが言う
「えっ?そうなの?」
僕がレイスに聞く
「ほら、あの子の耳、少し尖ってるだろ?あれはエルフ族の特徴だよ」
「へぇ~」
僕は女の子を見る………あ、本当に耳が尖ってる
んっ?女の子がこっちを見てる?
あっ!こっちに来た
「あの、さっきからこっちを見てますけど何かおかしいですか?」
女の子が不安そうに聞く
「あ、ごめんね、エルフの子が珍しいからつい見てしまったんだ」
レイスが笑顔で言う
「そ、そうですか………」
エルフの子が頬を照れくさそうに掻く
「はじめまして!僕はマーティ!マーティ・ロキソンだよ!君は?」
「私はエルフィーユ、エルフィーユ・マールスと言います、見た目は幼いですが50年は生きてますので皆さんよりはお姉さんですね!」
エルフィーユはそう言って無い胸を張る
「僕はレイス・カールル、よろしくねエルフィーユさん」
「………ガルネクだ、ガルネク・ドーン」
ガルネクのファミリネーム初めて聞いた
「マーティ君にレイス君にガルネク君ですね、試験、頑張りましょう」
ペコリと会釈をしてエルフィーユは僕達から離れた
「礼儀正しい子だね、好感が持てるよ」
レイスが言う
「惚れたの?」
僕が言う
「いや別に?」
何をいってるんだって眼をされた
「てめえら!?」
「!?」
「んっ?」
「なんだ?」
僕達に向けられた怒鳴り声
「………あ、昨日の」
「ハーレン家の人だったかな?」
声の方に振り向いたら昨日レイスに撃退された男の人が居た
「まさかお前らも来てるとはな………」
男の人が近付いてくる
「ここであったのも神の導きか!昨日の雪辱をはらしてやる!」
男の人が剣を抜こうとする
レイスも剣に手をかける
そこに
「元気なのはいいが時と場合は考えるべきではないか?」
男の人と僕たちの間にマッチョが入ってきた
「なんだデカブツ!」
「少年、ここはどこかわかっているのか?」
「あ?騎士団の拠点だろうが?」
「そうだ、そんなところで君は揉め事を起こすのか?周囲を見たまえ、警戒されているぞ?」
僕は周りを見ている
殆んどの人がこっちを見ている……わぁ注目されてる!
「………ちっ!」
男の人は舌打ちするとどっかに行った
「やれやれ」
「助かりました」
レイスがマッチョにお礼を言う
「いや構わんよ、おや?」
マッチョが僕を見る
「お兄さんの付き添いかな坊や?」
「…………僕も試験を受けるんですけど…」
「!?」
そんなに僕って子供っぽい!?
マッチョはラルス・ペルンさんと言う人らしい
軽く雑談をしていたら
「全員集合!!」
試験官が来た
・・・・・・
騎士団の本拠地の一室
そこには4人の騎士が居た
「今年も新人の時期か」
騎士の1人が窓から外を見て呟く
「何人合格すると思う?」
1人が書類を見ながら言う
「試験を受けるのは54人…………半分は残ればいいほう」
紅一点、4人の中で唯一女性の騎士がそう言った
「死人がでないと良いのですがね………」
コーヒーを飲んで応募用紙を見ていた騎士が呟く
「……おや?………おお!来ましたか!!」
その騎士が応募用紙の1枚を取り出して喜ぶ
「どうしたの?」
女性が聞く
「以前話した子が来てるんですよ!!」
「フルーヤ村の?」
「はい!」
応募用紙を手に持ったままその騎士は窓に近付く
「応援してますよ、マーティ!」
そう言って騎士……ナイラスは笑った
キャラ設定
レイス・カールル
13歳の受験生、短く切った銀髪、整った顔が特徴
エルフィーユ・マールス
53歳のエルフの女性
マーティよりも幼い見た目である
ラルス・ペルン
25歳のマッチョ
見た目に反して結構紳士的な性格