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卒業の時


「シア……卒業したくない」

「我儘を言わないの……」

「手紙を書くから……、夏休みには遊びに来て……遠いけど迎えの馬車をだす」

「わかった……」

「シアの誕生日には一緒に過ごしたい……でも毎年シアの家でパーティーだよね。だから、その日は休みをもらってプレゼントを渡しに行く」

「嬉しいわ」

「シア……好き」


 エリクシアを抱きしめてフランドルはグリグリと頭を擦りつける。その様子を見ている学生達は微笑ましいのと同時に野獣に食べられてる美少女の様に皆の目には映っていた。


 後にあのベンチで過ごすと恋人と仲良くいられると話題になり。連日取り合いとなっていた事は2人は知らない。


 卒業当日を迎え、フランドルは両親と共に辺境へと戻る。

「フラン……少しエリクシアと過ごしてこい。私は先にエリクシアの家に行き彼女の両親と話をしてくる」

「父上……ありがとうございます」

「ねぇ、貴方……今晩は泊まって明日の日の出と共に帰りましょうよ。少しお土産も買いたいしね」

「そうか……フランドル。寮の門限と同じ時刻まで……いや……エリクシアの両親にはエリクシアも今晩は私達と過ごすと言っておくから、一緒に過ごせ。しかし……まだダメだぞ」


「父上……母上……ありがとうございます」


「フランドル、しばらくは会えないわ。ゆっくり楽しんで。これは、今日泊まるホテルの住所よ。決して無体はダメよ。まだ嫁入り前なんだから」

「ありがとうございます」


「シア……明日まで一緒にいられるよ」

「本当?お義父様お義母様ありがとうございます」

「シアちゃん、嫌なら嫌と言わないとダメだからね」

「?よくわかりませんがフランにされて嫌な事はないですよ」

「…………だ、そうよ。フラン……わかってるわよね」

「はい」



 そして、フランドルとエリクシアは朝まで共に過ごした。そう、キスをし手を繋いで寝る。それだけで2人は幸せであった。翌日、朝早くにエリクシアを実家まで送りフランドルは両親と共に辺境へと向かったのであった。


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