プロローグ
まず、「はじめに農業スキルが最強だった件」に興味を持っていただきありがとうございます。初投稿なので、コメントなどを通じて、いいところ、悪いところを指摘してくださると、ありがたいです。これからもよろしくお願いします。
ーーー異世界転生。男なら誰でも一度は夢に見るだろう。だが、やがて気づくのだ。全て妄想の類だと。結局は、全て夢なのだと。だからこそ、理解できない。
「………ここ、どこ?」
目の前に広がるこの光景が。だってそうだろう? あたりに広がる広大な大地。そして、後ろには何世紀前の家だよ!と、ツッコミたくなるような家で構成された村。…………つまり、異世界だった。
「どうしてこうなった………。」
事は1日前に遡る……。
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「ふぁーーー」
おっと、あくびが出てしまった。申し遅れました、わたくし五条 憂人と申します。と、自己紹介したところで、俺がどうしてこうなったか前世のあらすじを、説明しよう。え、唐突って?気にすんな。さて、俺は桜野中学校に通っている。いつもの通学路。2つ目の曲がり道を曲がるとそいつがいた。
「おーい!!」
こいつは、天城 美穂。黒で長髪、笑顔が素敵な同級生。その可愛さで、校内では、1、2 人気者だ。俺といつも一緒に通っている。別に好きというわけでもないが、よく言えば幼馴染、悪く言えば腐れ縁、そんな関係だ。
「どうしたの?ボーっとして。」
「ああ、なんでもない。 じゃあ、行くか。」
そんな美少女が、なんで俺にこんなべったりなのか、さっぱりわからん。昔は、あれ?もしかして俺のこと好きなんじゃね? とか思ってたが、今はそんな夢は見ていない。厨二病という名の黒歴史も遠い過去の話だ。
「信号、もう青だよ。」
「ああ。」
「優くん、宿題やった?」
そんなたわいのない話をしながら横断道路を歩いて行く。
「宿題ってなにが『ギギィーーー!!』 ん?」
左を見ると青信号を無視して走ってくる車が、猛スピードでこちらに向かってきている。
その車の進む先には、天城がいるが、当の天城はとっさのことで動けない。あと数秒であたるというところで俺の体は動きはじめる。
「天城いぃぃぃぃっ!!」
届く限りてを伸ばし天城の腕を掴む。そして、そのまま思いっきり引っ張り、入れ替わるように前に出た。
そのあと急いで避けようと試みるも、残された時間は少なくーーーーあっけなく轢かれた。
「優くん……う……嘘だよね………。ゆ、優くん……ねえ………優くんっ!! 」
「う………あ…………?」
「っ! 優くん!! 傷が………」
目を開けると、俺は天城の手で傷を抑えられていた。俺を轢いた車は何処へ行っており、当て逃げだったらしい。天城はもう泣きそうだった。いや、もう泣いていた。
自分の腹を見ると、ドクドクと血が流れ出しており、もう長くは生きられないことが素人が見てもよく分かった。
「あ………天城……悪りぃ……。死ぬかも………ゲホッ。」
「そんな……いやだ………いやだよ………私のせいで……優くんっ!!」
「お前………のせい……じゃねぇ………よ。」
天城の顔はもうぐしょぐしょだった。お前のせいじゃないと何度も言っているのに、自分のせいだ、と言っているので、
「じゃあ……今度………は、おま……えが……助け……て………くれ」
と言ってやった。天城はぐしょぐしょな顔で
「ゔん……約束する………」
もう次がないことくらいわかっているのに、しっかり約束してくれた。
「それ……じゃ……な……バイバイ。」
「待ってっ! 私、あなたのことがーーーーーーー」
徐々に視界が閉じていく。体が重くなっていく。ああ、これが死ぬってことか。もう何も感じない。そのままゆっくりと、意識がーーーーーーー無くならなかった。
…………………あれっ!? なんで!? それどころか戻っていくような…………。そして、視界が開けた。
そして冒頭のシーンに戻るというわけだ。…………………。もう一度言おう。
「どうしてこうなった!?」