第2話
どれくらいの時間が過ぎたのかわかりません。
わたしはずっとそうしてひとりぼっちのままで小さく丸くなってじっといました。
暗い不思議な森の中は寒かったのですけど、わたしは赤色のコートを着ていました。その赤いコートのおかげでなんとか寒さをしのぐことはできました。(それでも寒かったのですけど、凍えてしまったりはしませんでした)
でもおなかが減ってきました。(ぐーとわたしのおなかは鳴っていました)
いつまでもここでこうしているわけにはいきませんでした。
わたしはもう一度歩こうと思いました。右足は痛いけど、なんとかかたっぽの足だけでも歩いてどこまでかわからないけど、行けるところまで歩いて行こうと思いました。
そうしてわたしは目を開けて、顔を上げて薄暗い不思議な森を見ました。
すると遠くにぼんやりと小さな明るい光が灯っている風景が見えました。
座り込んで目をつぶる前には、あんなところに明るい光はありませんでした。
小さな明るい光はだんだんと大きくなっていきました。
こっちに近づいてきているみたいでした。
すると少しして、小さな明るい光が小さな炎の明かりであることがわかりました。
ぼんやりとした橙色のゆらめく暖かい明かりでした。
わたしはじっとその小さな炎の明かりを見ながら、そのゆっくりと動いている小さな炎の明かりがわたしのところまでやってくるのをじっと待っていました。(待つことはとっても得意だったから苦にはなりませんでした)
小さな炎の明かりは私のところまでやってきました。
小さな炎の明かりの正体は『小さな火の玉のおばけ』でした。
ふわふわと浮かんでいる小さな炎に丸い目があって、地面の上を子供が持っている風船みたいにゆっくりと動いていました。
そしてそんな小さな火の玉のおばけと一緒に不思議な動物の鳥のお面をつけている男の子と女の子がいました。
鷹のようなお面と梟のような動物のお面でした。
小さな火の玉のおばけと不思議な動物の鳥のお面をつけている男の子と女の子は大きな木の幹に背中をつけて、大きな木の根っこのところに丸くなって座り込んでいるわたしを見つけると、じっときょとんとした顔をして(お面をつけていてもなんとなくわかりました)わたしのことを歩くことをやめて三人? で一緒にこっちを向いて見つめていました。




