1話 ステータスを確認しよう
不定期です。早めに投稿するので、これからもよろしくお願いします。
さて、一通り慌てたところで、現状確認しよう。まず、俺の名前は、五条 憂人。どこにでもいる中学生だ。
たしか俺は車に轢かれたはずなんだが……。ご覧の通りピンピンしている。アスファルトはなく、あたりが森や草原があるので、どう考えても日本じゃない。重傷者をこんなところに置いていくわけがない。じゃあここはどこなんだ?とりあえず、情報収集のために、
「誰かいないか〜!」
と叫んでみる。するとそれに合わせたように『ピコン』という音がした。
「えっ!」
慌てて音が出ている体を向ける。すると、目の前に「メールだよ☆」と書かれた紙が、一枚空から降ってきた。慌ててそれをとって中を見ると、こう書かれていた。
『ユウト=ゴジョーへ
私、女神のフレイアってゆうの。レイちゃんって呼んでね!あ、そうそう君は一回死んでるんだ〜。でねでね、女の子を守って死んじゃったから、かわいそーだなーとおもって生と死を司る私が転生させたってわけ。
で、ここは、アルカディアっていう世界なんだけど、剣や魔法が使える、まさにRPGってかんじの世界だよ☆
何もなしだと生きられないからスキルと称号を一つずつあげるわ。ステータス画面を見ればわかるから。
ステータスって言えばステータスが見えるよ。言語についても一緒にしておいたから。…………最後に、君を異世界転生させた時、子供の姿になっちゃたんだ。あと、運命が書き換わって、君に悲劇が起こるかもしれない。もしそうなったとしても、めげないでね。じゃあね〜☆
女神フレイちゃんより☆』
「……………うぜぇー!!なに? 子供の姿になるって? あ、ほんとだ。小4ぐらいかな。ってそうじゃない。
ステータス?何これ? 言えばいいの?これで出なかったら、超恥ずかしいぞ……………《ステータス》ッ!」
すると、ポンッと音がして、
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ステータス
ユウト=ゴジョー 10歳
レベル 1
HP 25
MP 13
TR 7
DEX 6
AGI 8
INT 9
HIS 6
LUK 7
【スキル】
《農業士》
・鑑定(レベル1)
・大地魔法(レベル1)
・水流魔法(レベル1)
・作物成長補正
・農作業効率化
【称号】
《 転生した農業士》
・フレイアの加護により、スキル【農業士】の効果が1.2倍
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「おお、でた! これがステータスか?」
金色の板が目の前にでできた。それには、ステータスが刻まれており、いろいろな数値が書いてあった。
「HPとMPは体力と魔力だろうな。他のはどんな意味だ?」
と呟くと、
「ぬおっ!ちょっとだるくなったような……。あっ!」
頭の中でいきなり、
TR=力
DEX=器用さ
AGI=敏捷性
INT=知力
LUK=幸運
と浮かび上がってきた。
「これは……鑑定? 知りたい情報をある程度知ることができる能力か?」
何があったのかはまだわからないが、一通りのことはなんとなく理解した。地球で死んだが、かわいそうだったので転生させた、ということだろう。顔がどうなっているかはわからないが前と違うことが分かる。
転生させたことで、年齢も若返ったのかな?ただ、一つだけ分からないことがある。
「なんで女神からもらったスキルが全部農業系なんだよ!!」
ありえないだろっ!? チートじゃねーの!? 二度目の人生は農業して暮らせってことなの!?
どうせ魔物もいるんだろ?生き残れるわけねーじゃん!農業したことねーぞ!?生き返らせてくれたのはいいけど、適当にすんなよ!と、俺がもがいていると、後ろから
「………小僧……頭大丈夫か?」
と声がした。うしろを振り向くと、いかにも魔術師といったローブを被ったおじいさんがいた。
これが俺の師匠となる、バルト=ヴェロムとの出会いだった。